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大返し11
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未明に街道に秀吉が陣を張ったところに殿の黒田官兵衛が陣を張っている。官兵衛がいるところには足軽が見張りに立っている。そのうちの一人が朱雀を見て藪の中に入っていた。礫だ。
「何かあったか?」
「毛利にはすでに信長の死が伝わったようですが追手は来ないようです。官兵衛が最後に残してきた忍者から知らせが入っています。蠍は夜半官兵衛と交わった後陣を走り去りました」
「どこへ行った?」
「ひそひそ話ですが官兵衛が命じた先は細川藤孝のところです」
山崎ではなく細川藤孝のところとは。やはり官兵衛も細川藤孝に気付いたのだ。さすがに官兵衛だ。秀吉の言うようにこれからは官兵衛は懐の中の厄介な存在になるのだ。でも官兵衛はその地位を守るために信長の遺体の謎を調べるつもりだ。この札があれば信長の他の武将と組むことも可能になる。
「礫は今から山崎に走ってくれ。明智軍の詳しい軍容を知りたい。それと揚羽と繋ぎを取れれば情報を貰って尼崎まで戻ってくれ」
朱雀は秀吉の大返しの予定を頭に入れている。姫路で陣容を立て直し元の立派な鎧を着けた軍になるのだ。すでに先鋒隊が準備に入っている。
朱雀は足軽を入れ替わって礫はもう走りだしている。陣幕に行くともう黒田官兵衛は起きていて用意された移動用の輿に乗っている。足元に来ているのは先方隊から引き返した忍者だ。あの頭の配下のようだ。
「殿は?」
「すでに姫路城に入りました。鉄砲から鎧から馬などすべて揃えられています。殿が着くのは本日の夕刻になると思います。出発は明日明け方になるかと」
「殿は厳しいな。呼びかけた武将がどのくらい集まると見ている?」
「小姓の話では3万と見ているとのことです」
「明智はその半分だな?となると光秀を倒した後を考えるとなると信長の遺体が鍵だな」
最後は独り言だ。
「大坂に行き信長の武将の動きを調べるのだ」
と言うと輿は走り出している。
「何かあったか?」
「毛利にはすでに信長の死が伝わったようですが追手は来ないようです。官兵衛が最後に残してきた忍者から知らせが入っています。蠍は夜半官兵衛と交わった後陣を走り去りました」
「どこへ行った?」
「ひそひそ話ですが官兵衛が命じた先は細川藤孝のところです」
山崎ではなく細川藤孝のところとは。やはり官兵衛も細川藤孝に気付いたのだ。さすがに官兵衛だ。秀吉の言うようにこれからは官兵衛は懐の中の厄介な存在になるのだ。でも官兵衛はその地位を守るために信長の遺体の謎を調べるつもりだ。この札があれば信長の他の武将と組むことも可能になる。
「礫は今から山崎に走ってくれ。明智軍の詳しい軍容を知りたい。それと揚羽と繋ぎを取れれば情報を貰って尼崎まで戻ってくれ」
朱雀は秀吉の大返しの予定を頭に入れている。姫路で陣容を立て直し元の立派な鎧を着けた軍になるのだ。すでに先鋒隊が準備に入っている。
朱雀は足軽を入れ替わって礫はもう走りだしている。陣幕に行くともう黒田官兵衛は起きていて用意された移動用の輿に乗っている。足元に来ているのは先方隊から引き返した忍者だ。あの頭の配下のようだ。
「殿は?」
「すでに姫路城に入りました。鉄砲から鎧から馬などすべて揃えられています。殿が着くのは本日の夕刻になると思います。出発は明日明け方になるかと」
「殿は厳しいな。呼びかけた武将がどのくらい集まると見ている?」
「小姓の話では3万と見ているとのことです」
「明智はその半分だな?となると光秀を倒した後を考えるとなると信長の遺体が鍵だな」
最後は独り言だ。
「大坂に行き信長の武将の動きを調べるのだ」
と言うと輿は走り出している。
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