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村開拓編

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「次、どうする~?」
「も、もうやめようよ~…」
「ばかっ!何弱音吐いてんだよ、ダイランさんを村長に戻すためだろ?」
「で、でもさ~…」

(お、いたいた)

 ダイランから子供たちの溜まり場を教えてもらい、さっそく行ってみるとしっかり五人の子供たちがいた。何やらコソコソ大事そうな話をしているようだ。

「こんにち・は♡」
『うわあああああああああああぁぁぁ!?』

 そこへ俺、乱入。

「何を話してんだ?ダイランさんを村長に戻すとか聞こえたけど。町になるのがそんなに嫌か?」

 俺の質問に子供たちは無言。敵意丸出しの瞳で俺を睨みつけていた。でも一人、敵意では無く気の迷いを見せた子供が一人。俺はその子にピンポイントで話しかけた。

「カイくん…だね?」
「は、はい」

 名前と顔、年齢、どういう性格かはダイランに一通り既に聞き出している。
 リーダーシップのある年長さん。ギルトくん。
 おっとりしたムードメーカー。ランドくん。
 手のかかるおてんば娘。キューちゃん。
 心優しき助手兼見守り役。スイレンちゃん。
 そして、このカイくん。

「カイくんは…嫌かな?俺が長になる事、盗賊団を仲間にした事。村を色々といじった事」
「…別に。ただ」

 カイは悔しそうに両手を握りしめ、唇を噛み締めた。

「俺達五人の親は数年前に盗賊団に殺された。盗賊団の誰が殺したのかは分からない。たぶんあのザラザドって人じゃない。数年前だから今の団員達の中に無関係の人もいるかもしれない。それでも…もし、今の団員の中に…いるって…考えると…だから」

 カイは既に目から涙をこぼしていた。他の四人も目尻に涙を浮かべ始めている。
 非常に恥ずかしく、この子達に申し訳なかった。家族への復讐の事で頭がいっぱいで、他人の気持ちを考えるという事ができていなかった。これじゃあのクソ共と同じじゃないか。

「…ごめんな、みんな。俺の考えは甘かったみたいだ」
「じゃ、じゃあ!」
「でも、俺は辞めないよ。町長も、盗賊団を使うのも。だから一つ約束する」

 俺は一息ついて、面と向かって子供たちに宣言する。

「いつか必ず…お前ら全員、死んだ両親に合わせてやる!願わくば生き返らせてやるよ!…だから、それまで待っててほしい。見守っててほしいんだ」
「ぅ…ひっく…約束…だよ?」
「あぁ!約束だ!」

 俺は成り行きでとんでもない事を言ってしまったのかもしれない。けれどいい加減な、軽い気持ちで言った訳では決して無い。いつか必ず有言実行をしてみせる。
 たとえ禁術に触れる事になろうとも。
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