～僕の異世界冒険記～異世界冒険始めました。

～チュートリアル？～

3ページ目…スキル確認【1】

　警告音とともに転移した僕、どうやらその衝撃で気を失ってしまった様だ。

　次に目が覚めると、僕は見た事もない壊れた塔の中にいた…。
　ちなみに、所々、壊れているから、ここが塔である事が分かったのは良いが、こんな風に壊れてしまうとは、いったい何があったのだろうか？と思う。

　そして、最後に聞いた言葉通りであるならば、やはりここは異世界…と言う事だろうか？
　そして、僕は、あの部屋での出来事を思い出した。

（そう言えば、あの部屋…あちこち爆発してたけど、怪我してないよな？）

　どこか怪我をしてないか不安になり体を調べる。
　うん…良かった。
　どうやら、どこも怪我は無い様だ。

【ステータスと念じるとステータスを確認できます。】

　ん？この声は、あの部屋の…って、言うかステータス…か。
　そう言えば結局、初期設定とか言っていたのはどうなったのだろうか？
　そう言う意味でも、ここでステータスのチェックをするのは大事だ。
　ってな訳で、さっそく！

（ステータス）

【ステータスを起動します。】

◆◇◆◇◆◇◆

名前：語部かたりべ　夢幻むげん
種族：人族
Lv：1
HP：20/20　MP：10/10　SP：10/10

攻撃力：3　防御力：3　魔法力：3　素早さ：3

頭：なし　体：布の服　右手：なし　左手：なし　足：靴下
特殊1：なし　特殊2：なし

健康状態：通常

特殊技能とくしゅスキル：〖ステータス表示〗〖自己治癒〗〖HP/MP/SP高速回復〗
〖全属性持ち〗〖限界突破オーバーフロー〗〖無限庫インベントリ〗〖模倣コピー〗
〖不滅〗〖神の目〗


技能スキル：〖闘気剣オーラブレード：Lv10〗〖闘気弾オーラショット：Lv10〗〖攻撃魔法：Lv10〗〖回復魔法：Lv10〗〖精霊魔法：Lv10〗〖無詠唱：Lv10〗〖多重詠唱：Lv10〗〖投擲：Lv10〗

耐性：〖全属性耐性：Lv10〗〖毒無効〗〖麻痺無効〗〖幻惑無効〗

称号：〖存在しない者〗〖異世界冒険者〗〖悪夢の虜ゆめのとりこ〗

所持金：〖白金貨：0〗〖金貨：0〗〖銀貨：0〗〖大銅貨：0〗〖銅貨：0〗〖賤貨：0〗

◆◇◆◇◆◇◆

「なるほど…ステータスはこうやって使うのか。」

　基本的には、ゲームで良くあるステータスみたいなので問題はなさそうだ。

「えっと…ゲームみたいだからHPは体力だな？それからMPは魔力、SPはスキルポイントかな？
　いや、スタミナと見るべきか？
　あとは…は、はい～ッ！？何だ、この特殊技能から下はッ！！」

　基本能力や装備は、何も変わっていない様だが、それ以外の物が明らかに可怪しい。

　確か、チート機能がどうとか言ってた所為だと思うのだが…スキル関係が全て最大レベルLv10になってるみたいだ。
　ただし、幾つか判らない物があるが、それでもある程度の予想は付く。

　自己治癒だけでなくHP/MP/SP高速回復…コレはゲームであれば基本的には即死さえしなければ、まず死なない程の能力と思う。
　しかし…何だってゲーム形式なんだ？
　僕はあの時、本を読もうとしただけなのに…。

「とりあえず…ここは何処だろう？」

【神の目を起動と念じれば神の目を起動します。】

　またか…とは思いつつも、神の目を使う事にする。

（神の目、起動）

【神の目を起動します。】

【現在地確認…現在地は、スタトの塔です。】

　なるほど、つまり神の目は、現在地を知る事が出来るのか…。
　まぁ、現在地が分かれば、どうにかなる事も多々あるので便利と言えば便利である。
　ただし、それには土地勘や地図が頭の中に入っていれば…との、条件がつくのだが、そのどちらも僕は持っていない。
　その為、現在地だけ分かっても街とか分からないのでは意味がないのでは？
　そう思った瞬間。

