42 / 57
第三章 ラプラドル島 前編
洗脳水
しおりを挟む
「ここは本当に地獄だ。」
ハイデンは呟くように言った。
「明けても暮れても肉体の鍛練。今日は週に一度の安息日だが、それでも朝早く日の出前から集められて体力作りだの武器の手入れだの。アルカマウラはどうか分からんがスルガトラスは一日中あらゆる武道や武器の扱いを叩き込まれる」
ハイデンはそう言ってため息をついた。
よく見ると、ハイデンの身体にはいたるところに赤黒い痣があるし、生傷がたえないようだ。
「そしてだんだん感覚が麻痺してくるんだ。レオンも見ただろう。この塔の部屋は不思議な魔法がかかっていて、洗脳が進めば進むほど部屋が下のフロアへと流れていく仕組みになってるんだ。そして骨の髄までカルバンに心酔したら本国に送られる。下のフロアの奴らももうそろそろだろう。中には俺と一緒にこの島に入った奴もいた」
レオンは下の階でボーッと天井を眺めている人々を思い出す。
自分もいずれはああなる運命なのかと思うとゾッとした。
「洗脳?」
あまり使い慣れない単語にレオンは反応する。
「そう。ここではカルバン帝国の軍隊になる者を養成している。他国の奴もいる以上、カルバンに心酔させる必要があるんだ」
言われることはもっともだ。
たとえ軍隊として育てても自分の国のために働いてくれなければ意味がない。
「で、ここはそのための洗脳組織というわけだ」
ハイデンは色々と探りを入れているらしい。
丁寧に教えてくれる。
頼れる先輩だとレオンは感じた。
「でもハイデンはなんともないんですね?」
素直に疑問に思って聞いてみた。
「まぁ鍛練と精神力でなんとかね」
ハイデンは苦笑混じりに言った。
「母国に牙を剥く奴にはなりたくないって気持ちでなんとか平静を装ってるって感じかな?」
グッと手を握ると強い目をしてそう言ったハイデン。
なるほど。
レオンにそんな精神力かあるのか甚だ自信はないが。
レオンはさらに疑問をぶつけてみる。
「ちなみにここ、島なんですよね? 気がついたらこの建物の内部にいたのでどうやって来たのかとか、この島がどうなっているのかとか全く分からないんですが…。」
レオンはハイデンには何でも聞けるきがした。
「そうだな。ここはカルバン帝国の本土から船で数刻の場所にある。晴れた日は海の向こうに黒い大陸が見える。泳いではちょっと厳しいかなぁという程度の距離だが。」
そう言ってハイデンは窓の方に目をやる。
窓の外を巨大な鳥が通りすぎたのかさっと影が動いた。
「泳いで渡るのはやめといた方がいい。海に飛び込んだとたん、海洋性の巨大なモンスターにパクリといかれる。たまーにそういう奴もいるかな」
恐ろしいことをハイデンはさらっと言った。
脱走兵はいるんだ、しかも意外と結構頻繁に…。
レオンはそう思った。
ただ脱出は難しいらしい。
そう思うとレオンは気が重くなった。
それにしてもこの部屋に来るまでにかなりの数の部屋があった。
下から埋まっていくのなら、かなりの数の学生がいることになる。
クーデターなんかは起きないのだろうか?
さっきからハイデンは『洗脳』という言葉を使っている。
「洗脳ってなんだかマインドコントロールみたいですけど、なにか魔法でもかけられるんですか?」
下のフロアの人々は本当に生気のない目をしていた。
洗脳の結果あぁなるのだろうか?
