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動乱6

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 暗闇の真ん中に満月が昇る。すべての下忍を砦の中に入れた。火薬玉を使っても全滅だ。どうする。九郎は次男を助けて大屋根に運んできた。だが族長の周りには兵がぎっしり固められていて襲うことは不可能だ。ここは諦めてラオスの王宮に走るのが得策かもしれない。
 白髪の族長が月明かりの中台の上に上がる。各騎馬隊の隊長が前に出る。
「ラオス統一が親父の夢だったのです。それを長男は今回高官と組むことで内乱を起こしたのです。私はラオスは今のバランスが平和でいいと考えています。そうしないと昔のように4つの部族の戦いが始まります」
「今ラオスが乱れれば、ビルマも乱れます。そうなるとアユタヤの力では抑えられません。何とかしたいのですが?」
「今のワンバットも意見は2分していますが、どうしても族長の意見に流されているのです」
 騎馬の兵が急に静かになる。
「これからラオス王宮に出撃する」
 轟くような声だ。
「だが王宮を守ることにした。そこにいる次男よ。降りてきて隊を進めるのだ」
 次男がきょとんとしている。大屋根にいる私たちを見破ることはできない。あれは果心だ。族長の中に入っているのだ。
「降りよう」
 茉緒は次男や九郎たちとともに広場に舞い降りる。次男は呼ばれるように台の上に上がる。族長が次男の体を抱きかかえる。次男は連れて来られた白馬にまたがる。茉緒が下忍の騎馬隊を呼び寄せる。茉緒の背中で果心の声がする。
「しばらく族長の中にいる。出発するのだ」
 茉緒は下忍の騎馬隊を引き連れて次男の横に並ぶ。九郎を呼び小声で伝える。
「下忍を10人連れてラオスの王宮の近くにいるヒデに繋ぎをするのだ。合図とともに王宮に攻め入る」





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