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下剋上20
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織田の陣に朝になっても朱雀の姿は見えない。蝦蟇は式神を夜明け前にあの丘に送った。そして彼は式神達を率いて初めからマークしていた最後のポイントに向かう。琵琶湖から離れて深い山に入る。ここは百地が仕掛けてくるはずだ。とくに火薬を得意とする百地だ。ここでは安倍も本願寺も竜達も危険だから侵入しないだろう。
揚羽は途中途中にある式神からの置石を確認していく。先ほどから揚羽は新しい人夫に注意している。足の踏み方が人夫とは違う。荷を引きながらもきょろきょろしている。ここにいつの間にか人夫姿の蝦蟇が揚羽の横に着いた。
「どうもこの前の崖が怪しい。揚羽が前を抜けたらそのまま駆け抜けろ。私は真ん中ににいて後ろに下がる。あの人夫は必ず逃げ出すはずだ」
「朱雀は?」
「見つからない。今回は彼を当てにしてはならない。ここを抜けきったらもう岐阜は近い」
百地が動くには最後の場所だ。百地を動かしているのは六角だ。だから安倍や 本願寺とは連動しないので助かる。百地は命令を受けた以外動かない。鉄砲を手に入れると六角に持ち込む。
合図の光が崖の反対側から光った。揚羽は駈けるように荷隊を進めせる。中央にいる蝦蟇は逆に引き返す。やはり人夫に化けた百地の一人が揚羽の前を走り抜けようとしている。それを揚羽の手裏剣が仕留める。同時にごーと言う音共に大岩が爆破されて落ちてくる。もうもうとする砂煙の中の状態は全く分からない。
しばらくすると崖から無数綱が降りてくる。百地の軍団だ。揚羽達は鉄砲を構える余裕はない。だが綱から降りてくるはずの百地の忍者が地面に落ちていている。見上げると大きな鳶のようなものが上空を羽ばたいている。朱雀だ。手裏剣をバランスを取りながら盛んに撃ち込んでいる。だが力強さはないが降りてくる忍者にはてきめんだ。
「どうだ?」
蝦蟇が前の揚羽に叫んだ。
「荷車が3台埋まったが人夫は無事よ」
と言いながら人夫に鉄砲を構えさせている。蝦蟇のところは逃げ遅れた人夫が2人岩に当たって倒れている。百地は30人ほどが地面に叩きつけられて引き上げている。空を飛んできた鳶が力が尽きたように木の枝に当たり落ちてくる。それを受けるように蝦蟇が走る。
「情けないな。蝦蟇に受け止められるとはな」
弾傷でもう動くのも精一杯だ。
「私が介抱してあげるわ」
揚羽の声を聞いてそのまま気を失った。
揚羽は途中途中にある式神からの置石を確認していく。先ほどから揚羽は新しい人夫に注意している。足の踏み方が人夫とは違う。荷を引きながらもきょろきょろしている。ここにいつの間にか人夫姿の蝦蟇が揚羽の横に着いた。
「どうもこの前の崖が怪しい。揚羽が前を抜けたらそのまま駆け抜けろ。私は真ん中ににいて後ろに下がる。あの人夫は必ず逃げ出すはずだ」
「朱雀は?」
「見つからない。今回は彼を当てにしてはならない。ここを抜けきったらもう岐阜は近い」
百地が動くには最後の場所だ。百地を動かしているのは六角だ。だから安倍や 本願寺とは連動しないので助かる。百地は命令を受けた以外動かない。鉄砲を手に入れると六角に持ち込む。
合図の光が崖の反対側から光った。揚羽は駈けるように荷隊を進めせる。中央にいる蝦蟇は逆に引き返す。やはり人夫に化けた百地の一人が揚羽の前を走り抜けようとしている。それを揚羽の手裏剣が仕留める。同時にごーと言う音共に大岩が爆破されて落ちてくる。もうもうとする砂煙の中の状態は全く分からない。
しばらくすると崖から無数綱が降りてくる。百地の軍団だ。揚羽達は鉄砲を構える余裕はない。だが綱から降りてくるはずの百地の忍者が地面に落ちていている。見上げると大きな鳶のようなものが上空を羽ばたいている。朱雀だ。手裏剣をバランスを取りながら盛んに撃ち込んでいる。だが力強さはないが降りてくる忍者にはてきめんだ。
「どうだ?」
蝦蟇が前の揚羽に叫んだ。
「荷車が3台埋まったが人夫は無事よ」
と言いながら人夫に鉄砲を構えさせている。蝦蟇のところは逃げ遅れた人夫が2人岩に当たって倒れている。百地は30人ほどが地面に叩きつけられて引き上げている。空を飛んできた鳶が力が尽きたように木の枝に当たり落ちてくる。それを受けるように蝦蟇が走る。
「情けないな。蝦蟇に受け止められるとはな」
弾傷でもう動くのも精一杯だ。
「私が介抱してあげるわ」
揚羽の声を聞いてそのまま気を失った。
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