「いや、魔法での洗脳は効き目に切れがあるから使われてないみたいだ。暴れる奴は魔法で補正するらしいが。」
そういえば、ライモンダは紫の炎をマヌーフ族の青年に向かって放っていた。
あぁいうことをして言うことを聞かせるのか、とレオンは考えた。
「そして、ここの洗脳で使われるのは…水だ。」
ハイデンはニッと笑って人差し指をたてた。
「古い言葉で『水があわない』なんて言うだろ? この国では水で人を支配するんだ。水が『あう』『あわない』じゃなくて、『あわさせる』のがこの国のやり方なんだ」
ハイデンの説明にレオンはキョトンとする。
水でどうやって人を支配するのだろう。
レオンにはこのときハイデンの言う意味がわからずにいた。
その時、ガラーンゴローンと、重々しい鐘の音が響き渡った。
「食事の時間か。レオン、行こうか」
ハイデンはそう言って歩き始めたが、ふと何かを思い出したのか、すぐに立ち止まった。
慌てて追いかけたレオンは鼻先をぶつけそうになった。
「そういえばレオンはカルバンの料理を食べたことあるか?」
レオンは首を横にふる。
「だったら気を付けろ。さっき言った水の話とも関係するんだが、ここの料理は基本的に辛い。特にメインディッシュに出てくる肉にかかっている真っ赤なソースには要注意だ。俺の母国も大概食べ物は辛いものが多いが、ここのは半端じゃない。辛いものを食うと水が飲みたくなるだろう。ここの水は洗脳水と呼ばれていて、がぶがぶ飲む奴ほど洗脳は早いと思う。水は地下から井戸で引いているみたいだから、どの水を飲んでも同じだろう。どうやらこの島独自の水脈で、恐らく離れ小島にわざわざこの施設を作ったのも、地下水の成分の関係だろう。ここでは極力水を飲まない方がいい。仲間にも教えておいてやるんだ」
ハイデンはそう言ってまた歩き始めた。
「洗脳水…」
レオンは薬師の端くれとしては魔法ではない得体の知れないものの中身には興味がわく。
機会があれば調べてみたいものだ。
そう思いながらレオンはハイデンの後を追った。
*****
部屋を出たところでダンたちが待っていた。
階段を降りながらそれぞれの同居人を紹介する。
ダンの同居人の名前はパブロ。
レオンたちと同じくアラベスクの出身で、東側のブラームの町から来たそうだ。
大柄で、肩や腕はハムのようだ。
体術と呼ばれる素手で戦う能力に長けているそうで、相手の力を逆に利用することで敵を倒すのだそうだ。
歳はレオンのひとつ上、19歳。
無口、無表情。
悪い人ではなさそうだが、極度の人見知りなのだそうだ。
「こんにちは」と言ったレオンにも微かに顎を動かしただけたった。
いずれは仲良くなれるだろうか…、とレオンは思った。
アンナの同居人はジライヤ。
マヌーフ族の用心棒をしていたアラベスク人。
トクラの町でレオンたちが見た奴隷商人に誘拐されていったうちの一人だとレオンもダンはすぐに気づいた。
背が高く、ふくらはぎはきゅっと引き締まり、シャープな顎のラインが強者の武人のオーラを放っている。
パブロもそうだが、ジライヤも強そうだ。
女性なので歳は言わないし聞かないが20代中盤から後半と言ったところか。
ツンとしてにこりともしない。
これは人見知りではなく、一匹狼タイプという人種だとレオンは肌で感じた。
サラの同居人はマリアという女性。
小柄で柔らかな笑顔を見せてくれる今のところもっとも取っつきやすそうな印象だ。
ハイデンとも顔見知りらしい。
アルカマウラというのも同じ。
癒し系のオーラを放つ美人だ。
歳もレオンたちと近い。
何となく「まともな人」という印象でほっとする。
さらさらの黒髪を揺らしながら「よろしくお願いします」と笑いかける。
レオンも何となく微笑みを返した
最後にレオンがハイデンを紹介した。
というよりもハイデンは自分で自己紹介をする。
ハイデンはダンと同い年。
それがわかるとダンは気安く話始めた。
ハイデンも笑顔で応じるが、後ろから見ているとわかる。
