151 / 199
総攻撃5
しおりを挟む
仕掛けられた白煙が獣道の至る所から上がる。これは毒煙だ。これに向かって火薬玉を投げ入れる。この隠れ家で蓄えて来た火薬のすべてだ。切り合いになるまでに人数を減らさないと全滅する。すでに戦いが始まって2刻になる。だが煙の中から剣を抜いた服部の忍者が5人10人と現れる。
こちらも下忍が15人剣を抜いて走って行く。だがすでに50人ほどが獣道から出てきた。狗と狼と京之助も剣を抜く。満身創痍だがさすがに京之助の剣は凄い。見る間に5人を切り伏せている。狗と狼はようやく2人を切ったところだ。もう獣道の白煙は消えている。もうすぐ服部の3弾がやってくる。もう年寄りもくノ一も切り込んでいる。
だが無傷の第3弾が現れた。
「狗覚悟だ」
半蔵の声が響く。圧倒的な忍者が押し寄せてくる。至る所で年寄りやくノ一が切られていく。これは半蔵を切るしか道は開かない。走り抜けると半蔵に切り込んだ。だが躱すように撥ねた剣が狗の額を切る。狗は滑り込むように下から攻める。だがそれを見透かしたように剣が振り下ろされる。だがそれを食い止めたのは狼の剣だ。やはり京之助の弟子だった男だ。狼はさらに剣を反転させて割ってはいた下忍を切り払った。
狗は思い出したように後ろに下がって輪を作る。見た限り10人そこそこしか残っていない。中央に半蔵がもう終わりだと言うように立っている。一瞬戦いが停まった。
「狗、狼、久しぶりに半蔵に突進だ」
言うなり京之助が走り出した。これには半蔵も驚いた。狗の突きが半蔵の脇腹をすり抜け、狼の足払いで半蔵は飛び上がった。それに目がけて京之助が飛び上がる。空中で剣が交じりあい京之助の剣が一瞬消えたように見えた。半蔵の体が撥ねるように後ろに飛んだ。
その時茂みから鉄砲の爆音がした。それから多数の煙が投げ込まれた。やっと狐たちが間に合ったのだ。
「走るよ」
狐の声がして生き残った者はすべて走り出した。
こちらも下忍が15人剣を抜いて走って行く。だがすでに50人ほどが獣道から出てきた。狗と狼と京之助も剣を抜く。満身創痍だがさすがに京之助の剣は凄い。見る間に5人を切り伏せている。狗と狼はようやく2人を切ったところだ。もう獣道の白煙は消えている。もうすぐ服部の3弾がやってくる。もう年寄りもくノ一も切り込んでいる。
だが無傷の第3弾が現れた。
「狗覚悟だ」
半蔵の声が響く。圧倒的な忍者が押し寄せてくる。至る所で年寄りやくノ一が切られていく。これは半蔵を切るしか道は開かない。走り抜けると半蔵に切り込んだ。だが躱すように撥ねた剣が狗の額を切る。狗は滑り込むように下から攻める。だがそれを見透かしたように剣が振り下ろされる。だがそれを食い止めたのは狼の剣だ。やはり京之助の弟子だった男だ。狼はさらに剣を反転させて割ってはいた下忍を切り払った。
狗は思い出したように後ろに下がって輪を作る。見た限り10人そこそこしか残っていない。中央に半蔵がもう終わりだと言うように立っている。一瞬戦いが停まった。
「狗、狼、久しぶりに半蔵に突進だ」
言うなり京之助が走り出した。これには半蔵も驚いた。狗の突きが半蔵の脇腹をすり抜け、狼の足払いで半蔵は飛び上がった。それに目がけて京之助が飛び上がる。空中で剣が交じりあい京之助の剣が一瞬消えたように見えた。半蔵の体が撥ねるように後ろに飛んだ。
その時茂みから鉄砲の爆音がした。それから多数の煙が投げ込まれた。やっと狐たちが間に合ったのだ。
「走るよ」
狐の声がして生き残った者はすべて走り出した。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―
kei
歴史・時代
周囲の外敵をことごとく鎮定し、向かうところ敵なし! 盤石に見えた帝国の政(まつりごと)。
しかし、その政体を覆す計画が密かに進行していた。
帝国の生きた守り神「軍神マルスの娘」に厳命が下る。
帝都を襲うクーデター計画を粉砕せよ!
