185 / 188
仕上げ9
しおりを挟む
久しぶりにYOUを抱いた。気が静まらないのか朝まで求めてきた。抱きながら牙はYOUの呻き声が泣き声のように聞こえた。目が覚めたのは10時を回っていた。さすがに42歳の牙にはきつい。今までは出した後でもすぐに立ったのだが、今は出さないようにすることで行為を引き延ばしている。やはり親子のような付き合いには無理があるのだろうか。
起き上がってパソコンを取り出す。夜中に茂さんから添付メールが入っていた。
「あのカメラマンは組の金を使い込んで逃げているそうだ。この映像はCDから取ったものではなくて自分のカメランに補助で収めていたものだ。だから写真はそれほどない。彼のパソコンには侵入した。後は頼む」
とあった。
「YOU仕事に行かないのか?」
起きてきた気配を感じて声をかけた。
「もう行かない。すさみに帰ろう」
「仕事を済ませたら帰る」
カメラマンの新しいファイルに確かにあの写真を含めた35枚が入っていた。どれほど印刷したかは勝負だがここのはすべて消してしまった。YOUはシャワーを浴びている。
「大池が逮捕されたぞ。俺も東京に戻る」
ゴンさんからのスマホを切って差し込まれている新聞を取る。新聞には一面に大池の顔が乗っている。ITの寵児がオレオレ詐欺の黒幕と見出しが付いている。余探偵が記事のソースを提供したのだ。牙を地獄に突き落とした男が遂に捕まった。当たり屋になったがYOUと会えたので後悔はしていない。
続けて余からメールが入った。
「5時にYOUの母親に取材を入れているが来るか?」
とホテル名も入っていた。
「YOU、これから余さんところに行く。ここでゆっくりしていろ」
と言うとそのまま外に出た。
起き上がってパソコンを取り出す。夜中に茂さんから添付メールが入っていた。
「あのカメラマンは組の金を使い込んで逃げているそうだ。この映像はCDから取ったものではなくて自分のカメランに補助で収めていたものだ。だから写真はそれほどない。彼のパソコンには侵入した。後は頼む」
とあった。
「YOU仕事に行かないのか?」
起きてきた気配を感じて声をかけた。
「もう行かない。すさみに帰ろう」
「仕事を済ませたら帰る」
カメラマンの新しいファイルに確かにあの写真を含めた35枚が入っていた。どれほど印刷したかは勝負だがここのはすべて消してしまった。YOUはシャワーを浴びている。
「大池が逮捕されたぞ。俺も東京に戻る」
ゴンさんからのスマホを切って差し込まれている新聞を取る。新聞には一面に大池の顔が乗っている。ITの寵児がオレオレ詐欺の黒幕と見出しが付いている。余探偵が記事のソースを提供したのだ。牙を地獄に突き落とした男が遂に捕まった。当たり屋になったがYOUと会えたので後悔はしていない。
続けて余からメールが入った。
「5時にYOUの母親に取材を入れているが来るか?」
とホテル名も入っていた。
「YOU、これから余さんところに行く。ここでゆっくりしていろ」
と言うとそのまま外に出た。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
冥道
夢人
ミステリー
すべてを捨てて新しい会社に飛び込む。だがそこはバブルの絶頂からこれおげ落ちようとしていた会社だった。私は再び絶望の世界に引きづり下ろされた。そんな時初恋の聖子が私を恐ろしい世界に引き込んだ。そこは『冥道』と呼ばれる死の世界だった。救われない二人同士が長い時間の経過が聖子を助けることになり、『冥道』が塞がれ私も再び新しい道を歩き始める。
四次元残響の檻(おり)
葉羽
ミステリー
音響学の権威である変わり者の学者、阿座河燐太郎(あざかわ りんたろう)博士が、古びた洋館を改装した音響研究所の地下実験室で謎の死を遂げた。密室状態の実験室から博士の身体は消失し、物証は一切残されていない。警察は超常現象として捜査を打ち切ろうとするが、事件の報を聞きつけた神藤葉羽は、そこに論理的なトリックが隠されていると確信する。葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、奇妙な音響装置が残された地下実験室を訪れる。そこで葉羽は、博士が四次元空間と共鳴現象を利用した前代未聞の殺人トリックを仕掛けた可能性に気づく。しかし、謎を解き明かそうとする葉羽と彩由美の周囲で、不可解な現象が次々と発生し、二人は見えない恐怖に追い詰められていく。四次元残響が引き起こす恐怖と、天才高校生・葉羽の推理が交錯する中、事件は想像を絶する結末へと向かっていく。
無惨・悲惨・凄惨・陰惨……そして杜撰
蓮實長治
ミステリー
残虐な殺人事件の裁判の筈だったが……例によって何かがおかしい……。
そして、問われるのは刑事裁判における「疑わしきは被告人に有利に」とは何か?←そうかな?
なお、R15指定は、暴力犯罪をギャグとして描いている場面が有る為です。性的表現は期待しないで下さい。
(また、殺人などの暴力犯罪をギャグとして描写する事を不快に思われる方は御注意下さい。)
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」に同じモノを投稿しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
復讐の旋律
北川 悠
ミステリー
昨年、特別賞を頂きました【嗜食】は現在、非公開とさせていただいておりますが、改稿を加え、近いうち再搭載させていただきますので、よろしくお願いします。
復讐の旋律 あらすじ
田代香苗の目の前で、彼女の元恋人で無職のチンピラ、入谷健吾が無残に殺されるという事件が起きる。犯人からの通報によって田代は保護され、警察病院に入院した。
県警本部の北川警部が率いるチームが、その事件を担当するが、圧力がかかって捜査本部は解散。そんな時、川島という医師が、田代香苗の元同級生である三枝京子を連れて、面会にやってくる。
事件に進展がないまま、時が過ぎていくが、ある暴力団組長からホワイト興産という、謎の団体の噂を聞く。犯人は誰なのか? ホワイト興産とははたして何者なのか?
まあ、なんというか古典的な復讐ミステリーです……
よかったら読んでみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる