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~チュートリアル?~
8ページ目…初めての試練
しおりを挟む 靴を穿いてない状態で異世界に転移させられた僕は、足下を気を付けながら塔の入り口まで歩いた。
そして、塔の入り口に辿り着くと迷わず外へと出ようとしたのだが…。
【あ、ちょっと待って!】
え?先生、どうかしましたか?
【だから先生じゃないってば…。】
いえいえ、色々教えて貰ってるのに、いつまでも謎の声さんってのもどうかと思いまして…。
【はぁ、そうですか…。】
えぇ、それで、色々教えてくれる訳ですから、いっその事、先生か師匠と呼んだ方が良いかと思ったんですよ、はい。
って事で、先生と師匠のどちらかが良いですか?
【あのね~、私も先生や師匠と呼ばれる程、偉い訳じゃないんです?】
…どうしてもダメですか?
【え、えっと…どうしてもと言う事でしたら仕方ない…かな?】
【でも、そうですね…師匠と呼ばれるのは何か違う気がしますので、消去法で先生でお願いします。】
はい、それでは先生と呼ぶ事にしますので、改めて、よろしくお願いします。
僕はそう言うと、頭を下げた。
【いえ、こちらこそよろしくお願いします。】
『よろしく』と言う先生の声を聞くと、今度こそとばかりに、そのまま塔の外に出ようとする。
【コラッ!だから、待ちなさいって言ってるでしょ!】
…さっそく、先生に怒られてしまった。
そう言えば、さっき先生に待ちなさいと言われたばかりだった様な…。
「ごめんなさい!」
【まったくもう!話はちゃんと最後まで聞く事、良いわね?】
「はい…すいませんでした。」
僕は先生の声がちょっと怖いので、心の中での返事ではなく声に出して謝った。
【もう…話を戻すから今度こそ良く聞いてよね?】
【貴方が今居る所は、試練の塔って言う名前の塔の中…それも入り口なのね。】
なるほど、試練の塔ですね。
でも、最初、神の目で確認したらスタトの塔って言っていた気が…。
【ギクッ!そ、それは正式名称ってヤツよ…試練の塔と言うのは、所謂、別称と言うか何と言うか…。】
あぁ、俗称の事ですね?
それで、わざわざ引き留めたと言う事は、この塔で何かをするんでしょうけど…その…僕はどうしたら良いのでしょうか?
【もう、慌てないの!それを今から説明するんだから!】
【えっと…この塔は、あなたの物語の一番最初の試練となります。】
【とは言え、一番最初の試練ですから、それほど難しい事では無いのですが…この塔の最上階まで登り、そこにある宝箱を回収…正確には、その宝箱の中身を回収する事が、最初の試練になります。】
さ、最上階ですか…。
しかも、中身って言わなくても流石に宝箱そのものの回収とは思いませんよ?
【貴方、本当に宝箱を回収しなかったと言い切れる?】
ギクッ!?
【まぁ、その事については追求しないでおくわ。】
【でもまぁ、最上階と言っても、この塔は3階までしか無いから特に問題ないと思うわよ?】
困っている顔をしていると、先生が少し呆れた声で3階までと教えてくれた。
まぁ、確かに3階しかないとは言え、最上階と言うと、凄く感じるのは無理もない話なのだろう。
【それでは、頑張って上ってくださいね。】
う~ん、このまま出た方が良い気がするのだが…とは言え、このまま出ようとすると、再び先生に怒られるだろうし…。
なので、怒られるのが怖い…と言う情けない理由ではあるが、言われた通りに最上階を目指す事にしたのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
現在、僕が居るのは1階…塔の入り口だ。
コレに関しては〖神の目〗で確認済みなので間違いないだろう。
それにしても、現在地の確認に、自分がいる場所の階層まで分かる機能があるとは驚きである。
もしかしたら、〖神の目〗には、まだまだ隠された能力があるかもしれない。
何はともあれ、周囲をくまなく観察する。
ぶっちゃけ、特にコレと言った物は周囲に何もない。
正確には上の階に上る階段が遠くに一つあるだけである。
僕は足元に注意しながら慎重に階段を上がり、2階に到着する。
そして、少し歩いた所…遠くの柱の側に何かがいるのが見えた。
「何か…大きな鼠《ねずみ》がいるな…。」
僕は誰に言うでもなく、ぽつりと呟いた。
次の瞬間、鼠もこちらに気が付いた様で、何故か僕の方に走ってきた。
「う、うわぁぁぁぁああッ!?」
只、近づいてくるだけではない。
何か、殺気の様な物を感じ、慌てた僕は〖無限庫〗から連続で石を取り出し投げまくった。
その投げた石は〖投擲〗スキルの影響を受け、一直線に鼠へと飛来する。
『ガッガッガッ!』
まるでゴキブリに出くわした様な感じでパニックになりながら、夢中で鼠に石を投げ付けた。
気が付い時には、〖無限庫〗から石が無くなっていた。
とは言え、その投げ付けた石の何発か鼠に直撃したのだろうか?
