75 / 199
駆け引き1
しおりを挟む
光秀は信長に亡骸を探すのに手こずっている。だが朝廷からは予定通り宣旨が出た。光秀が天下を取ったと言うのにはまだ早い。光秀を倒そうと言う動きはない。光秀軍は手勢の5千のままだ。
「狐からの繋ぎです」
狐についていた年寄りが戻ってきて文を渡す。
「家老が山崎に向かっています」
「山崎?」
どうして今山崎なのだろうか?確かに京を光秀が制圧した。朝廷も認めたが四方の軍がどう動くのかが問題だ。
蝙蝠が光秀の陣から戻ってきた。
「光秀はあれから弾正の忍者を各陣に参戦の依頼を送っています。とくに揚羽を堺の家康の元に送っています」
「胡蝶は?」
「今どこにいるか不明です。どうも光秀は京から動くような動きを見せています」
「やはり果心のいうようにここからが見えないのだな」
狗は蝙蝠を初めに手勢を5人連れて山崎に向かうことにした。途中で年寄りとくノ一を西国街道の入り口を見張らせた。山崎には一番高い天王山がある。山に登り始めた時に手裏剣の応酬を受けた。狗は山に登るのを諦めて麓に降りた。服部がすでにきている。まさかここで家康が合流するのだろうか?だが家康本軍の動きは伝えられていない。
「どれほどいる?」
「百はいるようです。宗矩が指揮を執っているように思います」
夜はここで野宿をする。夜明けに草の動く音に剣を握った。鼠の笛が鳴った。
「鼠か?」
さすがに速い。だが相当疲れているようだ。
「秀吉殿に渡しました。高松城を和解して全軍の大返しを始めました。恐らく服部は情報を得たようです」
さすがに早い判断だ。あの軍師は準備を始めていたに違いない。家康が一番恐れているのは秀吉だ。
「狐からの繋ぎです」
狐についていた年寄りが戻ってきて文を渡す。
「家老が山崎に向かっています」
「山崎?」
どうして今山崎なのだろうか?確かに京を光秀が制圧した。朝廷も認めたが四方の軍がどう動くのかが問題だ。
蝙蝠が光秀の陣から戻ってきた。
「光秀はあれから弾正の忍者を各陣に参戦の依頼を送っています。とくに揚羽を堺の家康の元に送っています」
「胡蝶は?」
「今どこにいるか不明です。どうも光秀は京から動くような動きを見せています」
「やはり果心のいうようにここからが見えないのだな」
狗は蝙蝠を初めに手勢を5人連れて山崎に向かうことにした。途中で年寄りとくノ一を西国街道の入り口を見張らせた。山崎には一番高い天王山がある。山に登り始めた時に手裏剣の応酬を受けた。狗は山に登るのを諦めて麓に降りた。服部がすでにきている。まさかここで家康が合流するのだろうか?だが家康本軍の動きは伝えられていない。
「どれほどいる?」
「百はいるようです。宗矩が指揮を執っているように思います」
夜はここで野宿をする。夜明けに草の動く音に剣を握った。鼠の笛が鳴った。
「鼠か?」
さすがに速い。だが相当疲れているようだ。
「秀吉殿に渡しました。高松城を和解して全軍の大返しを始めました。恐らく服部は情報を得たようです」
さすがに早い判断だ。あの軍師は準備を始めていたに違いない。家康が一番恐れているのは秀吉だ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
鎮西八郎為朝戦国時代二転生ス~阿蘇から始める天下統一~
惟宗正史
歴史・時代
鎮西八郎為朝。幼い頃に吸収に追放されるが、逆に九州を統一し、保元の乱では平清盛にも恐れられた最強の武士が九州の戦国時代に転生!阿蘇大宮司家を乗っ取った為朝が戦国時代を席捲する物語。 毎週土曜日更新!(予定)
時ノ糸~絆~
汐野悠翔
歴史・時代
「俺はお前に見合う男になって必ず帰ってくる。それまで待っていてくれ」
身分という壁に阻まれながらも自らその壁を越えようと抗う。
たとえ一緒にいられる“時間”を犠牲にしたとしても――
「いつまでも傍で、従者として貴方を見守っていく事を約束します」
ただ傍にいられる事を願う。たとえそれが“気持ち”を犠牲にする事になるとしても――
時は今から1000年前の平安時代。
ある貴族の姫に恋をした二人の義兄弟がいた。
姫を思う気持ちは同じ。
ただ、愛し方が違うだけ。
ただ、それだけだったのに……
「どうして……どうしてお主達が争わねばならぬのだ?」
最初はただ純粋に、守りたいものの為、己が信じ選んだ道を真っ直ぐに進んでいた3人だったが、彼等に定められた運命の糸は複雑に絡み合い、いつしか抗えない歴史の渦へと飲み込まれて行く事に。
互いの信じた道の先に待ち受けるのは――?
