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~チュートリアル?~

10ページ目…スキルの謎【1】

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 僕は、宝箱を守る様な感じで待機している巨大な…中型犬より少し大きな鼠を見付けた。
 しかも、その額には角が一本生えている。
 流石に、これはヤバイと本能が僕に働き掛けてきたので、気付かれない様に、そっと2階に降りてきた。

 うん、挑む前に先程上がったレベルの確認しておこう。
 敵を知り己を知れば百戦殆うからず…だったか?とりあえず自分の脳力を知るのは大事である。
 アレ?敵じゃなくて彼…だったかな?まぁ、どっちでも良いか、そこは大した問題じゃない。
 とりあえず、敵と自分の戦力差くらい知っとけコノヤローと言う事だ。

◆◇◆◇◆◇◆

名前:語部カタリベ 夢幻ムゲン
種族:人族
Lv:2
HP:35/35 MP:14/14 SP:18/18
攻撃力:10 防御力:5 魔法力:6 素早さ:5

◆◇◆◇◆◇◆

 う~ん…比較対象が無いので、はっきり言って強いのか弱いのか全く分からん。
 だが、Lv2なのだから、たぶん弱いはずだ。

「先生、僕のステータスで、あの巨大な鼠を倒せますか?」

 不安からか、つい声に出して先生に話しかけてしまった。
 これ、答えてくれるのかな?

【自分で考えましょう。】

 ごもっともな意見ありがとうございます…。
 何と言うか…身も蓋もない返事に泣きそうになってくる。

 とは言え、今の僕に倒せるか倒せないか…は、この際置いとくとして、まずは倒す手段を考える。
 僕が使えるスキルとして…今まで倒した鼠に使っていた〖投擲とうてき〗は有効なはずだ。
 あと、使えるかどうか分からないが〖闘気剣オーラブレード〗と〖闘気弾オーラショット〗の合計3種類しかない。

 正直な話、〖攻撃魔法:Lv10〗〖回復魔法:Lv10〗〖精霊魔法:Lv10〗〖無詠唱:Lv10〗〖多重詠唱:Lv10〗なんかもあるにはあるが、魔法を覚えていない為、使う事は出来ない。
 所詮いわゆる、宝の持ち腐れ…だ。

 先ほどのレベルアップで攻撃力が10に上がっている…〖限界突破《オーバーフロー》〗の効果もあり、Lv1の時の3倍以上の攻撃力があるのは分かった。
 さらに、レベルが上がった事により各種能力も上がっている様だ。
 ただ、コレがどこまで強くなったのか…と言う事が分からない。

 それからHPやMPだけでは無く、SPも当然の様に上がっている。
 〖闘気剣オーラブレード〗を使った時、悲しい事に一瞬で消えたが、もしかしたら少しは持続時間が増えているかもしれない。
 もしそうであるなら、的確に急所とかに一撃を入れる事が出来れば倒せる可能性はグンッと増えるはずだ。
 まぁ、この欠点はヤツの急所が分からない…と、言う所か?

 とりあえず、このまま戦いを挑むには流石に無謀な気がするので、まずはどれだけ強くなったかの実験が必要だと思う。
 故に…僕は、階段から少し離れた場所に移動し、闘気剣と闘気弾を試す事にした。
 ちなみに…階段から離れたのは、あの角付きが僕の存在に気が付いて戦闘になるのを防ぐ為である。

「〖闘気剣オーラブレード〗!」

 すると、前回同様に僕の手に光の剣が一瞬だけ現れて消えた。
 あ、あれ?また一瞬だけ…なのか?
 何となくだが、前回とは違う様な違和感がある物の、気の所為か?と言うレベルの違和感でしか無く、結局、一瞬しか発動しない闘気剣にガッカリする事となった。

 とは言え、感覚的にではあるが、最初に使った時よりもSPの消費が激しいのを感じた気ががしたのは間違いなかった。
 原因が分からない…が、これが違和感の正体だと思う。

 結局、違和感の正体は分からないままだがSPが完全フルに回復するのを待ってから、闘気弾を試す事にした。

「〖闘気弾オーラショット〗!」

『ドガッ!』

 SPが完全に回復したのをステータスで確認した後、壁に向けてスキルを発動させる。
 解き放たれた闘気弾は、そのまま壁に当たり…大きな窪みを付け罅《ひび》が入った。

「え、えぇ~ッ!?」

 闘気弾…最初に使った時は、壁が拳ほどの範囲が少し削れただけだけだったはず。
 故に、闘気剣が一瞬で消えた様に闘気弾も同様になると思っていた為、驚いてしまった。

 せ、先生…ヒント、そうヒントくださいッ!!
 僕はパニックになりながら先生に威力が違う原因を教えて貰おうとする。
 だが、謎の声さんの返事は…。

【先ほども言いましたが、自分で考えましょう。】

 と、先程同様に、塩対応である。
 それが分かれば先生に聞いてません!と言いたい所だが、今回は食い下がる。

 先生、そこをなんとか…よっ先生、世界一!
 僕はダメ元で煽《おだ》ててみた。

【え…そ、そうかな~?で、でも煽てても教えませんよ?】

 おや?何か、声にテレが入ってる気がする。
 だがが、残念ながら教えてくれないらしい。
 とは言え、確実に何か知っているみたいなので、今度は逆に挑発してみようと思ったのだった…。
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