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大返し1
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さすがに疲れて1刻の仮眠をとる。この距離なら小猿も1刻は取るはずだ。距離が離れることはない。走りに付いては朱雀は地獄谷で小猿と訓練をしてきたのだ。仮眠を終えると2刻走ると村に降りる。村の神社に2人の男が倒れている。この手裏剣は小猿のものだ。小猿は剣の力はない。逃げるのだけが武器なのだ。これは早く追いつかないと危ない。
速度を上げて村道を抜けまた尾根道に上がる。追いかけているのは3人だ。まだこの崖道を登って間がないようだ。半刻登って朱雀は気配を感じて木陰に忍ぶ。2人の男が見張りに立っている。茂みに縛られて半裸で転がされている小猿がいる。小猿の胸は小さい。やはり文を調べたのだ。胸に血が流れている。だがまだ生きているようだ。
「どこの手のものだ?」
この男は蠍といた頭だ。蠍は前を走り続けているのだろう。時間をかけるわけにはいかない。朱雀は手裏剣を2枚握って投げる。見事に2人の胸に刺さって崩れ落ちる。男は慣れたもので小猿の下に指を突っ込んで折り畳んだ文を取り出した。万が一を考えて狭間に隠したのだ。
朱雀は駆け出し飛び上がるとその指に挟んだ文を奪い取って頭を蹴り飛ばす。頭は転がるが素早く立ち上がって剣を抜く。
「あの地下道の鉄扉を閉めたのは蠍だな?」
「なぜ知っている?」
これで逆に謎が解けた。やはり蠍が閉めたのだ。黒田官兵衛は信長を殺す方を選んだのだ。それなら光秀と組んだのか?それを知るには黒田官兵衛を今後見るしかない。だがこの文を持たせるわけにもいかないし、蠍も官兵衛に会わせるわけにはいかない。
頭の剣は思いの外鋭い。走り続けて来たので動きが鈍くなっている。
「揚羽の仲間か?」
2突きされて崖まで追い詰められる。
「秀吉に会わせるわけにはいかない」
その声と共に鋭い突きを入れて来た。だが揚羽が崖に自ら飛び上がって頭は驚き崖に足を踏み外した。頭は真っ逆さまに谷に落ちて行く。朱雀はふわりと舞い降りると小猿の縄を解いた。
「大丈夫か?」
「置いて行ってください。京に戻ります。1刻ほどの差です」
速度を上げて村道を抜けまた尾根道に上がる。追いかけているのは3人だ。まだこの崖道を登って間がないようだ。半刻登って朱雀は気配を感じて木陰に忍ぶ。2人の男が見張りに立っている。茂みに縛られて半裸で転がされている小猿がいる。小猿の胸は小さい。やはり文を調べたのだ。胸に血が流れている。だがまだ生きているようだ。
「どこの手のものだ?」
この男は蠍といた頭だ。蠍は前を走り続けているのだろう。時間をかけるわけにはいかない。朱雀は手裏剣を2枚握って投げる。見事に2人の胸に刺さって崩れ落ちる。男は慣れたもので小猿の下に指を突っ込んで折り畳んだ文を取り出した。万が一を考えて狭間に隠したのだ。
朱雀は駆け出し飛び上がるとその指に挟んだ文を奪い取って頭を蹴り飛ばす。頭は転がるが素早く立ち上がって剣を抜く。
「あの地下道の鉄扉を閉めたのは蠍だな?」
「なぜ知っている?」
これで逆に謎が解けた。やはり蠍が閉めたのだ。黒田官兵衛は信長を殺す方を選んだのだ。それなら光秀と組んだのか?それを知るには黒田官兵衛を今後見るしかない。だがこの文を持たせるわけにもいかないし、蠍も官兵衛に会わせるわけにはいかない。
頭の剣は思いの外鋭い。走り続けて来たので動きが鈍くなっている。
「揚羽の仲間か?」
2突きされて崖まで追い詰められる。
「秀吉に会わせるわけにはいかない」
その声と共に鋭い突きを入れて来た。だが揚羽が崖に自ら飛び上がって頭は驚き崖に足を踏み外した。頭は真っ逆さまに谷に落ちて行く。朱雀はふわりと舞い降りると小猿の縄を解いた。
「大丈夫か?」
「置いて行ってください。京に戻ります。1刻ほどの差です」
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