【R18】意外としたたかな幼馴染と俺 EXおまけ

君の瞳に乾杯

文字の大きさ
上 下
1 / 10

1.DVD鑑賞

しおりを挟む
 あたしは今日、SEXする。

 脳内シュミレーションでは、勝算は10割に近い9割。

 もう10割と言っても過言じゃないけど、勝負は時の運で水物。
 何が起こるかわからない。

 準備に余念はないけど、不安がないワケじゃない。



 あたしは東雲 雪(しののめ ゆき)。
 今、アナタの後ろ…じゃなく、玄関前にいる。

 意中の男の子は柊 咲人(ひいらぎ さくと)。
 通称『サク』、あたしの幼馴染だ。

 でも、タダの幼馴染の『友達』の関係は今日終わる。

 深呼吸1つ、インターホンのスイッチを押し込む。

ピンポ~ン♪

 ったく、人が一大決戦に挑もうってのに、何とも気の抜けた音が鳴るじゃない。

 いや、これは『変に緊張するな』と言う天の采配か。
 そうに違いない。そう思う事にする。

サク「あれっ、雪?」

 ややあって扉が開き、キョトンとした顔のサクが現れる。

 雪「来ちゃった♪」
サク「?」

 ニッコリと微笑んで言うあたし。
 サクはキョトンとした顔のまま、首をコテンと傾げる。

 やだ、その仕草可愛いんですけど?

 あたしが正面玄関から現れた事が不思議なのだろう。
 と言うのも、実はサクの家とあたしの家は渡り廊下で繋がっている、実質1つ屋根の下なのだ。
 当然、用があるなら渡り廊下を使えば良いんじゃないか、となる。

 まぁ、あえて正面玄関を使った事により相手に与える心理的効果にそんなに重点を置いているワケでもないので、ここは軽く流す。

 雪「おっ邪魔~」
サク「自分家に入るように躊躇いなしな」

 サクの声を背に受けながら、迷いなくサクの部屋を目指す。
 幼い頃から何度も通った道だ、もう目を瞑ったって行ける。

 ああっ、サクの視線がブスブスと背中に突き刺さる。

 本人はチラ見のつもりかも知れないが、バレバレだよ?
 今日のあたしはエチぃでしょ? いつもの3割増しだよ。

 覚悟決めてるからね。
 体のコンディションもバッチリだよ。

 頭の中では玄関先で押し倒したり、壁に押し付けてバックからぶち込んだり妄想してても、童貞のサクじゃ実際そんな事できないのは知ってる。

 あたしも初体験はベッドが良い。

 雪「新しいアニメある?」

 なんて問い掛けながら、視線はテレビ前にあるテーブルの上のDVDにロックオン。

 やっぱりあった。

 あれは帰り際、藤岡君(サクの悪友)から渡されたエチぃDVDに間違いない。
 これで、パズルのピースは揃った。

 ったく、女の子を部屋に上げるってのに、エチぃDVDをテーブルの上に置きっぱとか抜けてるなぁ。
 まぁ、そこがサクらしーっちゃらしーけど。

 教えられたアニメの棚を物色するフリをするあたしを尻目に、机に向かうサク。

 背を向けたのを確認して、すぐにテーブルの上のDVDをデッキにセット。
 ダイジェストで、SEXが1番盛り上がっているシーンを探す。

 あっれれ~、おっかしーなー。
 この女優さん、顔つきといい体つきといい、どことなくあたしに似てる?

『ああん、あっあっあっ、ああん』

 突然部屋に響いた女性の叫声に、サクは机に派手に頭突きをかましている。

サク「何事っ!?」

 驚いて振り返る、サク。

 恥ずかしそうに手で顔を隠し固まる、あたし。

 でも実は、指の隙間が少し開いていて「本当はちょっと興味あるんですぅ」アピール。
 後で言葉でも言うが、咄嗟の行動で示す事でより大きな心理的効果が狙える。

 雪「何かスイッチ押したら流れ出した」

「ワンクリック詐欺か!」とか「DVDデッキに入れたっけ?」とか小さな疑問より、今の状況を『ヤベぇ』と感じたらしいサクはまず映像を停止させようとリモコンに手を伸ばす。

 しかし、あまりに慌ててつんのめったサクに押し倒されてしまう。

 あっ、これチャンスかも。
 この流れを利用させてもらおう。

サク「あわわわ、ごゴメン!!」

 急いで飛び離れようとしたサクの手を、ガシッとひっ掴む。

 雪「サク、実はあたしこう言うのすごく興味あるの」
サク「おおぅ」

 さっきのアピールと相まって、信憑性あるでしょ。
 さて、次の言葉はどうかな?

 雪「でも1人で見るの怖いから、一緒に見て?」

 普通なら「ハッ? 何言ってんの、お前?」なんてどん引かれるセリフ。

 しかし、今の状況にテンパった思考、加えてちょい上目遣いを意識したあたしの『ウルウルビーム』が合わされば、

サク「お、おおぅ」

 となる。



 こうして、2人でエチぃDVDを鑑賞する事になった。





~~感謝~~

 本作を見つけて頂き、目を通して頂きありがとうございます。

 本作は作者の前作『意外としたたかな幼馴染と俺』のEXオマケであり、同じ内容のモノを視点を変えて書いたモノです。
 前作を読んでいなくても理解できるよう配慮したつもりですが、前作を読んだ方には同じ表現が繰り返されたり回りくどく感じるかも知れません。

 目についた『荒』などあれば、容赦なくダメ出しして下さい。

 内容的には同じですが、視点が違うので退屈させないモノに仕上がってると自負しております。

 今回もサクッと全話上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

疲れる目覚まし時計

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 朝、僕が布団の中でまどろんでいると、姉さんが起こしに来た。 まだ時間が早いから寝ようとする僕を、姉さんが起こそうとする。 その起こし方がとても特殊で……。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

レンタル彼氏がヤンデレだった件について

名乃坂
恋愛
ネガティブ喪女な女の子がレンタル彼氏をレンタルしたら、相手がヤンデレ男子だったというヤンデレSSです。

最愛の彼

詩織
恋愛
部長の愛人がバレてた。 彼の言うとおりに従ってるうちに私の中で気持ちが揺れ動く

処理中です...