20 / 38
第8章
(19)就活惨敗女子
しおりを挟む
【手塚美空の場合】
今日は雨宮くんのミュージカル本番の日だった。
とても楽しみで、私は普段よりも随分と早くに目が覚めた。ウキウキとした気分で服を選び、自分が持っている服の中で一番上品なワンピースを選んだ。高校時代の恩師の真田先生と一緒にミュージカルを観劇する約束をしているからだ。
昨日、頑張ってねと送ったメッセージに、雨宮くんは自信に満ちた返事をくれた。
──楽しみにしててよ。
その文字を眺めながら、私はもう一度心の中でエールを送る。
楽しみにしてるね。
頑張ってね。
高校生の頃は雨宮くんに対して特に思う事は無かったけれど、再会してからの彼には胸がドキドキと高鳴ってしまう。
何が違うのかなと思った時、目が、違うような気がした。もちろん造形の事ではなく、瞳の中にキラキラとした強い意志の光が見えたのだ。
この感情は……。
「憧れかな? それとも」
恋を、しているのだろうか。
そう思うと途端に顔が熱くなった。
「変に意識しちゃいそうだから、今、考えるのはやめよう」
顔を合わせた際にぎこちなくなってしまうのが嫌で、私は頭を切り替えようとスマートフォンでSNSをチェックする。
「え?」
そのトップ画面で、ある動画がもの凄い勢いでバズっているのを発見した。
「えっと…………、これって」
その動画は、雨宮くんが黒猫の前で歌をうたっているものだった。彼の方は後ろ姿のみでほとんど映っていないし、顔も見えていない。けれど私には、それが彼だとすぐに分かった。
「雨宮くんと、ラッキーキャットさんだ!」
投稿動画のサムネイルには、
【ラッキーキャット様を追っていたら、とんでもなく『歌うま』な人が歌ってる所に遭遇した。神過ぎ!】
と、記載されている。
アカウント主はラッキーキャット好きな女性のようで、ラッキーキャットを見かけたら動画を撮って投稿しているようだった。
アカウントのフォロワーは全てラッキーキャット好きな人らしく、かなりの数字だ。コメント欄にも、たくさんの記入があった。
【ラッキーキャットがうっとりした顔してる。神の歌声だな】
【ラッキー様が聞き惚れてるの可愛い! この男性は一般の人? プロ?】
【ミュージカルっぽい曲調。舞台俳優かな?】
【この演目は!! バンパイアとハンターの物語で、二人のブロマンスな関係性が腐女子の私にはたまらない展開だったはず!】
【本当に良い声だな。直近でこの演目をやってる舞台を探せば、どこの劇団の人か分かるか?】
フォロワーの間で、雨宮くんの歌声が話題になっている。
「すごい」
そして私も、初めて聴く彼の歌声に一瞬で引き込まれていた。急いでイヤホンを用意して、音量を上げじっくりと聴き入る。
話す時の声は、男性の中では高い方だと思っていた。歌声は、その澄んだ高音と、深く厚みのある低音も魅力的だ。
「こんなに、音域が広いんだ」
短い動画を、何度も何度も繰り返し見る。
「素敵……」
動画に映るラッキーキャットと同じで、うっとりとしてしまう。
これは、雨宮くんにとってチャンスなのではないだろうか。その歌声の主は『劇団七年生』に所属の雨宮圭吾だと伝えたい。
けれど勝手に正体を明かす訳にはいかないし、本番当日の朝に連絡をするのも演者の集中を邪魔するようで気が引ける。
「どうしよう。……そうだ、真田先生に相談してみよう」
私は真田先生にその動画を送り、意見を聞く事にした。そして先生と相談した結果、やはり雨宮くん本人の判断に任せた方が良いという事になり、私はその動画のURLを雨宮くんに送った。
──教えてくれて有り難う!
