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大海へ2
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体を起こすことが出来るのに一月あまりかかった。
「戦いがあった場所調べてくれた?」
宗久の屋敷で会った修験者の女が茉緒の身の回りの世話をしている。リーと言って日本人ではない。歳の頃は茉緒より2つ下だ。体を拭いてからいつものように茉緒のものを銜えている。そろりから言いつけられたと言うが。
「大きくなった!」
初めてのことだ。リーが咽びながら顔を上げる。口の中から白い液を流してる。
「これで動けるようになるよ。あの場所に最近樵がよく来ている」
造船所の監視小屋の年寄りだ。ここはまだそろりには知られたくない。
「そろりは?」
「ここ半月は修験場にはいない。江戸を見てくると」
「どうして?」
「明智光秀のことが気になるらしいよ。秀吉に敗れたあの日私は服部が尾根道で落ち武者狩りの農夫と光秀の部下を襲ったのを見た」
「私も見た」
「私は用意していた小舟で追った。お頭が前もって予想していた。それでお頭と合流して浜松まで入った」
「光秀に間違いない?」
「ええ。でも不思議なのは光秀を守って江戸に行ったのは柳生なの」
「柳生?」
「戦いがあった場所調べてくれた?」
宗久の屋敷で会った修験者の女が茉緒の身の回りの世話をしている。リーと言って日本人ではない。歳の頃は茉緒より2つ下だ。体を拭いてからいつものように茉緒のものを銜えている。そろりから言いつけられたと言うが。
「大きくなった!」
初めてのことだ。リーが咽びながら顔を上げる。口の中から白い液を流してる。
「これで動けるようになるよ。あの場所に最近樵がよく来ている」
造船所の監視小屋の年寄りだ。ここはまだそろりには知られたくない。
「そろりは?」
「ここ半月は修験場にはいない。江戸を見てくると」
「どうして?」
「明智光秀のことが気になるらしいよ。秀吉に敗れたあの日私は服部が尾根道で落ち武者狩りの農夫と光秀の部下を襲ったのを見た」
「私も見た」
「私は用意していた小舟で追った。お頭が前もって予想していた。それでお頭と合流して浜松まで入った」
「光秀に間違いない?」
「ええ。でも不思議なのは光秀を守って江戸に行ったのは柳生なの」
「柳生?」
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