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天下の行方7
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高松城に入って2月になる。秀吉は得意の水攻めを始めた。和解がなかなか進まないのだ。毛利の中で意見が分かれていることもあるのだが、高松城主が徹底抗戦を掲げている。秀吉は信長を迎えるので気が気ではない。水攻めが始まって茉緒らも城から引き揚げて毛利を探っている。
「ここは和解されたほうが?」
安国寺恵瓊という僧だ。この男は度々秀吉と密会している。軍師だが野心が強い。
「そうもいかぬ」
「水攻めで1月も持ちません。それにその頃は信長が参ります。その時では和解は無理かと」
「無理か」
「もはや信長を止める勢力はないと。毛利が生き延びるには秀吉殿と組むしか」
「分かった」
立ち上がったのは小早川 隆景だ。
「茉緒殿、ご覧の通りだ」
恵瓊はわざと手の内を見せた。
「文で知らせるより茉緒殿の口からのが信頼されるだろう。将軍も懐かしく話されていた。毛利は信長殿の配下ではなく秀吉殿の配下になるとお伝えください」
「確かに。その代り毛利の忍者をお下げ下さい」
茉緒の下忍が要所に5人配置しているが毛利の忍者は20人ほどがいる。
「魚住なるものが先導仕る」
いつの間にか茉緒の前を軽く頷いて忍者が走り出した。
「ここは和解されたほうが?」
安国寺恵瓊という僧だ。この男は度々秀吉と密会している。軍師だが野心が強い。
「そうもいかぬ」
「水攻めで1月も持ちません。それにその頃は信長が参ります。その時では和解は無理かと」
「無理か」
「もはや信長を止める勢力はないと。毛利が生き延びるには秀吉殿と組むしか」
「分かった」
立ち上がったのは小早川 隆景だ。
「茉緒殿、ご覧の通りだ」
恵瓊はわざと手の内を見せた。
「文で知らせるより茉緒殿の口からのが信頼されるだろう。将軍も懐かしく話されていた。毛利は信長殿の配下ではなく秀吉殿の配下になるとお伝えください」
「確かに。その代り毛利の忍者をお下げ下さい」
茉緒の下忍が要所に5人配置しているが毛利の忍者は20人ほどがいる。
「魚住なるものが先導仕る」
いつの間にか茉緒の前を軽く頷いて忍者が走り出した。
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