54 / 121
魔境地帯編
52
しおりを挟む
「なんでジンがここに?ってか、今の…精霊魔法」
「あぁ、生き返ったら使えるようになってた。どうやらお前の魔法は人の魂と関係がありそうだ」
今この場にジンが登場した事にも驚いたが、何より驚いたのはジンが精霊魔法を使って見せた事だ。俺がジンを殺して以来、彼の精霊魔法は俺に宿ったと思っていたが違ったようだ。今思えば俺は精霊魔法を使えた試しが無い。使い方が分からない云々の話では無く、そもそもが宿っていなかったようだ。
「いや~、あれから数日してから俺も気づいてさ、わざわざ伝えに行くかどうか迷ってたら、キョウくんの周囲にえげつない力を感じてね、精霊に頼んでここまで飛ばしてもらったって訳よ。…そしたら、こ~んな化け物がいるなんてねぇ…」
ジンはディアボロスを指差す。ディアボロスは見られている事に気づき、不敵な笑みを浮かべたが、どこか引きつっているように見える。突然の強者登場にヤツも焦っているのだろう。
「炎魔法…いや、魔力の感じからして精霊魔法かな?」
「お~、分かるかい化け物くん。精霊を通して全て見させてもらったよ。とんでもない魔法…いや、覇気だね」
「覇気…?」
ジンはあのモヤを覇気と言った。ディアボロスの加護の正体だろう。
「そうさ、僕の加護は全てを飲み込み全てを喰らい尽くす!たとえ精霊魔法だろうが関係ない!来いよジンとやら、格の違いを教えてやる!」
ディアボロスは叫びつつ凄まじい量の覇気を全身から放出させた。それらは全て俺達、もといジンの方向へ一直線に飛んでくる。
「キョウくん、再会ついでに見せてあげよう。あの日、俺は出す前に君に負けちゃったからね」
「一体何を…」
「…俺のとっておき☆」
ジンは目を閉じて意識を集中させた。その間、風の魔力が彼の全身から溢れ出て、スグにそれは精霊魔法の形態へと移り変わっていく。
俺が知っている限り、ジンが使える精霊は
炎の四大精霊サラマンダー
水の四大精霊ウンディーネ
土の四大精霊ノーム
この三体。おそらく同様に風の四大精霊であるシルフも使えると踏んではいるが、今ジンが纏っている風の魔力はシルフの物とはとても思えない。あの日無限精霊空間で感じた精霊魔法とは比較にならないほどの圧倒的魔力量だ。
これはまさか…
「あぁ、キョウくん!そのまさかさ!
精霊魔法…上位風精霊の抜け道!」
下位精霊では無く、上位精霊の精霊魔法。俺の使う風魔法の「強」とは比にならない威力の爆風が轟いた。淵ほどとはいかないが、それに負けず劣らずの力だった。
「ハァ…ハァ…どうだ…、俺が今使える唯一の上位精霊魔法…だ」
ジンが放ち数秒、辺りの砂煙が晴れた頃。目の前にディアボロスの姿は無かった。
「あぁ、生き返ったら使えるようになってた。どうやらお前の魔法は人の魂と関係がありそうだ」
今この場にジンが登場した事にも驚いたが、何より驚いたのはジンが精霊魔法を使って見せた事だ。俺がジンを殺して以来、彼の精霊魔法は俺に宿ったと思っていたが違ったようだ。今思えば俺は精霊魔法を使えた試しが無い。使い方が分からない云々の話では無く、そもそもが宿っていなかったようだ。
「いや~、あれから数日してから俺も気づいてさ、わざわざ伝えに行くかどうか迷ってたら、キョウくんの周囲にえげつない力を感じてね、精霊に頼んでここまで飛ばしてもらったって訳よ。…そしたら、こ~んな化け物がいるなんてねぇ…」
ジンはディアボロスを指差す。ディアボロスは見られている事に気づき、不敵な笑みを浮かべたが、どこか引きつっているように見える。突然の強者登場にヤツも焦っているのだろう。
「炎魔法…いや、魔力の感じからして精霊魔法かな?」
「お~、分かるかい化け物くん。精霊を通して全て見させてもらったよ。とんでもない魔法…いや、覇気だね」
「覇気…?」
ジンはあのモヤを覇気と言った。ディアボロスの加護の正体だろう。
「そうさ、僕の加護は全てを飲み込み全てを喰らい尽くす!たとえ精霊魔法だろうが関係ない!来いよジンとやら、格の違いを教えてやる!」
ディアボロスは叫びつつ凄まじい量の覇気を全身から放出させた。それらは全て俺達、もといジンの方向へ一直線に飛んでくる。
「キョウくん、再会ついでに見せてあげよう。あの日、俺は出す前に君に負けちゃったからね」
「一体何を…」
「…俺のとっておき☆」
ジンは目を閉じて意識を集中させた。その間、風の魔力が彼の全身から溢れ出て、スグにそれは精霊魔法の形態へと移り変わっていく。
俺が知っている限り、ジンが使える精霊は
炎の四大精霊サラマンダー
水の四大精霊ウンディーネ
土の四大精霊ノーム
この三体。おそらく同様に風の四大精霊であるシルフも使えると踏んではいるが、今ジンが纏っている風の魔力はシルフの物とはとても思えない。あの日無限精霊空間で感じた精霊魔法とは比較にならないほどの圧倒的魔力量だ。
これはまさか…
「あぁ、キョウくん!そのまさかさ!
精霊魔法…上位風精霊の抜け道!」
下位精霊では無く、上位精霊の精霊魔法。俺の使う風魔法の「強」とは比にならない威力の爆風が轟いた。淵ほどとはいかないが、それに負けず劣らずの力だった。
「ハァ…ハァ…どうだ…、俺が今使える唯一の上位精霊魔法…だ」
ジンが放ち数秒、辺りの砂煙が晴れた頃。目の前にディアボロスの姿は無かった。
1
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
異世界召喚されたのは、『元』勇者です
ユモア
ファンタジー
突如異世界『ルーファス』に召喚された一ノ瀬凍夜ーは、5年と言う年月を経て異世界を救った。そして、平和まで後一歩かと思ったその時、信頼していた仲間たちに裏切られ、深手を負いながらも異世界から強制的に送還された。
それから3年後、凍夜はクラスメイトから虐めを受けていた。しかし、そんな時、再度異世界に召喚された世界は、凍夜が送還されてから10年が経過した異世界『ルーファス』だった。自分を裏切った世界、裏切った仲間たちがいる世界で凍夜はどのように生きて行くのか、それは誰にも分からない。
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる