けもの

夢人

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総攻撃5

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 仕掛けられた白煙が獣道の至る所から上がる。これは毒煙だ。これに向かって火薬玉を投げ入れる。この隠れ家で蓄えて来た火薬のすべてだ。切り合いになるまでに人数を減らさないと全滅する。すでに戦いが始まって2刻になる。だが煙の中から剣を抜いた服部の忍者が5人10人と現れる。
 こちらも下忍が15人剣を抜いて走って行く。だがすでに50人ほどが獣道から出てきた。狗と狼と京之助も剣を抜く。満身創痍だがさすがに京之助の剣は凄い。見る間に5人を切り伏せている。狗と狼はようやく2人を切ったところだ。もう獣道の白煙は消えている。もうすぐ服部の3弾がやってくる。もう年寄りもくノ一も切り込んでいる。
 だが無傷の第3弾が現れた。
「狗覚悟だ」
 半蔵の声が響く。圧倒的な忍者が押し寄せてくる。至る所で年寄りやくノ一が切られていく。これは半蔵を切るしか道は開かない。走り抜けると半蔵に切り込んだ。だが躱すように撥ねた剣が狗の額を切る。狗は滑り込むように下から攻める。だがそれを見透かしたように剣が振り下ろされる。だがそれを食い止めたのは狼の剣だ。やはり京之助の弟子だった男だ。狼はさらに剣を反転させて割ってはいた下忍を切り払った。
 狗は思い出したように後ろに下がって輪を作る。見た限り10人そこそこしか残っていない。中央に半蔵がもう終わりだと言うように立っている。一瞬戦いが停まった。
「狗、狼、久しぶりに半蔵に突進だ」
 言うなり京之助が走り出した。これには半蔵も驚いた。狗の突きが半蔵の脇腹をすり抜け、狼の足払いで半蔵は飛び上がった。それに目がけて京之助が飛び上がる。空中で剣が交じりあい京之助の剣が一瞬消えたように見えた。半蔵の体が撥ねるように後ろに飛んだ。
 その時茂みから鉄砲の爆音がした。それから多数の煙が投げ込まれた。やっと狐たちが間に合ったのだ。
「走るよ」
 狐の声がして生き残った者はすべて走り出した。






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