雨宮くんからは、すぐに短い返信がきた。
彼は、どうするのだろう。
*
その会場は、小さなライブハウスにパイプ椅子を並べただけの簡易舞台が作られていた。彼が所属する劇団七年生は、そんな少ない座席にも空席ができてしまう程の弱小劇団らしい。
しかし今日は席が埋まり、パイプ椅子の後ろのスペースを立見席として開放している。立ち見のお客さんも多く入っていた。
先程少しだけ顔を合わせる事ができた雨宮くんから事情を聞くと、今年劇団を卒業した先輩の中にラッキーキャット信者がいて、あの動画投稿主と相互フォローの関係だったらしく、『劇団七年生の公演が今日ある』という情報のみ、急いでコメント欄に記入したとの事だった。
恐らくそのコメントを見た近場の人が、当日券を買い舞台を見に来てくれたのだろう。
劇団にもSNSアカウントがあり、今までたくさんの動画を載せてはいたけれど、フォロワーが少なく全く広まらなかったらしい。
それが、ラッキーキャットのお陰でようやく人の目に触れる機会を得た。
ラッキーキャット信者の先輩、曰く。
『やっと、やっと、雨宮が世間に見つかった!』
との事らしい。
私も嬉しくなって、自分の席からもう一度じっくりと、人が埋まった座席と立見席を見渡した。
もうすぐ、幕が上がる──。
今日は雨宮くんのミュージカル本番の日だった。
とても楽しみで、私は普段よりも随分と早くに目が覚めた。ウキウキとした気分で服を選び、自分が持っている服の中で一番上品なワンピースを選んだ。高校時代の恩師の真田先生と一緒にミュージカルを観劇する約束をしているからだ。
昨日、頑張ってねと送ったメッセージに、雨宮くんは自信に満ちた返事をくれた。
──楽しみにしててよ。
その文字を眺めながら、私はもう一度心の中でエールを送る。
楽しみにしてるね。
頑張ってね。
高校生の頃は雨宮くんに対して特に思う事は無かったけれど、再会してからの彼には胸がドキドキと高鳴ってしまう。
何が違うのかなと思った時、目が、違うような気がした。もちろん造形の事ではなく、瞳の中にキラキラとした強い意志の光が見えたのだ。
この感情は……。
「憧れかな? それとも」
恋を、しているのだろうか。
そう思うと途端に顔が熱くなった。
「変に意識しちゃいそうだから、今、考えるのはやめよう」
顔を合わせた際にぎこちなくなってしまうのが嫌で、私は頭を切り替えようとスマートフォンでSNSをチェックする。
「え?」
そのトップ画面で、ある動画がもの凄い勢いでバズっているのを発見した。
「えっと…………、これって」
その動画は、雨宮くんが黒猫の前で歌をうたっているものだった。彼の方は後ろ姿のみでほとんど映っていないし、顔も見えていない。けれど私には、それが彼だとすぐに分かった。
「雨宮くんと、ラッキーキャットさんだ!」
投稿動画のサムネイルには、
【ラッキーキャット様を追っていたら、とんでもなく『歌うま』な人が歌ってる所に遭遇した。神過ぎ!】
と、記載されている。
アカウント主はラッキーキャット好きな女性のようで、ラッキーキャットを見かけたら動画を撮って投稿しているようだった。
アカウントのフォロワーは全てラッキーキャット好きな人らしく、かなりの数字だ。コメント欄にも、たくさんの記入があった。
【ラッキーキャットがうっとりした顔してる。神の歌声だな】
【ラッキー様が聞き惚れてるの可愛い! この男性は一般の人? プロ?】
【ミュージカルっぽい曲調。舞台俳優かな?】
【この演目は!! バンパイアとハンターの物語で、二人のブロマンスな関係性が腐女子の私にはたまらない展開だったはず!】
【本当に良い声だな。直近でこの演目をやってる舞台を探せば、どこの劇団の人か分かるか?】
フォロワーの間で、雨宮くんの歌声が話題になっている。
「すごい」
そして私も、初めて聴く彼の歌声に一瞬で引き込まれていた。急いでイヤホンを用意して、音量を上げじっくりと聴き入る。
話す時の声は、男性の中では高い方だと思っていた。歌声は、その澄んだ高音と、深く厚みのある低音も魅力的だ。
「こんなに、音域が広いんだ」
短い動画を、何度も何度も繰り返し見る。
「素敵……」
動画に映るラッキーキャットと同じで、うっとりとしてしまう。
これは、雨宮くんにとってチャンスなのではないだろうか。その歌声の主は『劇団七年生』に所属の雨宮圭吾だと伝えたい。
けれど勝手に正体を明かす訳にはいかないし、本番当日の朝に連絡をするのも演者の集中を邪魔するようで気が引ける。
「どうしよう。……そうだ、真田先生に相談してみよう」
私は真田先生にその動画を送り、意見を聞く事にした。そして先生と相談した結果、やはり雨宮くん本人の判断に任せた方が良いという事になり、私はその動画のURLを雨宮くんに送った。
──教えてくれて有り難う!