あれはまだダンのことを信じているわけではなさそうだ。
もちろんレオンに対してもそうなんだろうが…。
こうして客観的に見ると、ダンって本当に開けっ広げでそんなに口数は多い方ではないけれど、明るい。
ハイデンは暗いわけではないけれど、クールでダンとは対照的な印象だ。
それぞれ新たな仲間を紹介すると、1階まで降りてきた。
グリフィンの取っ手のついた大きな扉は両側に開かれ、中は先程はなかった長いテーブルと椅子が3列並んでいた。
鐘が鳴ってからそれほど時間はたっていないが、座席は半数ほど埋まっている。
気がつくとまたレオンの指から金の糸が出ている。
座る席が決まっているらしい。
糸にしたがってそれぞれが決まった席についた。
隣がサラとダン。
正面がハイデンだ。
テーブルにはアラベスクとは違って見るからに大味そうな、山盛りの料理が並んでいた。
席についてしばらく待つと、正面のステージにライモンダが姿を現した。
ハイデンは呟くように言った。
「明けても暮れても肉体の鍛練。今日は週に一度の安息日だが、それでも朝早く日の出前から集められて体力作りだの武器の手入れだの。アルカマウラはどうか分からんがスルガトラスは一日中あらゆる武道や武器の扱いを叩き込まれる」
ハイデンはそう言ってため息をついた。
よく見ると、ハイデンの身体にはいたるところに赤黒い痣があるし、生傷がたえないようだ。
「そしてだんだん感覚が麻痺してくるんだ。レオンも見ただろう。この塔の部屋は不思議な魔法がかかっていて、洗脳が進めば進むほど部屋が下のフロアへと流れていく仕組みになってるんだ。そして骨の髄までカルバンに心酔したら本国に送られる。下のフロアの奴らももうそろそろだろう。中には俺と一緒にこの島に入った奴もいた」
レオンは下の階でボーッと天井を眺めている人々を思い出す。
自分もいずれはああなる運命なのかと思うとゾッとした。
「洗脳?」
あまり使い慣れない単語にレオンは反応する。
「そう。ここではカルバン帝国の軍隊になる者を養成している。他国の奴もいる以上、カルバンに心酔させる必要があるんだ」
言われることはもっともだ。
たとえ軍隊として育てても自分の国のために働いてくれなければ意味がない。
「で、ここはそのための洗脳組織というわけだ」
ハイデンは色々と探りを入れているらしい。
丁寧に教えてくれる。
頼れる先輩だとレオンは感じた。
「でもハイデンはなんともないんですね?」
素直に疑問に思って聞いてみた。
「まぁ鍛練と精神力でなんとかね」
ハイデンは苦笑混じりに言った。
「母国に牙を剥く奴にはなりたくないって気持ちでなんとか平静を装ってるって感じかな?」
グッと手を握ると強い目をしてそう言ったハイデン。
なるほど。
レオンにそんな精神力かあるのか甚だ自信はないが。
レオンはさらに疑問をぶつけてみる。
「ちなみにここ、島なんですよね? 気がついたらこの建物の内部にいたのでどうやって来たのかとか、この島がどうなっているのかとか全く分からないんですが…。」
レオンはハイデンには何でも聞けるきがした。
「そうだな。ここはカルバン帝国の本土から船で数刻の場所にある。晴れた日は海の向こうに黒い大陸が見える。泳いではちょっと厳しいかなぁという程度の距離だが。」
そう言ってハイデンは窓の方に目をやる。
窓の外を巨大な鳥が通りすぎたのかさっと影が動いた。
「泳いで渡るのはやめといた方がいい。海に飛び込んだとたん、海洋性の巨大なモンスターにパクリといかれる。たまーにそういう奴もいるかな」
恐ろしいことをハイデンはさらっと言った。
脱走兵はいるんだ、しかも意外と結構頻繁に…。
レオンはそう思った。
ただ脱出は難しいらしい。
そう思うとレオンは気が重くなった。
それにしてもこの部屋に来るまでにかなりの数の部屋があった。
下から埋まっていくのなら、かなりの数の学生がいることになる。
クーデターなんかは起きないのだろうか?