【北へ10kmほど行くとメルトの村があります。】

　ふむ、神の目には近くの街への距離と方角が分かる機能もあるのか…つまり、〖神の目〗は、ゲームなんかに良くあるマップの機能なんだな？
　しかし…さっきから思っている事だが、なんてご都合主義なんだろう。
　もう、なんでもありな気がしてきた。

　それと…もう一度、神の目を起動しようとしたら、次に使う時は起動ってメッセージは無かった。
　ステータス表示も一緒なのだろうか？

　どうせだから、もう一度スキルとかの確認もしたいしな。
　そう思って、ステータスを起動させる。
　案の定、ステータスを表示させているのに、メッセージはなかった。

　闘気剣、闘気弾、攻撃魔法、回復魔法、投擲とうてき…投擲って、確か物を投げる事だったよな？
　ちょうど足下に石があるから投げてみようかな…。

「えぃッ！」

　野球のフォームで足元の石を投げてみる。

『コンッ！』

　何だろう…この虚むなしさ…正直言って、普通に投げただけだった。
　もっと、こう…ドガンッ！って感じで爆発とかするのを期待したのだが…。
　悲しくなるのをグッと堪え、改めてスキルを最初から試す事にする。

　〖闘気剣オーラブレード！〗

　全・力・でスキルを発動させる…すると、一瞬だけ右手に光る剣？剣みたいなのが出来たと思ったのだが、一瞬で消滅きえて無くなってしまった。

「あ、あれ？」

　ステータスを確認すると、10あったSPが0…ゼロになっている。
　とは言え、SPがゼロになったと言うのに警告としてメッセージは無い。
　つまり、戦闘中は常にSPの消費も考えないといけないと言う事だろう。

　とは言え、ある意味で良かったと思う…何せ、毎回メッセージがあると大変だからね。

　そんな訳で、そのままステータスを眺めていたのだが…あ、SPが1になった。
　なるほど、コレが〖HP/MP/SP高速回復〗の効果か…思った以上に回復する速度はある様だ。
　そう言う意味では、流石、高速回復…と言えるだろう。

　なので、そのまま少し待つ…すると、それほど時間が経たずにSPがいっぱいになった。
　一瞬だけなら剣？を出せるのが分かったから、今度はその威力を調べたい。
　壁の前に立ち手を振り下ろしながら、剣が出るであろうタイミングを見計らいつつスキルを使う。

〖闘気剣！〗

『サクッ』

　凄く小さな音が鳴った。
　壁を見てみると、確かに壁には無かった斬り込みが見える…が、斬った長さに関しては、それほど長くはない。
　腕を振って斬ったのに、これだけしか斬れないとなると、この闘気剣…スキルLv10と書いてるのに威力も持続時間も短すぎて使えないんじゃないかなと思う。

　よし、次行ってみよう！半ばヤケクソになって次のスキルを試す事にする。

　次は闘気弾…弾と言うからには飛び道具だろう…。
　ならば…と先ほど同様に壁に向けて攻撃する。

〖闘気弾オーラショット！〗

　何も出なかった。
　うん、そんな気はしてたさ…でも、やはり虚しすぎる。
　何て言うのかな…何も出なかったと言ったが、少し涙が出た。

　ステータスを確認するとまだSPが4しかなかった。
　…つまり、アレだ、SPが回復するまで待たずに使おうとした所為で、スキルを発動させるだけのSPが不足していて発動しなかったと言うヤツだ。
　自業自得とは言え、恥ずかしい…。

　もう一度、SPが回復したのを待ってから、スキルを使う。

〖闘気弾！〗

『ドカッ！』

　今度は成功したみたいだ。
　壁を確認すると壁が拳ほどの大きさで少し削れただけみたいだった。

　フッ！コレも使えないスキルと思ってたさ！…グスンッ…。