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再会
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赤坂の契約が正式に行われることになった。M商事からは息子の部長と周平が参加する。Sハウスからは副社長と藤尾が顔を出した。S銀行がSハウスの資金を出すので銀行取引としては身内取引のようなものだ。M銀行からは運転資金として200憶が出たので、400憶で抹消の許可が出たわけだ。それでも取引は1時に始まって、6時までかかる。周平は先ほどから腕時計を何度も見ている。6時の新幹線で団長とケイ君が戻ってくるのである。それで近くの寿司屋を予約している。
「課長一杯どうですか?」
銀行を出た時に部長に声をかけられたがそのままタクシーに乗った。
「遅刻だよ」
ケイ君の声が店の中からする。
「食べていてくれたらよかったのに」
「と言ったけどね、団長に待ちなさいと睨まれたわけ」
団長の目が松七五三聖子の目をしている。
「ずいぶん長かったね?」
「ええ、記憶は戻らなかったけど、久しぶりに松七五三聖子に出会ったわ」
「どこに行った?」
「下宿に連れて行ってもらった」
「団長、2時間も屋根から外を見ていたぜ」
二人で屋根に寝そべって、飽きずに話をしていた。
「何か見えた?」
「夢の中の風景と同じだったわ」
「そうか、思い出すよ。3人で朝までそこで飲んでいたこともあった」
「らしいね。次の日に納屋を見せてもらったの。警察に押収されなかった私物を大家さんが残しておいて山積みになっていたの。そのうちの何点かを貰ってきた」
「団長、ホテルの部屋に籠って締め出しを食らってたんだぜ」
今夜は二人でホワイトドームで昔のように朝まで話そう。
「課長一杯どうですか?」
銀行を出た時に部長に声をかけられたがそのままタクシーに乗った。
「遅刻だよ」
ケイ君の声が店の中からする。
「食べていてくれたらよかったのに」
「と言ったけどね、団長に待ちなさいと睨まれたわけ」
団長の目が松七五三聖子の目をしている。
「ずいぶん長かったね?」
「ええ、記憶は戻らなかったけど、久しぶりに松七五三聖子に出会ったわ」
「どこに行った?」
「下宿に連れて行ってもらった」
「団長、2時間も屋根から外を見ていたぜ」
二人で屋根に寝そべって、飽きずに話をしていた。
「何か見えた?」
「夢の中の風景と同じだったわ」
「そうか、思い出すよ。3人で朝までそこで飲んでいたこともあった」
「らしいね。次の日に納屋を見せてもらったの。警察に押収されなかった私物を大家さんが残しておいて山積みになっていたの。そのうちの何点かを貰ってきた」
「団長、ホテルの部屋に籠って締め出しを食らってたんだぜ」
今夜は二人でホワイトドームで昔のように朝まで話そう。
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