迷い道

夢人

文字の大きさ
上 下
45 / 171

糸口11

しおりを挟む
「入ってくれ」
 顧問がドアを開けて呼ぶ。私と水野は手を止めてファイルを抱えて部屋に入る。顧問より少し上くらいの紳士が座っている。水野が、
「社長」
と口走る。
「今回は徹底的にライブと戦う。今ライブのようなIT企業が増えてきている。これは負けるわけにはいかん。実はテレビ局などの社長も後ろにいるのだ。だがあくまでもこのメンバーでやってもらいたいのだ」
「私の証券会社もライブの傘下になる可能性が高い」
 顧問も苦戦をしているようだ。
「これはここだけにしてください」 
 私はスマホを出してきてエヌの社長の全裸の写真を見せる。
「わ!」
「これはライブの会長の別荘で起こりました。この背中の男は畠山という男で、写真は上辻専務が撮っています。だがライブの会長は大阪にいます」
「ここまでやるか?」
「ライブの上場の時も秘書が殺されています。これも証拠を押さえています。だがやはりライブの会長にはつながっていません。ここをどうするかです。でもライブの会長はどうしようとしているのですか?」
「彼はマスコミ、証券会社、銀行などを入れたライブグループを作ろうとしている」
「だが彼にとってゲーム感覚なのだ」
 顧問が苦虫を潰した顔で言う。
「私は畠山と銀座の『梨花』のママから切り込んでいこうと思っています」
「よし、顧問と2人は明日から社長室の隣の応接を使え。ここでは情報が漏れてしまう」








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私の中の深い闇

けいこ
ミステリー
私の容姿は醜い。 でも、あなたを好きになってしまった。 だから、私は綺麗になる。 邪魔な人間は排除しなきゃ。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

姥捨て山に墜ちた星

高木解緒 (たかぎ ときお)
ミステリー
2018年だったか19年だったかに書き上げ某賞二次落ち後、やり場もないのでなろうに掲載したら通報されノクターンへ誘導、ノクターンが明らかに当方の意図するジャンルではなかったため、苦肉の策でKDPのみで公開させていただいておりましたが、こちらで公開できないかと投稿させていただくことにしました。 この作品は当方の他作品に比べエログロきつめではありますが、それらはすべて主題のメタファーや事件解決の手がかりとして用いられるもので、エログロの表現を目的として描かれるものではありません。 ※この物語には残虐描写、暴力描写、性描写が含まれています。 ※この物語には現代においては不適切であるとみなされうる表現が使用されていますが、時代性、言語表現の多様性を尊重し、敢えて伏字等の改変を行っておりません。 あらすじ 「老人どもを皆殺しだ!」  崩壊したケアハウスで若者が叫ぶとき、怨念の連鎖が輪廻する。 西暦2025年。その日、高級老人施設「丹沢天翔園」の朝は遅く始まった。職員宗田まゆみの惨殺体が発見され、騒然とする中、当のまゆみの嬌声が園内に響き渡る。それは〝さるのばけ〟を相手にした果てしない戦いの幕開けだったのだ。一方、西暦1925年、探偵小説家の弧川は逃避先の集落で思いもよらぬ恋に落ちる。名家の座敷牢に幽閉された少女と少しずつ想いを紡ぎ合う彼の背後に、伝説の怪物を装う殺人鬼の魔手が迫っていた……。

忘却の魔法

平塚冴子
ミステリー
フリーライターの梶は、ある年老いた脳科学者の死について調べていた。 その学者は脳内が爆弾でも仕掛けられたかのように、あちこちの血管が切れて多量の脳内出血で亡くなっていた。 彼の研究には謎が多かった。 そして…国が内密に研究している、『忘却魔法』と呼ばれる秘密に触れる事になる。 鍵となる人物『18番』を探して辿り着いたのは…。

過去を消した女

紫 李鳥
ミステリー
  倒れていた女は記憶をなくしていた。――

【改稿版】 凛と嵐 【完結済】

みやこ嬢
ミステリー
【2023年3月完結、2024年2月大幅改稿】 心を読む少女、凛。 霊が視える男、嵐。 2人は駅前の雑居ビル内にある小さな貸事務所で依頼者から相談を受けている。稼ぐためではなく、自分たちの居場所を作るために。 交通事故で我が子を失った母親。 事故物件を借りてしまった大学生。 周囲の人間が次々に死んでゆく青年。 別々の依頼のはずが、どこかで絡み合っていく。2人は能力を駆使して依頼者の悩みを解消できるのか。 ☆☆☆ 改稿前 全34話→大幅改稿後 全43話 登場人物&エピソードをプラスしました! 投稿漫画にて『りんとあらし 4コマ版』公開中! 第6回ホラー・ミステリー小説大賞では最終順位10位でした泣

さびしさごっこ(スナイパー尚子の日常)

wawabubu
ミステリー
お笑いコンビ「パロル」の「なおぼん」こと横山尚子と「せっちゃん」こと小山節生は浅草の舞台に立って売れないギター漫談をやっていた。尚子には相方にも秘密にしている裏の顔があった。

僕は警官。武器はコネ。【イラストつき】

本庄照
ミステリー
とある県警、情報課。庁舎の奥にひっそりと佇むその課の仕事は、他と一味違う。 その課に属する男たちの最大の武器は「コネ」。 大企業の御曹司、政治家の息子、元オリンピック選手、元子役、そして天才スリ……、 様々な武器を手に、彼らは特殊な事件を次々と片付けていく。 *各章の最初のページにイメージイラストを入れています! *カクヨムでは公開してるんですけど、こっちでも公開するかちょっと迷ってます……。

処理中です...