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ドラゴンスレイヤー編
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「…は?」
アーロンの話を一通り聞き終わり、俺は俺の正体をようやく知る事が出来た。しかしこんな話、簡単に信じられる訳が無い。俺の頭の中は未だにパニック状態だった。
「え…?…は…?…俺が英雄の生まれ変わり?アーロンが付き添いの人で…時空間魔法の使い手?」
「左様でございます。キョウ・クライス…いいえ、キョウ・アブソープ様」
「キョウ…アブソープ?」
キョウ・アブソープ。これが俺の本当の名前らしい。聞き慣れない初めての姓に違和感を感じ、それと同時にある事に気がついた。
俺の本当の両親はどこにいるのだろう。本当の家はどこだろう。本当の居場所は…一体。
「ご覧下さい、キョウ様」
「え、あ、はい」
アーロンに言われるがまま前を向いた。台座に突き刺さった剣が一本、よく見てみると剣と台座の周りの空間が歪んでいる。アーロンの話にもあった結界が張ってあるようだ。
アーロンは無言で剣に手を伸ばす。するとバチンッと大きな音を立てて、それと同時にアーロンの手は結界によって弾かれた。
「と、このように英雄以外の者が剣に触れようとすれば結界によって弾かれてしまいます」
淡々と説明するアーロン。
「おいアーロン、俺の親は…本当の親はどうした」
「…分かりました。お見せしましょう。ただ一つ、これは世界のために行った事です。ご理解くださいませ」
アーロンは俺の額に手をかざした。次の瞬間、目の前の景色が一変し、荒野からどこかの民家に移った。家の中には一人の男性と赤子を抱いている女性が一人。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
「うふふっ…よしよし」
「可愛いなぁ…全く」
二人は微笑み合いながら幸せそうに赤子をあやしている。なんだろう、以前にもどこかで見た事あるような…。
「この子の名前、確か前に決めてたんだったよな?」
「えぇ…キョウ。この子はキョウ・アブソープよ」
「キョウか。いい名前じゃないか、ほ~らキョウ~お父さんですよ~」
あぁ、そうだ。この光景。
記憶には無いが、不思議と確信が持てる。この二人が俺の本当の両親だ。優しそうな良い両親じゃないか。二人は今一体どこに…
バタンッ!
「!?…誰だ!?…」
なんだ…?大きな…音?ドアが勢いよく開いたのか?
誰かが家に入ってくるのが見える。
「申し訳ございません。アブソープ夫妻」
「だ、誰ですか!?貴方は!?」
家に入ってきたのは一人の老人、今現在と姿形が変わらぬアーロンがそこにはいた。彼の右手には一本の斧が握られていた。
「…これも、世界を救うためなのです」
「何を言っているんだ!コッチへ来るな!」
そうだ…行かないでくれ。
「お願い…やめて!」
そうだ…やめてくれ、お願いだから。
「きゃああああああああああああああぁ!!」
アーロンが斧を二人に向かって振り下ろし、鼓膜を突き抜けるほどの悲鳴が響いた。斧の刃が両親に届く直前で景色が終わり、元の荒野に戻って来た。
「これが…最新の記憶。幾度となくタイムリープを繰り返した際の一端の出来事でございます。どうか…ご理解くださいませ」
俺の本当の両親は突如アーロンに襲撃され、命を落とした。そして赤子の俺を誘拐し、監禁のためにクライス家の養子にした。
その後、俺が何らかの出来事で死亡、今回で言うならばアルゴに焼き殺されかけた等の事例があったし、恐らくそれと似たような事で俺が死ぬ度にアーロンは過去に戻って俺の両親を殺害し、また俺をクライス家に…。
「キョウ様…どうか、どうか!」
「アー…ロン」
俺は…俺は…!
●許さない
○許す
アーロンの話を一通り聞き終わり、俺は俺の正体をようやく知る事が出来た。しかしこんな話、簡単に信じられる訳が無い。俺の頭の中は未だにパニック状態だった。
「え…?…は…?…俺が英雄の生まれ変わり?アーロンが付き添いの人で…時空間魔法の使い手?」
「左様でございます。キョウ・クライス…いいえ、キョウ・アブソープ様」
「キョウ…アブソープ?」
キョウ・アブソープ。これが俺の本当の名前らしい。聞き慣れない初めての姓に違和感を感じ、それと同時にある事に気がついた。
俺の本当の両親はどこにいるのだろう。本当の家はどこだろう。本当の居場所は…一体。
「ご覧下さい、キョウ様」
「え、あ、はい」
アーロンに言われるがまま前を向いた。台座に突き刺さった剣が一本、よく見てみると剣と台座の周りの空間が歪んでいる。アーロンの話にもあった結界が張ってあるようだ。
アーロンは無言で剣に手を伸ばす。するとバチンッと大きな音を立てて、それと同時にアーロンの手は結界によって弾かれた。
「と、このように英雄以外の者が剣に触れようとすれば結界によって弾かれてしまいます」
淡々と説明するアーロン。
「おいアーロン、俺の親は…本当の親はどうした」
「…分かりました。お見せしましょう。ただ一つ、これは世界のために行った事です。ご理解くださいませ」
アーロンは俺の額に手をかざした。次の瞬間、目の前の景色が一変し、荒野からどこかの民家に移った。家の中には一人の男性と赤子を抱いている女性が一人。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
「うふふっ…よしよし」
「可愛いなぁ…全く」
二人は微笑み合いながら幸せそうに赤子をあやしている。なんだろう、以前にもどこかで見た事あるような…。
「この子の名前、確か前に決めてたんだったよな?」
「えぇ…キョウ。この子はキョウ・アブソープよ」
「キョウか。いい名前じゃないか、ほ~らキョウ~お父さんですよ~」
あぁ、そうだ。この光景。
記憶には無いが、不思議と確信が持てる。この二人が俺の本当の両親だ。優しそうな良い両親じゃないか。二人は今一体どこに…
バタンッ!
「!?…誰だ!?…」
なんだ…?大きな…音?ドアが勢いよく開いたのか?
誰かが家に入ってくるのが見える。
「申し訳ございません。アブソープ夫妻」
「だ、誰ですか!?貴方は!?」
家に入ってきたのは一人の老人、今現在と姿形が変わらぬアーロンがそこにはいた。彼の右手には一本の斧が握られていた。
「…これも、世界を救うためなのです」
「何を言っているんだ!コッチへ来るな!」
そうだ…行かないでくれ。
「お願い…やめて!」
そうだ…やめてくれ、お願いだから。
「きゃああああああああああああああぁ!!」
アーロンが斧を二人に向かって振り下ろし、鼓膜を突き抜けるほどの悲鳴が響いた。斧の刃が両親に届く直前で景色が終わり、元の荒野に戻って来た。
「これが…最新の記憶。幾度となくタイムリープを繰り返した際の一端の出来事でございます。どうか…ご理解くださいませ」
俺の本当の両親は突如アーロンに襲撃され、命を落とした。そして赤子の俺を誘拐し、監禁のためにクライス家の養子にした。
その後、俺が何らかの出来事で死亡、今回で言うならばアルゴに焼き殺されかけた等の事例があったし、恐らくそれと似たような事で俺が死ぬ度にアーロンは過去に戻って俺の両親を殺害し、また俺をクライス家に…。
「キョウ様…どうか、どうか!」
「アー…ロン」
俺は…俺は…!
●許さない
○許す
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