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お茶会翌日

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お茶会の翌日、早速ノア先生の授業があったため私はいつもより早く訓練場へ向かった。ノックをしてドアを開けると既にノア先生は訓練場にいた。私はスタスタと無言で彼の近くまで歩いていく。私の真剣な様子にいつもと違うことに気づいたのか、怪訝そうな表情をして私を見つめてくる。

「アリーチェ?まだ授業の時間には早いけど…」
「…授業の前に聞きたいことがあって来たんです。」

昨日、お茶会から戻ってからずっと考えていた。聞いていいのか、聞いてしまって今の関係が壊れてしまうのではないか。でも聞かなかったらいつか絶対に後悔すると思って、ここに来たのだ。手にグッと力を入れてノア先生を見つめる。

「ノア先生は…王族なのではないですか?」

彼が一瞬目を見開いた後、スッと目を細めた。氷のような冷たく鋭い視線、そして放たれる殺気に逃げ出したくなるが必死に堪える。

「…なんでそう思うの?」
「私は昨日、殿下と2人でお話をしました。」

そう言った瞬間、殺気がさらに膨れ上がる。思わず1歩後ろへ下がってしまう。

「2人…?2人だけで話した…?」
「…そうですっ!?」

肯定した途端に、一気に2m程あった距離を詰められて思わず手でガードしそうになるが、そのガードしようとした手を掴まれてしまう。振り払おうとするが力強く掴まれた手はビクともしない。彼を睨みつけようとしたが、今まで見たことないほどの殺気に怯んでしまう。

「殿下に誘われたから2人で会ったのかい?…それともアリーチェが誘ったのかい?」
「どちらも誘ってません…!!私がお茶会が退屈だったから少し抜け出して休憩していたところに殿下がやってきたんです!!何故か気に入られてしまったみたいですけど…。」
「気に入られた?!」
「あーもう!!それよりも話をそらさないでください!!ノア先生は王族なんですか?」
「…」

今度は私の剣幕にノア先生が怯み、掴まれている手が緩む。その隙に彼の手を振り払い、睨みつける。何としても譲る訳にはいかない。

「…私、殿下とお話した時にノア先生と殿下がそっくりだと気付いたんです。顔もそうですけど性格までそっくりでした。こんな偶然そうそうないと思います。」
「…」

ノア先生は私の問いに答えようとしない。私にも焦りが生まれ始める。

「ノア先生!!」
「…授業を終了しよう、ここまでだ。」

そう地を這うような低い声で言い放ち、私の横を通り過ぎて訓練場から出て行ってしまった。冷たく突き放すような言い方に私は彼を止めることもできず、呆然とするしかなかった。


その翌日からノア先生は来なくなってしまった。
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