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二人の家康2
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狼を高虎の小姓の中に入れた。今までのように高虎にずっとついていることが狗にはできなくなったのだ。
方広寺鐘銘事件が起こるべくして起こった。狗が調べた限り言いがかりだ。林羅山と天海のライバルと言う崇伝が係わっている。だが秀頼側にはこれをあしらう家臣がいない。どんどん家康の思い通りに運ばれていく。秀頼側は財宝を使って関が原で浪人になった無償を集め始める。
「庭に降りてください」
鼠の声だ。狗はゆっくりと庭に降りる。
「天海が城下に来ています。もちろん京之助殿も。会いたいと?」
狗は昔からよく行く居酒屋に浪人の格好で訪ねる。
「狼が入ったらしいな?」
「早くも?」
「高虎にも狗にも服部が付いているのだ。あれは昔道場で拾われた子だ。私が道場にいる時まで育てた。その後追放されたのだ。柳生も家柄の差別があるのさ。あれの剣の筋はいい」
狐は素質のいい捨て子を集めさせている。村では半分以上が捨て子だ。それでも夫婦になったものも多い。
「今回は崇伝が仕掛けた作戦だ」
「天海殿のライバルでは?」
「天海殿は崇伝を利用しているのだ。家康殿は年齢が年齢だけに焦っておられる。今回はこの言いがかりを利用して戦いを起こす気だな。だが天海殿はもっと先のことを考えておられる」
「もっと先のこと?」
「江戸城の街造りや・・・だが不思議ことがある。そちらが秀長殿の死で使った影武者だ。同じことを天海殿も始められたように思う。宗矩殿も知らない」
「私に何をしろと?」
京之助から酒を注ぐ。
「天海殿の影武者を調べてほしいのだ?すでに大坂城の蔵の中にいる。どうも式神のような気がする。胡蝶が監督を任されているようだ」
「それを宗矩殿知らせるつもりですか?」
「ああ、それで道場に戻してもらうつもりだ」
方広寺鐘銘事件が起こるべくして起こった。狗が調べた限り言いがかりだ。林羅山と天海のライバルと言う崇伝が係わっている。だが秀頼側にはこれをあしらう家臣がいない。どんどん家康の思い通りに運ばれていく。秀頼側は財宝を使って関が原で浪人になった無償を集め始める。
「庭に降りてください」
鼠の声だ。狗はゆっくりと庭に降りる。
「天海が城下に来ています。もちろん京之助殿も。会いたいと?」
狗は昔からよく行く居酒屋に浪人の格好で訪ねる。
「狼が入ったらしいな?」
「早くも?」
「高虎にも狗にも服部が付いているのだ。あれは昔道場で拾われた子だ。私が道場にいる時まで育てた。その後追放されたのだ。柳生も家柄の差別があるのさ。あれの剣の筋はいい」
狐は素質のいい捨て子を集めさせている。村では半分以上が捨て子だ。それでも夫婦になったものも多い。
「今回は崇伝が仕掛けた作戦だ」
「天海殿のライバルでは?」
「天海殿は崇伝を利用しているのだ。家康殿は年齢が年齢だけに焦っておられる。今回はこの言いがかりを利用して戦いを起こす気だな。だが天海殿はもっと先のことを考えておられる」
「もっと先のこと?」
「江戸城の街造りや・・・だが不思議ことがある。そちらが秀長殿の死で使った影武者だ。同じことを天海殿も始められたように思う。宗矩殿も知らない」
「私に何をしろと?」
京之助から酒を注ぐ。
「天海殿の影武者を調べてほしいのだ?すでに大坂城の蔵の中にいる。どうも式神のような気がする。胡蝶が監督を任されているようだ」
「それを宗矩殿知らせるつもりですか?」
「ああ、それで道場に戻してもらうつもりだ」
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