201 / 248
余震
しおりを挟む
「目に隈ができてるよ」
ミーは笑いながら言う。そう言うミーも隈ができている。だが気持ちは思い切り軽くなっている。
今日は私設秘書が初めてNビルにやってくる。
「ラブホテルの話、社長にしてくれた?」
「いいよだって」
「ラブホテル7件だよ。24億になるんだよ」
「裏の事業部だからそのくらい報告もいらんと言っていたわ」
周平は裏事業の再生に力を入れている。表の躍進についてゆけてなくなっている。もうすぐB勘が枯れてしまうのだ。それでは旗手社長の要望に応えられない。
チャイムが鳴ってミーがドアを開ける。珍しく私設秘書が派手なジャケットを着て顔を出す。
「久しぶり!ミーさん」
あえて握手をする。ミーは、
「汗臭い!」
と大げさに手をこする。
「社長のOK採れた?」
「管理会社の方は?」
「うちの後援会社を使う。契約もそこが入る。1億負けさせたから」
なかなかの商売人だ。
「半分は調査料としてそちらの調査会社に戻す。OKだね?そうそう総理から未公開株のリストを処分するように直接電話があった」
「何かあるな?」
「最近は議会の情報が入ってこない。ただ」
と言って、Kジャーナルの記事を広げて見せる。またもや田辺の記事だ。舅が書いている。
「今回初めて未公開株の記事を書いた。かなり詳しい内容だよ」
やはり小林が逆襲に出てきたようだ。今日もあの稟議を否決にした社長に不動産の大阪支社長を連れて陳情に来ているということだ。
ミーは笑いながら言う。そう言うミーも隈ができている。だが気持ちは思い切り軽くなっている。
今日は私設秘書が初めてNビルにやってくる。
「ラブホテルの話、社長にしてくれた?」
「いいよだって」
「ラブホテル7件だよ。24億になるんだよ」
「裏の事業部だからそのくらい報告もいらんと言っていたわ」
周平は裏事業の再生に力を入れている。表の躍進についてゆけてなくなっている。もうすぐB勘が枯れてしまうのだ。それでは旗手社長の要望に応えられない。
チャイムが鳴ってミーがドアを開ける。珍しく私設秘書が派手なジャケットを着て顔を出す。
「久しぶり!ミーさん」
あえて握手をする。ミーは、
「汗臭い!」
と大げさに手をこする。
「社長のOK採れた?」
「管理会社の方は?」
「うちの後援会社を使う。契約もそこが入る。1億負けさせたから」
なかなかの商売人だ。
「半分は調査料としてそちらの調査会社に戻す。OKだね?そうそう総理から未公開株のリストを処分するように直接電話があった」
「何かあるな?」
「最近は議会の情報が入ってこない。ただ」
と言って、Kジャーナルの記事を広げて見せる。またもや田辺の記事だ。舅が書いている。
「今回初めて未公開株の記事を書いた。かなり詳しい内容だよ」
やはり小林が逆襲に出てきたようだ。今日もあの稟議を否決にした社長に不動産の大阪支社長を連れて陳情に来ているということだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
殺意の扉が開くまで
夕凪ヨウ
ミステリー
警視庁捜査一課に所属する火宮翔一郎は、ある日の勤務中、何者かに誘拐される。いつのまにか失った意識を取り戻した彼の前には、1人の青年が佇んでいた。
青年の名は、水守拓司。その名を聞いた瞬間、互いの顔を見た瞬間、彼らの心は10年前へ引き戻される。
唯一愛を注いでくれた兄を殺された、被害者遺族の拓司。最も大切だった弟が殺人を犯し自殺した、加害者遺族の翔一郎。異なる立場にありながら、彼らは共に10年前の事件へ不信感を持っていた。
そして、拓司は告げる。自分と協力して、10年前の事件の真相を突き止めないか、とーーーー。
なぜ、兄は殺されたのか。 なぜ、弟は人を殺したのか。
不可解かつ不可思議なことが重なる過去の真実に、彼らは辿り着けるのか。
憑代の柩
菱沼あゆ
ミステリー
「お前の顔は整形しておいた。今から、僕の婚約者となって、真犯人を探すんだ」
教会での爆破事件に巻き込まれ。
目が覚めたら、記憶喪失な上に、勝手に整形されていた『私』。
「何もかもお前のせいだ」
そう言う男に逆らえず、彼の婚約者となって、真犯人を探すが。
周りは怪しい人間と霊ばかり――。
ホラー&ミステリー
こちら百済菜市、武者小路 名探偵事務所
流々(るる)
ミステリー
【謎解きIQが設定された日常系暗号ミステリー。作者的ライバルは、あの松〇クン!】
百済菜(くだらな)市の中心部からほど近い場所にある武者小路 名探偵事務所。
自らを「名探偵」と名乗る耕助先輩のもとで助手をしている僕は、先輩の自称フィアンセ・美咲さんから先輩との禁断の関係を疑われています。そんなつもりは全くないのにぃ!
謎ごとの読み切りとなっているため、単独の謎解きとしてもチャレンジOK!
※この物語はフィクションです。登場人物や地名など、実在のものとは関係ありません。
【主な登場人物】
鈴木 涼:武者小路 名探偵事務所で助手をしている。所長とは出身大学が同じで、生粋の百済菜っ子。
武者小路 耕助:ミステリー好きな祖父の影響を受けて探偵になった、名家の御曹司。ちょっとめんどくさい一面も。
豪徳寺 美咲:耕助とは家族ぐるみの付き合いがある良家のお嬢様。自称、耕助のフィアンセ。耕助と鈴木の仲を疑っている。
御手洗:県警捜査一課の刑事。耕助の父とは古くからの友人。
伊集院:御手洗の部下。チャラい印象だが熱血漢。
妻の失踪
琉莉派
ミステリー
友部海斗(23)は、苦難の時期をささえてくれた純粋無垢な恋人・片山桜織を捨て、大金持ちの娘・奥平雪乃と結婚した。
結婚から二年が過ぎた頃、海斗は政治家になるべく次期市議選への出馬準備を進めていた。そんな折、弟の凌馬が深夜に突然やってきて、真っ青な顔で殺人を犯してしまったと告白。露見すれば海斗の政治生命が絶たれると考えた雪乃は、殺人の隠ぺいを提案。凌馬とともに遺体処理に向かうが、その翌日、雪乃は忽然と煙のように姿を消してしまう。
妻の行方を追う海斗がたどりついた、驚愕の真実とは……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる