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アヘン7

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 内々王が経済大臣と会談した。これは茉緒とゴラクが段取りをした。それで決まったことは息子の救出を条件でアヘンの追放の政策を公表することだ。その会談の最中にビルマの国境から2千の兵がアユタヤに乱入してきたと報告があった。それでまだ怪我が治りきっていないヒデが5百の兵を率いて草原の部隊に合流した。茉緒は馬に跨って走る。
「どうなんだ?」
「和寇ではなくビルマの大将軍に変わって力をつけている部族です」
と言って文を見せた。果心からだ。どうもビルマで異変が起こっているようだ。アユタヤの王の兄がこの部族の姫と婚姻したようだ。今戻ってきている経済大臣の息子はこれに呼応して動いたのだろう。アユタヤの王の兄が和寇との間に立ったということだ。果心はまだビルマにいるようだ。
「この数では守り切れません」
 ヒデが言う。茉緒が連れてきた下忍が戻ってくる。
「漁港から和寇が5百進撃してきています」
「どうも仕組まれたな」
「今から戻って護衛隊を1千こちらに向けろ。それから九郎に火薬を30人の下忍に運ばせろ。その足でリーにアユタヤの街に親衛隊1千を料亭を囲むように布陣を」
 思ったより相手は計画的に進めてきている。ビルマの王の力では押えられない時代になったのだろう。そこにうまく和寇が絡んできている。
 茉緒は3列の鉄砲隊を置いて牽制する。和寇には2百を回す。応急措置だ。だがこのままでは守り切れない。どこで退却するかだ。だがそのままではアユタヤの王宮まで迫ることも考えられる。
 急に突風が吹く。空の上に黒い鳥が飛んでいる。果心だ!ばらばらと空から丸い糞が落ちてくる。これは果心が苦心の新型の爆弾だ。草原の中に爆発が連続的に起こる。これで侵攻は止まるだろう。しばらくすると果心居士が降りてくる。









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