~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
48 / 421
~第二章:冒険者編(初期)~

48ページ目…お買い物【1】

しおりを挟む
 皆さん、お元気ですか?僕は、もうダメかもしれません…。
 と、言っても、死んじゃう訳ではないし、命の危険がある訳では無いので、そこは安心して下さい。
 只、待ちくたびれているだけだったりします…。

 これは元の世界でも言えるのですが、こちらの世界でも同じ事が言える様です。
 って、前置きはどっかそこら辺に捨てておくとして、何の事か説明しようと思います。

 事の発端は、宿屋から買い物に出たのが原因と言えます。
 その買い物と言うのが、クズハの服を買うと言う物だったのです。
 クズハを奴隷として手に入れたまでは良かったのですが、生憎、クズハは自分の物を何も持っていなかったのです。
 つまり、着替えを持っていなかったのです。

 まぁ、それを言うなら、僕も何ですけどね?
 何はともあれ、こちらの世界では新品の服と言うのはオーダーメイドを指す言葉の様で、古着屋にて中古の服を買うのが一般的な様です。

 と、此処までは普通の事、問題は…。
 何で、女の子の買い物と言う物は、こうも時間が掛かるのだろう…と思う。
 従兄弟のお姉ちゃんとデパートに買い物に行った時もそうだった。
 『ちょっと待ってて』と言われ、待てど暮らせど一向に戻ってこない…気が付いたら、2時間も待たされた事があった。

 ただ、愚痴っても意味がないのは理解している…。
 理解はしているのだが…納得がいかない。
 待ってる身としては、まだかまだかとイライラしてくる。

 と言う訳で…現在、女の子達・・・・は服屋でお買い物中に付き、僕は店先で待っている状況だったりする。
 ちなみに、こうなった原因…それは、宿屋で準備していた時の事だ。

〔そう言えば…ご主人様、人化のレベルが上がってるみたいで、姿を多少変化させる事が出来る様になったみたいなんですが…クズハさんの着替え見たら、私も色々試してみたくなりました。〕
「え~っと…具体的には何を?」
〔私も、お着替えしたいです!〕
「えぇ~~~~~ッ!?」
〔だって…ご主人様の為に、もっと可愛くなりたいんです…ダメですか?〕

 と…好きな女の子が首を傾け、上目遣いで甘えられたら、彼女いない歴十八年の僕には抵抗する術はなく、コロッと堕ちてしまっても仕方が無いじゃないか…。
 そんなこんなで、現在、彼女はショルダーバックの様な形に〖擬態〗して、クズハとお買い物中と言う事になる。
 え?なんで服を選ぶのに僕は一緒じゃないのか…だって?

 だって、僕は男ですよ?流石に、ランジェリーショップに入るのは恥ずかしいので勘弁してくださいって話だ。
 ってな訳で、中に呼びに行く事も出来ず、ずっと外で待ちぼうけをしている…と言う訳だ。

 ちなみに…たまにプリンから念話で、どんな下着が凄いだのフリルがどうだのと報告が入るが…個人的にはシンプルの方が好みだったりする。
 とは言え、夜、女子からエッチな姿で誘われたら理性が保てるか心配になるので、今は、下着よりもお出掛けする為の服を買いに行きたい気分だ。

「お、お待たせしました…ご…ムゲン様は旅をしてると聞いていますので、プリン様から許可を頂き、少々、多めに購入させて頂きました。」

 クズハはそう言うと、僕に買ったばかりの下着を見せようとする。

〔えへへ…私も、ご主人様を悩殺出来るだけのデザインは覚えて来ました♪〕
「そ、そうなんだ…次は、ちゃんとした服屋に行こうか?早くしないとお店が閉まっちゃうし…。
 そ、それに、僕も替えの服とか持ってないから、着替えが無いと、明日、着る服が無くて困ってしまうからね?」

 と、テレ隠しで次の店に急ぐ事にする。

◆◇◆◇◆◇◆

 歴史は繰り返されると言うが…その通りだと思う。
 ただ…それでも、この世界にも安物の既製品と言う物があって良かったと思う。
 基本的には古着の店で買うのだが、普通に既製品を扱う店があったのだ。

 何でも…昔、異世界から来たセイギとか言う勇者が、服屋に助言して、その様に既製品を扱う店が出来たらしい。
 今では街だけではなく、どこの町にも基本的にあるとの情報だった。
 昔の勇者とやら、グッジョブッ!!