僕の方へと向かってきた鼠は、その活動を停止させ動かなくなっていたのだった…。
そして、塔の入り口に辿り着くと迷わず外へと出ようとしたのだが…。
【あ、ちょっと待って!】
え?先生、どうかしましたか?
【だから先生じゃないってば…。】
いえいえ、色々教えて貰ってるのに、いつまでも謎の声さんってのもどうかと思いまして…。
【はぁ、そうですか…。】
えぇ、それで、色々教えてくれる訳ですから、いっその事、先生か師匠と呼んだ方が良いかと思ったんですよ、はい。
って事で、先生と師匠のどちらかが良いですか?
【あのね~、私も先生や師匠と呼ばれる程、偉い訳じゃないんです?】
…どうしてもダメですか?
【え、えっと…どうしてもと言う事でしたら仕方ない…かな?】
【でも、そうですね…師匠と呼ばれるのは何か違う気がしますので、消去法で先生でお願いします。】
はい、それでは先生と呼ぶ事にしますので、改めて、よろしくお願いします。
僕はそう言うと、頭を下げた。
【いえ、こちらこそよろしくお願いします。】
『よろしく』と言う先生の声を聞くと、今度こそとばかりに、そのまま塔の外に出ようとする。
【コラッ!だから、待ちなさいって言ってるでしょ!】
…さっそく、先生に怒られてしまった。
そう言えば、さっき先生に待ちなさいと言われたばかりだった様な…。
「ごめんなさい!」
【まったくもう!話はちゃんと最後まで聞く事、良いわね?】
「はい…すいませんでした。」
僕は先生の声がちょっと怖いので、心の中での返事ではなく声に出して謝った。
【もう…話を戻すから今度こそ良く聞いてよね?】
【貴方が今居る所は、試練の塔って言う名前の塔の中…それも入り口なのね。】
なるほど、試練の塔ですね。
でも、最初、神の目で確認したらスタトの塔って言っていた気が…。
【ギクッ!そ、それは正式名称ってヤツよ…試練の塔と言うのは、所謂、別称と言うか何と言うか…。】
あぁ、俗称の事ですね?
それで、わざわざ引き留めたと言う事は、この塔で何かをするんでしょうけど…その…僕はどうしたら良いのでしょうか?
【もう、慌てないの!それを今から説明するんだから!】
【えっと…この塔は、あなたの物語の一番最初の試練となります。】
【とは言え、一番最初の試練ですから、それほど難しい事では無いのですが…この塔の最上階まで登り、そこにある宝箱を回収…正確には、その宝箱の中身を回収する事が、最初の試練になります。】
さ、最上階ですか…。
しかも、中身って言わなくても流石に宝箱そのものの回収とは思いませんよ?
【貴方、本当に宝箱を回収しなかったと言い切れる?】
ギクッ!?
【まぁ、その事については追求しないでおくわ。】
【でもまぁ、最上階と言っても、この塔は3階までしか無いから特に問題ないと思うわよ?】
困っている顔をしていると、先生が少し呆れた声で3階までと教えてくれた。
まぁ、確かに3階しかないとは言え、最上階と言うと、凄く感じるのは無理もない話なのだろう。
【それでは、頑張って上ってくださいね。】
う~ん、このまま出た方が良い気がするのだが…とは言え、このまま出ようとすると、再び先生に怒られるだろうし…。
なので、怒られるのが怖い…と言う情けない理由ではあるが、言われた通りに最上階を目指す事にしたのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
現在、僕が居るのは1階…塔の入り口だ。
コレに関しては〖神の目〗で確認済みなので間違いないだろう。
それにしても、現在地の確認に、自分がいる場所の階層まで分かる機能があるとは驚きである。
もしかしたら、〖神の目〗には、まだまだ隠された能力があるかもしれない。
何はともあれ、周囲をくまなく観察する。
ぶっちゃけ、特にコレと言った物は周囲に何もない。
正確には上の階に上る階段が遠くに一つあるだけである。
僕は足元に注意しながら慎重に階段を上がり、2階に到着する。
そして、少し歩いた所…遠くの柱の側に何かがいるのが見えた。
「何か…大きな鼠《ねずみ》がいるな…。」
僕は誰に言うでもなく、ぽつりと呟いた。
次の瞬間、鼠もこちらに気が付いた様で、何故か僕の方に走ってきた。
「う、うわぁぁぁぁああッ!?」
只、近づいてくるだけではない。
何か、殺気の様な物を感じ、慌てた僕は〖無限庫〗から連続で石を取り出し投げまくった。
その投げた石は〖投擲〗スキルの影響を受け、一直線に鼠へと飛来する。
『ガッガッガッ!』
まるでゴキブリに出くわした様な感じでパニックになりながら、夢中で鼠に石を投げ付けた。
気が付い時には、〖無限庫〗から石が無くなっていた。
とは言え、その投げ付けた石の何発か鼠に直撃したのだろうか?
僕の方へと向かってきた鼠は、その活動を停止させ動かなくなっていたのだった…。
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