復讐の芽***藤林長門守***

夢人

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騒乱2

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「先頭は凛がこの地図通りに走るの」
と言って朝一番に早掛けの弾正の隊が走り出す。弾正の籠は同じ重さの布にくるんだ石を積んでいる。茉緒たちは遠巻きに走り出す。百地も連れれるように走り出す。茉緒が百地が動いたのを確認して鳩を放す。同時に弾正の500人の軍団が城を出る。だが茉緒も一番早い下忍2人に軍団を追わせている。
 弾正とは騙し合いのところがある。彼は策士の塊だ。休みも取らずに2刻は走っている。茉緒は先回りして偽の軍団を山に隠して足跡を消して忍軍に街道を走らせる。百地はやはり引っ張られるように追いかけてくる。何度か道を曲がって山の麓を一回りしている。もう続けて更に2刻走っている。
 凛から狼煙が上がる。茉緒の忍軍は草むらに姿を消す。続いて休憩した元の軍団が百地に見えるように動き出す。先頭は凛だ。これから最後の窪地に向かう。ここには裏道がある。茉緒は窪地を取り巻いて待っている。更に1刻軍団が窪地に入ってきてそのまま籠を放り出すと裏道に消える。
 百地の忍軍が相当疲れた足で窪地に入ってくる。茉緒は手を上げる。忍軍から目つぶし入りの火薬玉が投げ込まれる。不必要に殺し合いをする必要はない。茉緒たちも草むらを走っていく。
 最初の忍者が戻ってきた。
「やはり京へ走ったか?」
「はい。途中で豪族が参入して2千の兵になっています」
「予定の行動だったのですね」
「実はもう一つ頼まれています。これから堺に行きます。今井宗久の荷を京に運ぶのです。鉄砲と火薬です」





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