水滸幸伝 ~王倫・梁山泊にて予知夢を見る~
シャア・乙ナブル
歴史・時代
中国四大奇書のひとつ、水滸伝。
登場人物達が悲惨な結末を迎える展開が多いこの物語を幸せな方向へと書いてみたのがこの話です。
本来なら物語序盤で梁山泊の首領の座を奪われ命を落とす狭量で小心者の王倫(おうりん)。彼は何時の頃からか自分の身に起きるであろう出来事を夢で見るようになる。
さらには自分の余命まで知る事となり己を省みて一念発起。夢からの警鐘を活かして危機回避を目指しながら梁山泊には平穏をもたらそうと志す。そんな彼に影響を受け一人、また一人と新たな仲間が加わっていく。
残酷描写はないので苦手な方も安心。知略を駆使した壮大な駆け引きと予想を裏切る展開。何より好漢達が成長していく姿が面白い水滸伝がここに開幕。
この作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
氷の沸点
藤岡 志眞子
歴史・時代
「狐に幸運、人に仇」の続編。
親戚同士で幼馴染の久尾屋の娘、千陽(ちはる)と、天野 夏以(なつい)は仲が良く初恋同士でもあった。
しかし、恋心が芽生える前から結婚はできないからね、とお互いの両親から言われ続けて年頃を迎える。
薬師見習いとして久尾屋に奉公に上がった夏以は、恋焦がれる千陽に婚約者がいる事を知る。
婚約者の遠原 和葉(とおはら かずは)、本名を天野 桂樹(あまの けいじゅ)。そして入れ替わったもうひとりの人物。
関わる者の過去、繋がりにより急展開していく四人の人生。(狐憑き)の呪いは続くのか。
遠原 和葉目線、天野 桂樹目線、祥庵目線(他、人物目線)と、様々な人物のストーリーが交錯していきます。
伏線回収系ストーリー
36話完結。
(※二十歳以下の登場人物の年齢に三歳足すと現代の感覚に近くなると思います。)
短編歴史小説集
永瀬 史乃
歴史・時代
徒然なるままに日暮らしスマホに向かひて書いた歴史物をまとめました。
一作品2000〜4000字程度。日本史・東洋史混ざっています。
以前、投稿済みの作品もまとめて短編集とすることにしました。
準中華風、遊郭、大奥ものが多くなるかと思います。
表紙は「かんたん表紙メーカー」様HP
にて作成しました。
パスカルからの最後の宿題
尾方佐羽
歴史・時代
科学者、哲学者として有名なパスカルが人生の最後に取り組んだ大仕事は「パリの街に安価な乗合馬車」を走らせることだった。彼が最後の仕事に託した思いは何だったのか。親友のロアネーズ公爵は彼の思考のあとを追う。
天啓の雲
古寂湧水 こじゃくゆうすい
歴史・時代
草競馬の馬券師から年収850兆円の世界一の長者へ。痛快無比勝ち組の物語
主人公が陶芸家で仏教派閥の門主という設定ですがロスチャイル〇やロックフェラ〇を叩きのめし世界一の長者まで上り詰めました。
またアフガンやシリアを転宗させて解決をするなどノーベル賞や英国最高のガーター勲章や仏国のレジオンドヌール勲章を受勲。
茶道の千利休や小堀遠州も出てきて楽しませてくれます。まあ、利休は秀吉に尿瓶をルソン壺の茶壷として売ったのが発覚して殺されたことになっていますけれどね。
見どころはK国に盗まれた仏像の奪還に露死阿の大統領公邸に桐野利秋や村田新八の薩摩軍に新選組それに新門辰五郎や清水次郎長に国定忠治の任侠連合軍が突入するところです。
四菱重工や四菱商事にユニシロの企業買収もやっていますが、勝ち組の物語ですのでどうぞお楽しみください。でも、なんといっても最高のウリは作者の発想力ですかね。はっはっはっ。
☆ほぼ毎日更新をしています☆
東洋大快人伝
三文山而
歴史・時代
薩長同盟に尽力し、自由民権運動で活躍した都道府県といえば、有名どころでは高知県、マイナーどころでは福岡県だった。
特に頭山満という人物は自由民権運動で板垣退助・植木枝盛の率いる土佐勢と主導権を奪い合い、伊藤博文・桂太郎といった明治の元勲たちを脅えさせ、大政翼賛会に真っ向から嫌がらせをして東条英機に手も足も出させなかった。
ここにあるのはそんな彼の生涯とその周辺を描くことで、幕末から昭和までの日本近代史を裏面から語る話である。
なろう・アルファポリス・カクヨム・マグネットに同一内容のものを投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる