~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
21 / 421
~チュートリアル?~

21ページ目…初めての魔法【2】

しおりを挟む
【〖模倣コピー〗の効果により、〖魔法:灯火とうか〗を覚えた。】

 〖模倣〗と言う特殊技能とくしゅスキルを発動させた瞬間、頭の中にシステムメッセージが流れ、僕が魔法を覚えた事が告げられた。

 えぇ~~~~~ッ!?
 今までのパターンからすれば、何らかのオチがあり、すんなり覚えれるはずが無い!とさえ思っていたのに、まさかの魔法スキルゲットですかッ!?

 そう言えば…と、先生が言っていた事を必死に思い出す。
 あの時、先生は何て言っていた?
 僕は必死に、先生の言葉を思い出す。

【模倣とは、他の人や魔物などが使った技や魔法を見た際、自分が使えるスキルなら覚える事が可能になります。】

 …だったかな?

【あのね…喜んでる所悪いんだけど、模倣はある程度、その技や魔法の効果を理解していないと、覚えれないわよ?】

 謎の声さん先生に言われ、へこみそうになったが、何とか気合いで押さえ込むと凹む事を拒絶する。
 そして、先ほどの〖神の目〗で見た灯火の情報を思い出す。

【灯火…小さな炎を作り出す魔法、火種としても使われる。】

 こ、これか?もしかして、これが原因なのかッ!?
 今まで、役に立たないと思っていたスキルが、とうとう開花する瞬間キターッ!!
 あまりの驚きに、先生の声を無視しつつステータス画面にて確認をした。

 そこには確かに〖魔法:灯火〗と書いてある。

 いや~、僕は嬉しさのあまり、その場で踊り狂ったね。
 実際には少し離れた所に灰鼠《グレーマウス》がいるのだから、敵に隙を見せる事になるので踊りったりは出来ないんだけに、気持ち的な意味での表現である。

 魔法を覚えた事により、当初の予定を変更して嬉しさを堪えつつ人生初の魔法を試してみる事にする。

「〖魔法:灯火〗!」

 はい、来たコレ!このパターン…。
 そうなんだよね…うん、分かってた。
 分かってたけどさ…あぁ、悲しいくらい予想通りだよ…。
 魔法なんだから、詠唱がいるって言いたいんだよね?
 でも、僕は詠唱なんて知らないんだ…だから、詠唱無しで使えるようにしてくれても良いと思うんだ…。

 だけど、〖魔法:灯火〗を覚えた時に、僕は確認の為、ステータスを見ていたのだ。
 そう、何を隠そう…僕の特殊技能には、〖無詠唱〗のスキルがあるのだ。
 別に、隠してないってツッコミに関しては、今は勘弁してね?

 そんなこんなで、僕はさっそく〖無詠唱〗を使おうと…使う?使うなら?
 ダメだ、〖無詠唱〗の使い方が全く分からん…。
 今までのスキル使用のパターンならば、使おうと思うだけで良いと言うのがお約束になってきている。
 だが、いざ〖無詠唱〗を使おうとしても、反応しないのだ。

 あ~…コレはまた謎の声さんに怒られるパターンなのかな…。
 当初の予定では、異世界チートで強くなっているはずなのに、鼠に殺され掛けるわ、スキルを使おうとしても、毎度毎度、こんな事ばかりだと全く強くなった気がしない…。
 いや、実際にレベルが上ってはいるものの、未だに弱いままだと思うが…。

 とは言え、今は落ち込むよりも魔法を使ってみたい気持ちの方が勝った。
 こうなれば、怒られるのを覚悟して謎の声さんに聞こうと思う。

 せんせ~い、無詠唱の使い方を教えてくださ~い!

 しかし、数分ほど待ってみたのだが、謎の声さんからの反応がなかった。

 あれ?聞こえてないのかな?

 僕は、もう一度、謎の声さんを呼び出してみた。
 すると、今度は脳内に謎の声さんのメッセージが…。

【只今、留守にしております。】
【ご用のある方は、発信音の後、メッセージをお願いします。】
【『ピー!』】

 …まさかの留守番電話である。
 ってか、留守番電話機能があるとか、謎の声さんとの会話って、どんなシステムになってんのッ!?
 経験値とか手に入れた時のシステムメッセージも不可思議な現象だけど、今回の留守番電話のメッセージなんて、意味不明すぎて困惑しかないんだけど!?

 とは言え、このまま無言で会話を終了したら、謎の声さんが機嫌を悪くするのは確実な訳で…個人的に納得がいかないまま、留守番電話にメッセージを録音する事にした。

「あ、あの~…え~っと、無詠唱の使い方を教えて欲しかったんですけど…留守の様なので、戻られたら教えてください…以上です。」

 これで留守番電話にメッセージが残ったのか疑問ではあるが、会話を終了する。
 すると、脳内に再びメッセージが…。

【『ガチャッ…ツーツーツー。』】

 何なんだろ?何の役にも立たない無駄な高性能感…僕が用件を伝えると、ご丁寧に受話器を置いた時の効果音が聞こえた。 

 どっと疲れがのし掛かってくる。
 何と言うか…真っ白に燃え尽きた感があるのは気の所為だろうか?

 とりあえず、灰鼠グレーマウスを放置していた事を思い出して、灰鼠がいた場所に視線を移す。
 すると、そこには既に灰鼠が居なかった。
 まぁ、声に出して『灯火!』などと叫んでりゃ、バカ正直に待っているはずはない。
 普通は攻撃してくるか、逃げるかを選択するはずである…そして、攻撃してこなかったと言うことは逃げるを選択したと言う事。

 何か精神的に色々とキツくなったが、何時までもこの場にいても意味がないので、1階へ降りる階段を目指して歩き出したのだった…。


 その後、1階に辿り着いた僕は、さっさと魔銃で攻撃しとけば良かったと後悔したのは、また別の話である…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。 突然足元に魔法陣が現れる。 そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――― ※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。 最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。 更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。 「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」 様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは? ※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。

処理中です...