さっきからハイデンは『洗脳』という言葉を使っている。
「洗脳ってなんだかマインドコントロールみたいですけど、なにか魔法でもかけられるんですか?」
下のフロアの人々は本当に生気のない目をしていた。
洗脳の結果あぁなるのだろうか?
「いや、魔法での洗脳は効き目に切れがあるから使われてないみたいだ。暴れる奴は魔法で補正するらしいが。」
そういえば、ライモンダは紫の炎をマヌーフ族の青年に向かって放っていた。
あぁいうことをして言うことを聞かせるのか、とレオンは考えた。
「そして、ここの洗脳で使われるのは…水だ。」
ハイデンはニッと笑って人差し指をたてた。
「古い言葉で『水があわない』なんて言うだろ? この国では水で人を支配するんだ。水が『あう』『あわない』じゃなくて、『あわさせる』のがこの国のやり方なんだ」
ハイデンの説明にレオンはキョトンとする。
水でどうやって人を支配するのだろう。
レオンにはこのときハイデンの言う意味がわからずにいた。
その時、ガラーンゴローンと、重々しい鐘の音が響き渡った。
「食事の時間か。レオン、行こうか」
ハイデンはそう言って歩き始めたが、ふと何かを思い出したのか、すぐに立ち止まった。
慌てて追いかけたレオンは鼻先をぶつけそうになった。
「そういえばレオンはカルバンの料理を食べたことあるか?」
レオンは首を横にふる。
「だったら気を付けろ。さっき言った水の話とも関係するんだが、ここの料理は基本的に辛い。特にメインディッシュに出てくる肉にかかっている真っ赤なソースには要注意だ。俺の母国も大概食べ物は辛いものが多いが、ここのは半端じゃない。辛いものを食うと水が飲みたくなるだろう。ここの水は洗脳水と呼ばれていて、がぶがぶ飲む奴ほど洗脳は早いと思う。水は地下から井戸で引いているみたいだから、どの水を飲んでも同じだろう。どうやらこの島独自の水脈で、恐らく離れ小島にわざわざこの施設を作ったのも、地下水の成分の関係だろう。ここでは極力水を飲まない方がいい。仲間にも教えておいてやるんだ」
ハイデンはそう言ってまた歩き始めた。
「洗脳水…」
レオンは薬師の端くれとしては魔法ではない得体の知れないものの中身には興味がわく。
機会があれば調べてみたいものだ。
そう思いながらレオンはハイデンの後を追った。
*****
部屋を出たところでダンたちが待っていた。
階段を降りながらそれぞれの同居人を紹介する。
ダンの同居人の名前はパブロ。
レオンたちと同じくアラベスクの出身で、東側のブラームの町から来たそうだ。
大柄で、肩や腕はハムのようだ。
体術と呼ばれる素手で戦う能力に長けているそうで、相手の力を逆に利用することで敵を倒すのだそうだ。
歳はレオンのひとつ上、19歳。
無口、無表情。
悪い人ではなさそうだが、極度の人見知りなのだそうだ。
「こんにちは」と言ったレオンにも微かに顎を動かしただけたった。
いずれは仲良くなれるだろうか…、とレオンは思った。
アンナの同居人はジライヤ。
マヌーフ族の用心棒をしていたアラベスク人。
トクラの町でレオンたちが見た奴隷商人に誘拐されていったうちの一人だとレオンもダンはすぐに気づいた。
背が高く、ふくらはぎはきゅっと引き締まり、シャープな顎のラインが強者の武人のオーラを放っている。
パブロもそうだが、ジライヤも強そうだ。
女性なので歳は言わないし聞かないが20代中盤から後半と言ったところか。
ツンとしてにこりともしない。
これは人見知りではなく、一匹狼タイプという人種だとレオンは肌で感じた。
サラの同居人はマリアという女性。
小柄で柔らかな笑顔を見せてくれる今のところもっとも取っつきやすそうな印象だ。
ハイデンとも顔見知りらしい。
アルカマウラというのも同じ。
癒し系のオーラを放つ美人だ。
歳もレオンたちと近い。
何となく「まともな人」という印象でほっとする。
さらさらの黒髪を揺らしながら「よろしくお願いします」と笑いかける。
レオンも何となく微笑みを返した
最後にレオンがハイデンを紹介した。
というよりもハイデンは自分で自己紹介をする。
ハイデンはダンと同い年。
それがわかるとダンは気安く話始めた。
ハイデンも笑顔で応じるが、後ろから見ているとわかる。
あれはまだダンのことを信じているわけではなさそうだ。
もちろんレオンに対してもそうなんだろうが…。
こうして客観的に見ると、ダンって本当に開けっ広げでそんなに口数は多い方ではないけれど、明るい。
ハイデンは暗いわけではないけれど、クールでダンとは対照的な印象だ。
それぞれ新たな仲間を紹介すると、1階まで降りてきた。
グリフィンの取っ手のついた大きな扉は両側に開かれ、中は先程はなかった長いテーブルと椅子が3列並んでいた。
鐘が鳴ってからそれほど時間はたっていないが、座席は半数ほど埋まっている。
気がつくとまたレオンの指から金の糸が出ている。
座る席が決まっているらしい。
糸にしたがってそれぞれが決まった席についた。
隣がサラとダン。
正面がハイデンだ。
テーブルにはアラベスクとは違って見るからに大味そうな、山盛りの料理が並んでいた。
