復讐の芽***藤林長門守***

夢人

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変遷9

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 やはり1回目の大阪城攻めが行われて豊臣は風前の灯だ。宗久は巧みに茉緒が調べてきた三成の後釜の大野という武将に大量の中古の鉄砲を売り込んだ。そのまま石見銀山に入ってしまった。茉緒は最後の銀を戻ってきた南蛮船に積み込だ。南蛮船の金は2隻の廻船に移し替えて紀州の港に向かう。
 港に着くと立派な新しい南蛮船が浮かんでいる。倉庫の横に新しい長屋が並んで見える。その横の傾斜が段々畑になっている。
「お待ちです」
と港の小頭が桟橋に迎えに来る。長屋の2階部分に案内する。
「ここがお頭のお部屋です」
「来ていたのか?」
 源爺が地図を広げて座っている。部屋には南蛮のテーブルと椅子が置かれている。
「新たに抜け忍村から子供も入れて30人連れて来たわ。海を学ばさないかんやろう。それにいよいよ戦いの日が来る」
「偽の抜け忍村には?」
「凛を始め下忍が30人詰めているさ。伊賀には服部の本隊はおらん。それで凛は生き残りの藤林などの支援をしておる」
「いざという時に何人動かせる?」
「百人かと」
「この地図をお持ちください」
 茉緒はアユタヤの海図と町の地図を出した。
「いずれ日本を出ることになります」




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