 で、話を戻す…僕は、自分の分の服や下着をさっさと購入。
 で…再び待ちぼうけを食らっていた。

 先生…なんで、女の子と言う物は、こうも買い物に時間が掛かるんでしょうか?

【う~ん…それは私にも分からない、かな?】
【そもそも、世界の七不思議の一つですから…。】

 って言うか、ネタで聞いたのに、まさか本当に返事が返って来るとは思わなかった。
 それにしても、世界の七不思議…ですか…それは、なんと言って良いのやら…。

【何も言わなければいいのでは?】
【と言うか…そんなに女の子の買い物って時間掛かってるかしら?】

 …もしかして、先生も時間が掛かるのですか?

【な、何の事かな~…あ、友達に呼ばれちゃったから、またね~。】

 って、先生ッ?!せんせ~いッ!!

【………。】

 何だかな…さっきは留守電だったし、今回は逃げるし…。
 この世界に直接関係してるみたいなのに、そんなんで良いのだろうか?

 と、悩んでいたら、買い物を終えた二人が店から出てきた。

「やっと出てきたか…おかえり、荷物は無限庫インベントリに入れるから、僕に渡して?」
〔ご主人様、この世界に無限庫持ちは少ないと思うので、人に見られる場所では使わない方が良いと思いますが…〕
「え!?ご主人様…じゃなかった、ム、ムゲン様は無限庫持ちだったのですか…凄いです!」

 なるほど…さすが、特殊スキルなだけの事はある。
 だったら、これからは人がいる場所で使うのは止めておいた方が良いだろう…。

 あ…だとしたら、さっきの店の2件隣の鞄屋さんで見付けた、あの鞄があると便利かもしれない。

「ごめん、ちょっと買いたい物が出来たから、ここで待ってて…いや、それか一緒に来る?」
〔もちろん、行きます!〕
「わ、私も行きます!」

 と、返事をしてくれた…どうやら、二人とも付いてくる様だ。

〔それで…何を買うんですか?〕
「あぁ、ちょっと大きめな斜め掛け鞄を買おうかと。」
「え、えっと…そんな鞄、何に使うのですか?」
「いや、無限庫が目立つなら、鞄から取り出す様に見せて、無限庫から取り出せばバレないんじゃないかな?
 ちょっと大きめだから、普通に使っても、いっぱい入るだろうし。」

 僕は、未来の猫型ロボットがお腹のポケットから道具を取り出すアニメのネタを、この世界で真似する事にした。
 もっとも、この異世界でも、そんなポケットは格好が悪いので斜め掛け鞄で代用するんだけど…ね。

 しかし…あのドアを開けたら違う場所って道具、確か定価が64万円だったっけ?
 はやく元の世界で発明されて販売して欲しいぜ。
 いや~、このネタ考えた人、マジ天才だわ。

〔ご主人様、よくそんな事を思い付きますね…私じゃ思いつかなかったです。〕
「わ、私も思いつきません…ビックリです。」

 すいません、僕もそのネタ知らなかったら、たぶん思い付かなかったと思います。
 と言うのは秘密にして、ドヤ顔で『凄いだろ~』と自慢してしまった。
 いや、もしかしたらプリンとは記憶を共有したから気が付いているかも知れないが…。

 何はともあれ、その内、神様からバチが当たりそうで怖い今日この頃です…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。 最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。 更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。 「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」 様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは? ※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。 突然足元に魔法陣が現れる。 そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――― ※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

処理中です...