これは後に「平将門の乱」と呼ばれる歴史的事件を題材に、その裏に隠された男女3人の恋と友情、そして絆を描く物語。
【完結】ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
大江戸町火消し。マトイ娘は江戸の花
ねこ沢ふたよ
歴史・時代
超絶男社会の町火消し。
私がマトイを持つ!!
江戸の町は、このあたしが守るんだ!
なんか文句ある?
十五歳の少女お七は、マトイ持ちに憧れて、その世界に飛び込んだ。
※歴史・時代小説にエントリーして頑張る予定です!!
※憧れの人に会いたくて江戸の町に火をつけた歌舞伎の八百屋お七。その情熱が違うベクトルに向かったら? そんな発想から産まれた作品です♪
※六月にガンガン更新予定です!!
教皇の獲物(ジビエ) 〜コンスタンティノポリスに角笛が響く時〜
H・カザーン
歴史・時代
西暦一四五一年。
ローマ教皇の甥レオナルド・ディ・サヴォイアは、十九歳の若さでヴァティカンの枢機卿に叙階(任命)された。
西ローマ帝国を始め広大な西欧の上に立つローマ教皇。一方、その当時の東ローマ帝国は、かつての栄華も去り首都コンスタンティノポリスのみを城壁で囲まれた地域に縮小され、若きオスマンの新皇帝メフメト二世から圧迫を受け続けている都市国家だった。
そんなある日、メフメトと同い年のレオナルドは、ヴァティカンから東ローマとオスマン両帝国の和平大使としての任務を受ける。行方不明だった王女クラウディアに幼い頃から心を寄せていたレオナルドだが、彼女が見つかったかもしれない可能性を西欧に残したまま、遥か東の都コンスタンティノポリスに旅立つ。
教皇はレオナルドを守るため、オスマンとの戦争勃発前には必ず帰還せよと固く申付ける。
交渉後に帰国しようと教皇勅使の船が出港した瞬間、オスマンの攻撃を受け逃れてきたヴェネツィア商船を救い、レオナルドらは東ローマ帝国に引き返すことになった。そのままコンスタンティノポリスにとどまった彼らは、四月、ついにメフメトに城壁の周囲を包囲され、籠城戦に巻き込まれてしまうのだった。
史実に基づいた創作ヨーロッパ史!
わりと大手による新人賞の三次通過作品を改稿したものです。四次の壁はテオドシウス城壁より高いので、なかなか……。
表紙のイラストは都合により主人公じゃなくてユージェニオになってしまいました(スマソ)レオナルドは、もう少し孤独でストイックなイメージのつもり……だったり(*´-`)
腑抜けは要らない ~異国の美女と恋に落ち、腑抜けた皇子との縁を断ち切ることに成功した媛は、別の皇子と幸せを掴む~
夏笆(なつは)
歴史・時代
|今皇《いますめらぎ》の皇子である若竹と婚姻の約束をしていた|白朝《しろあさ》は、難破船に乗っていた異国の美女、|美鈴《みれい》に心奪われた挙句、白朝の父が白朝の為に建てた|花館《はなやかた》を勝手に美鈴に授けた若竹に見切りを付けるべく、父への直談判に臨む。
思いがけず、父だけでなく国の主要人物が揃う場で訴えることになり、青くなるも、白朝は無事、若竹との破談を勝ち取った。
しかしそこで言い渡されたのは、もうひとりの皇子である|石工《いしく》との婚姻。
石工に余り好かれていない自覚のある白朝は、その嫌がる顔を想像して慄くも、意外や意外、石工は白朝との縁談をすんなりと受け入れる。
その後も順調に石工との仲を育む白朝だが、若竹や美鈴に絡まれ、窃盗されと迷惑を被りながらも幸せになって行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる