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和解17
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尾根道に上がった小猿はそのまま止まらずに走り抜ける。朱雀が殿で登った頃は先頭は見えなくなっている。脇腹を撃たれた息子を僧兵に預け50人になった殿の僧兵に鉄砲を構えさせた。織田の鉄砲隊がすでに弾の届くところまで来ている。朱雀は火薬玉を上り口の脆い崖に仕掛ける。これで道が崩れても4半刻も持たないだろう。
「最後の一斉射撃で走り出せ!」
と叫ぶと火薬玉に火をつける。これは万が一を考えて2倍の量の火薬を詰めている。
織田の鉄砲隊が見えると同時に大爆発が起こり樵道が崩れ落ちた。僧兵はすでに尾根道を走っている。半刻走ったところで本願寺の最初の最後尾に追いついた。もちろん後ろはまだ姿も見えない。
「先頭は?」
「この先で鉄砲の音がしています」
まさか筒井順慶が裏切ったのか。朱雀はさらに速度を上げて抜いていく。
「小猿どうした?」
小猿が50人ほどの本願寺の鉄砲隊と崖道に目がけて射撃を行っている。下からも射撃が起こっている。
「織田の兵が先回りをしていたようです」
「幾らいる?」
「鉄砲は30ほどです」
「息子が脇腹を撃たれている。ここに来たらここを引き上げて関所に走れ」
と言うと朱雀は崖から飛び立った。下から撃ち取られる危険がある。だが空から来るとは思っていないその時が勝負だ。崖道を上から見ると3百ほどの織田の兵が登ってきている。だが小猿の言うように鉄砲隊は30人ほどだろう。朱雀は迫ってくる鷹に襲われるのを避けて大きく回転して地上に向かい持っている火薬玉をすべて投げる。
それから再び舞い上がるとさすがに驚いたのか鷹も離れて行き尾根道の上を真っ直ぐ飛ぶ。気になるのは関所にも織田の馬が掛けているはずだ。関所に本願寺の第一陣が付いている。だが筒井の兵は一時下の陣に下がっている。やはり順慶は秀吉の約束を守ったのだ。
「小猿どうだ?」
「今最後の本願寺の僧兵が阿山に入りました。ここからは織田の兵はいません」
「次は本願寺の撤退だな」
「最後の一斉射撃で走り出せ!」
と叫ぶと火薬玉に火をつける。これは万が一を考えて2倍の量の火薬を詰めている。
織田の鉄砲隊が見えると同時に大爆発が起こり樵道が崩れ落ちた。僧兵はすでに尾根道を走っている。半刻走ったところで本願寺の最初の最後尾に追いついた。もちろん後ろはまだ姿も見えない。
「先頭は?」
「この先で鉄砲の音がしています」
まさか筒井順慶が裏切ったのか。朱雀はさらに速度を上げて抜いていく。
「小猿どうした?」
小猿が50人ほどの本願寺の鉄砲隊と崖道に目がけて射撃を行っている。下からも射撃が起こっている。
「織田の兵が先回りをしていたようです」
「幾らいる?」
「鉄砲は30ほどです」
「息子が脇腹を撃たれている。ここに来たらここを引き上げて関所に走れ」
と言うと朱雀は崖から飛び立った。下から撃ち取られる危険がある。だが空から来るとは思っていないその時が勝負だ。崖道を上から見ると3百ほどの織田の兵が登ってきている。だが小猿の言うように鉄砲隊は30人ほどだろう。朱雀は迫ってくる鷹に襲われるのを避けて大きく回転して地上に向かい持っている火薬玉をすべて投げる。
それから再び舞い上がるとさすがに驚いたのか鷹も離れて行き尾根道の上を真っ直ぐ飛ぶ。気になるのは関所にも織田の馬が掛けているはずだ。関所に本願寺の第一陣が付いている。だが筒井の兵は一時下の陣に下がっている。やはり順慶は秀吉の約束を守ったのだ。
「小猿どうだ?」
「今最後の本願寺の僧兵が阿山に入りました。ここからは織田の兵はいません」
「次は本願寺の撤退だな」
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