雨宮くんからは、すぐに短い返信がきた。
彼は、どうするのだろう。
*
その会場は、小さなライブハウスにパイプ椅子を並べただけの簡易舞台が作られていた。彼が所属する劇団七年生は、そんな少ない座席にも空席ができてしまう程の弱小劇団らしい。
しかし今日は席が埋まり、パイプ椅子の後ろのスペースを立見席として開放している。立ち見のお客さんも多く入っていた。
先程少しだけ顔を合わせる事ができた雨宮くんから事情を聞くと、今年劇団を卒業した先輩の中にラッキーキャット信者がいて、あの動画投稿主と相互フォローの関係だったらしく、『劇団七年生の公演が今日ある』という情報のみ、急いでコメント欄に記入したとの事だった。
恐らくそのコメントを見た近場の人が、当日券を買い舞台を見に来てくれたのだろう。
劇団にもSNSアカウントがあり、今までたくさんの動画を載せてはいたけれど、フォロワーが少なく全く広まらなかったらしい。
それが、ラッキーキャットのお陰でようやく人の目に触れる機会を得た。
ラッキーキャット信者の先輩、曰く。
『やっと、やっと、雨宮が世間に見つかった!』
との事らしい。
私も嬉しくなって、自分の席からもう一度じっくりと、人が埋まった座席と立見席を見渡した。
もうすぐ、幕が上がる──。
1
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
心の落とし物
緋色刹那
ライト文芸
・完結済み(2024/10/12)。また書きたくなったら、番外編として投稿するかも
・第4回、第5回ライト文芸大賞にて奨励賞をいただきました!!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω'✌︎ )
〈本作の楽しみ方〉
本作は読む喫茶店です。順に読んでもいいし、興味を持ったタイトルや季節から読んでもオッケーです。
知らない人、知らない設定が出てきて不安になるかもしれませんが、喫茶店の常連さんのようなものなので、雰囲気を楽しんでください(一応説明↓)。
〈あらすじ〉
〈心の落とし物〉はありませんか?
どこかに失くした物、ずっと探している人、過去の後悔、忘れていた夢。
あなたは忘れているつもりでも、心があなたの代わりに探し続けているかもしれません……。
喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
ある夏の日、由良は店の前を何度も通る男性に目を止め、声をかける。男性は数年前に移転した古本屋を探していて……。
懐かしくも切ない、過去の未練に魅せられる。
〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
人の未練が具現化した幻。あるいは、未練そのもの。
・〈探し人(さがしびと)〉
〈心の落とし物〉を探す生き霊で、落とし主。当人に代わって、〈心の落とし物〉を探している。
・〈未練溜まり(みれんだまり)〉
忘れられた〈心の落とし物〉が行き着く場所。
・〈分け御霊(わけみたま)〉
生者の後悔や未練が物に宿り、具現化した者。込められた念が強ければ強いほど、人のように自由意志を持つ。いわゆる付喪神に近い。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~
takahiro
キャラ文芸
『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。
しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。
登場する艦艇はなんと58隻!(2024/12/30時点)(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。
――――――――――
●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。かなりGLなので、もちろんがっつり性描写はないですが、苦手な方はダメかもしれません。
●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。
●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。またお気に入りや感想などよろしくお願いします。
毎日一話投稿します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ベスティエン ――強面巨漢×美少女の〝美女と野獣〟な青春恋愛物語
花閂
ライト文芸
人間の女に恋をしたモンスターのお話がハッピーエンドだったことはない。
鬼と怖れられモンスターだと自覚しながらも、恋して焦がれて愛さずにはいられない。
恋するオトメと武人のプライドの狭間で葛藤するちょっと天然の少女・禮と、モンスターと恐れられるほどの力を持つ強面との、たまにシリアスたまにコメディな学園生活。
名門お嬢様学校に通う少女が、彼氏を追いかけて最悪の不良校に入学。女子生徒数はわずか1%という特異な環境のなか、入学早々にクラスの不良に目をつけられたり暴走族にさらわれたり、学園生活は前途多難。
周囲に鬼や暴君やと恐れられる強面の彼氏は禮を溺愛して守ろうとするが、心配が絶えない。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界で悪霊となった俺、チート能力欲しさに神様のミッションを開始する
眠眠
ファンタジー
トラックに跳ねられ異世界に飛ばされた主人公。気がつくと、彼は身体のない意識だけの存在に成り果てていた。なぜこのようなことになってしまったのか。謎を探るべく異世界を彷徨う主人公の前に死神さんが現れた。死神さんは主人公に今の状態が異世界転生(仮)であることを告げ、とあるミッションの達成と引き換えに正しい転生と3つのチート能力の贈呈を約束する。そのミッションとは様々な異世界を巡るもので……。
身体を失った主人公が残った心すらボッキボキに折られながらも頑張って転生を目指す物語です。
なお、その過程でどんどん主人公の変態レベルが上がっていくようです。
第1章は「働かなくてもいい世界」。労働不要の世界で、不死の住人達と友達になります。
第2章は「恋のキューピッド大作戦」。世界を救うため、とある二人の恋仲を成就させます。
6〜8つの世界を巡る予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる