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賀茂家15
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「どうであった?」
社に戻ると大婆に呼ばれた。すでに小猿が被害状況を伝えているらしく、かやが負傷者の手当てをしている。大婆の横には鬼女が座っている。
「いつぞやの賞金稼ぎの武者達を晴明が雇ったようです。地獄谷に匿われていると察知したので奪いに来たのです。寸前のところあの果心居士に助けられました」
「果心にな?」
「大婆と戦ったことがあると?」
「ああ、ずいぶん昔の話じゃ。あれは強いがどこか子供のいたずらのようなところがある。術を使うとなると面白がってちょっかいを掛けて来たのだ。散々もてあそばれて着物を脱がされたわ。だがそれから急に興味が亡くなったのかぷいと消えよった。あれから70年は経ったかの?」
「私もその男に会いました」
鬼女が横から口を挟んだ。
「まだ愛宕山にいる頃、野山を走り回っていたら後ろからぴったりついてくるのです。お前が晴明の子だな?と言うと晴明も馬鹿な男よと」
「果心も陰陽士なのですか?」
「いや、奴は異国の男だ。だが同じような術を持っている。陰陽は古来から古くからあった。だが出元は同じかもしれぬと思う」
「実は私に飛ぶ術を教えてくれたのです」
「飛べたか?」
「はい」
「朱雀はまだまだ秘めた術が使えるはずじゃ。だがうまく引き出せぬのじゃ。この鬼女とて同じだ。その蓋を少しずつだが開いていこうとしている」
「大婆、果心から学んだらいけませんか?」
「教えてくれるかのう?」
「いえ、遊んでもらうのです」
と鬼女が笑って言った。
社に戻ると大婆に呼ばれた。すでに小猿が被害状況を伝えているらしく、かやが負傷者の手当てをしている。大婆の横には鬼女が座っている。
「いつぞやの賞金稼ぎの武者達を晴明が雇ったようです。地獄谷に匿われていると察知したので奪いに来たのです。寸前のところあの果心居士に助けられました」
「果心にな?」
「大婆と戦ったことがあると?」
「ああ、ずいぶん昔の話じゃ。あれは強いがどこか子供のいたずらのようなところがある。術を使うとなると面白がってちょっかいを掛けて来たのだ。散々もてあそばれて着物を脱がされたわ。だがそれから急に興味が亡くなったのかぷいと消えよった。あれから70年は経ったかの?」
「私もその男に会いました」
鬼女が横から口を挟んだ。
「まだ愛宕山にいる頃、野山を走り回っていたら後ろからぴったりついてくるのです。お前が晴明の子だな?と言うと晴明も馬鹿な男よと」
「果心も陰陽士なのですか?」
「いや、奴は異国の男だ。だが同じような術を持っている。陰陽は古来から古くからあった。だが出元は同じかもしれぬと思う」
「実は私に飛ぶ術を教えてくれたのです」
「飛べたか?」
「はい」
「朱雀はまだまだ秘めた術が使えるはずじゃ。だがうまく引き出せぬのじゃ。この鬼女とて同じだ。その蓋を少しずつだが開いていこうとしている」
「大婆、果心から学んだらいけませんか?」
「教えてくれるかのう?」
「いえ、遊んでもらうのです」
と鬼女が笑って言った。
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