席についてしばらく待つと、正面のステージにライモンダが姿を現した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない
しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30)
小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。
ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。
それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。
そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。
とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。
ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。
冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。
今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。
「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」
降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決!
面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。
これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。
巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!
姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰しのための奮闘が賞賛される流れに~
果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨムでも公開しています。カクヨムでのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。
独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~
さとう
ファンタジー
町の電気工事士であり、なんでも屋でもある織田玄徳は、仕事をそこそこやりつつ自由な暮らしをしていた。
結婚は人生の墓場……父親が嫁さんで苦労しているのを見て育ったため、結婚して子供を作り幸せな家庭を作るという『呪いの言葉』を嫌悪し、生涯独身、自分だけのために稼いだ金を使うと決め、独身生活を満喫。趣味の釣り、バイク、キャンプなどを楽しみつつ、人生を謳歌していた。
そんなある日。電気工事の仕事で感電死……まだまだやりたいことがあったのにと嘆くと、なんと異世界転生していた!!
これは、異世界で工務店の仕事をしながら、異世界で独身生活を満喫するおじさんの物語。
稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜
撫羽
ファンタジー
ある邸で秘密の会議が開かれていた。
そこに出席している3歳児、王弟殿下の一人息子。実は前世を覚えていた。しかもやり直しの生だった!?
どうしてちびっ子が秘密の会議に出席するような事になっているのか? 何があったのか?
それは生後半年の頃に遡る。
『ばぶぁッ!』と元気な声で目覚めた赤ん坊。
おかしいぞ。確かに俺は刺されて死んだ筈だ。
なのに、目が覚めたら見覚えのある部屋だった。両親が心配そうに見ている。
しかも若い。え? どうなってんだ?
体を起こすと、嫌でも目に入る自分のポヨンとした赤ちゃん体型。マジかよ!?
神がいるなら、0歳児スタートはやめてほしかった。
何故だか分からないけど、人生をやり直す事になった。実は将来、大賢者に選ばれ魔族討伐に出る筈だ。だが、それは避けないといけない。
何故ならそこで、俺は殺されたからだ。
ならば、大賢者に選ばれなければいいじゃん!と、小さな使い魔と一緒に奮闘する。
でも、それなら魔族の問題はどうするんだ?
それも解決してやろうではないか!
小さな胸を張って、根拠もないのに自信満々だ。
今回は初めての0歳児スタートです。
小さな賢者が自分の家族と、大好きな婚約者を守る為に奮闘します。
今度こそ、殺されずに生き残れるのか!?
とは言うものの、全然ハードな内容ではありません。
今回も癒しをお届けできればと思います。
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる