式神

夢人

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賀茂家2

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 光栄は毎日皇居に通い朱雀と蝦蟇が交互に付き人として付くことにした。小猿が来て大婆には父に当たる賀茂忠行の調査を言ってきた。それでここ数日は賀茂の開かずの蔵に入っている。もちろん光栄から鍵を預かったのだ。大婆によると忠行は日記を書いていたと言う。
 そして膨大な日記を読むことになった。静香が光栄と共に弁当を作ってくれる。静香は賄いの他は鬼女の部屋に呼ばれて気の訓練を手伝っている。静香が言うには晴明の指令の壁を作ることを考えているようだと言う。
「鬼女は光栄様を愛しているわ」
と静香は言う。
 日記を読み続けていて気付いたことがある。忠行が式神を使い始めたのは20歳になった頃だ。ある男に会って初めて式神の術を試してみようとしたとある。それから色々と記述がある。それで3人の式神をその男から譲られたとある。その男とは誰なのか。彼は書物の知識を試してみたい男だったようだ。
 25歳になった時3人の式神は2人が亡くなり1人きりになっていた。歳は16歳になっていた式神は綺麗な女になっていた。その頃また式神の捨て子を2人拾ってきている。この時の記録が式神の法として別に記載されている。30歳になり陰陽師としてすでに権威者となっていた。
 だが不思議なことにこの頃妻を娶って31歳で息子が生まれているが、変な記述が日記にある。式神も子供を作れるのか確かめたとある。それからその女の式神の話は出てこない。その後晴明が弟子として現れているのだ。
 朱雀はそれをまとめて小猿に大婆に渡すように頼んだ。日記はこれから晴明のことが息子のことより多く出てくる。で結局陰陽道を2つに分けて引き継がれることになった。
 夜蔵にいると静香が食事を運んできた。
「疲れるわ」
と言い急に朱雀の唇を吸った。
「朱雀は柔らかい唇なんだあ」






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