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村開拓編
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「キョウさん。村の整地作業、終わりましたよ」
「お、ザラザドくんご苦労」
「ホッホッホッ…年下に君付けとは、何とも違和感が…」
村の整地、建造物の再建、修繕。ザラザドの土魔法と俺の風魔法も駆使して、一通りの全ての作業が完了した。あとは村を発展させていく、ようやく0からのスタートだ。
「さぁて…どうしてやろー」
「ザラザド副団長ー!!」
急に大声が聞こえたと思ったら、東に送った盗賊団団員がたった今帰還したようだ。
「ホッホッ、ご苦労様。それで?何か見つけましたか?」
「はい!ここから東に直進したところ、森の中にて古びた巨大な城を発見しました!」
「城?森の中にですか?」
「はい。とても薄汚れていて、とても人が住んでいそうな場所では無いと思ったのですが、どうやらまだ誰か住んでいるようです。城の門の表札には"ベルバーグ"と書かれておりました」
俺はその単語を聞いてスグにピンと来た。俺はその家、もとい連中を知っている。
「…キョウさん、何か知っているのですね?」
「…あぁ。よかった、探す手間が省けた」
ベルバーグ家。
昔からクライス家とは対立関係にある魔道士の名家。クライス家は主に炎や水、風などといった俗に言う王道系統の魔法を極めてきた。それに対しベルバーグ家は邪道系、呪いや高難易度の魔法を昔から極めようとしているようだ。
極める系統が正反対なだけあってクライス家とは仲が悪い。主に父親同士の反りが合わないようだ。そのためクライス家とベルバーグ家の交流は俺の覚えている限りでは一回のみ。俺がまだ幼い頃に顔を合わせた程度の付き合いだ。
「…うん。この前の噂の件もあるからな。団員さん、至急ベルバーグ家に言伝を頼む。"キョウ・クライスがお目にかかりたい"とな」
「…」
「ホホッ、頼みますね」
「ハッ!」
「…はぁ」
「ホッホッホッ、ドンマイですキョウさん」
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
「…ついに見つけられたか、クライスに」
「あら?残念そうね、お兄様。クライス家は嫌い?」
「いんや?そんな事はねぇよ?寧ろ好きな方だぜ俺は。嫌い合ってるのは親父らだけだろ」
「そうね。この前の件と言い、仲が悪くなる一方…。キョウくん来るかしら」
「来るさ、近いうちに必ずな。精霊もそう言ってる」
「そう、それじゃ間違いないわね♪」
「お、ザラザドくんご苦労」
「ホッホッホッ…年下に君付けとは、何とも違和感が…」
村の整地、建造物の再建、修繕。ザラザドの土魔法と俺の風魔法も駆使して、一通りの全ての作業が完了した。あとは村を発展させていく、ようやく0からのスタートだ。
「さぁて…どうしてやろー」
「ザラザド副団長ー!!」
急に大声が聞こえたと思ったら、東に送った盗賊団団員がたった今帰還したようだ。
「ホッホッ、ご苦労様。それで?何か見つけましたか?」
「はい!ここから東に直進したところ、森の中にて古びた巨大な城を発見しました!」
「城?森の中にですか?」
「はい。とても薄汚れていて、とても人が住んでいそうな場所では無いと思ったのですが、どうやらまだ誰か住んでいるようです。城の門の表札には"ベルバーグ"と書かれておりました」
俺はその単語を聞いてスグにピンと来た。俺はその家、もとい連中を知っている。
「…キョウさん、何か知っているのですね?」
「…あぁ。よかった、探す手間が省けた」
ベルバーグ家。
昔からクライス家とは対立関係にある魔道士の名家。クライス家は主に炎や水、風などといった俗に言う王道系統の魔法を極めてきた。それに対しベルバーグ家は邪道系、呪いや高難易度の魔法を昔から極めようとしているようだ。
極める系統が正反対なだけあってクライス家とは仲が悪い。主に父親同士の反りが合わないようだ。そのためクライス家とベルバーグ家の交流は俺の覚えている限りでは一回のみ。俺がまだ幼い頃に顔を合わせた程度の付き合いだ。
「…うん。この前の噂の件もあるからな。団員さん、至急ベルバーグ家に言伝を頼む。"キョウ・クライスがお目にかかりたい"とな」
「…」
「ホホッ、頼みますね」
「ハッ!」
「…はぁ」
「ホッホッホッ、ドンマイですキョウさん」
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
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「あら?残念そうね、お兄様。クライス家は嫌い?」
「いんや?そんな事はねぇよ?寧ろ好きな方だぜ俺は。嫌い合ってるのは親父らだけだろ」
「そうね。この前の件と言い、仲が悪くなる一方…。キョウくん来るかしら」
「来るさ、近いうちに必ずな。精霊もそう言ってる」
「そう、それじゃ間違いないわね♪」
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