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第二章 アラベスク王国
試練の洞窟 第三層
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第三層。
少しだけ休憩したレオンたちは行動を再開した。
扉の魔法を解くと周りをよく確認して外に出る。
外に出るとムッとする空気に一同眉を潜めた。
慌てて駆け込んだので初めは気づかなかったが、第三層は今までのフロアとは段違いに違うものがある。
それは温度だ。
「それにしても暑いな…。それにいったいこの洞窟、地下何階まであるんだ?」
ダンは汗を拭いながらうんざりと感じで呟いた。
レオンも吹き出すような汗を拭いながら辺りを見回した。
それにしても暑い。
第三層は炎のエリアのようだ。
「一応一番最下層の第五層に古の祭壇があって、そこに王家の紋章が祀られるって話だぜ。ホントかどうかは知らんがな」
クルトが暑さに荒い息をしながら答える。
あと2フロア。
まだ半分を少し過ぎた辺りということか。
早くヘンリー王子が王家の紋章を見つけてくれないかなぁ…
レオンは正直そう思っていた。
「よし!そろそろ行くか!」
意を決したようにダンが歩き始めた。
「僕たちの役目はそもそもヘンリー王子様たちの補助だし、今のところまだ目立って役に立てていないからね」
レオンもそれを聞いて元気を装う。
もちろん空元気だが。
「まっ、カムイを足止めできたのは一つ働いたけどな。」
クルトがにやっと笑うとレオンの方を見た。
ただ相手を倒したわけではないので、油断はできない。
あんな相手が後二人もいるのだ。
束で来られてはひとたまりもない。
レオンは暑くて仕方ないのにふるりと震えが走るのを感じた。
地下3階は天井が比較的高く、だだっ広いフロアだ。
遥か遠くにだがゴールが見えている。
が、途中にはマグマがクツクツと煮えるようにわき出ていたり、突然火柱が上がったり。
そこに火系のモンスターまで現れるのでなかなか前に進めない。
なんの前触れもなく起こる火柱にクルトは服の裾を焦がし、ダンは軽い火傷をおった。
ダメージを受ける度に薬草を使って回復を施すが、進むそばからダメージを受けるのできりがない。
薬草のストックも気にしなければならないことを考えると今後のことも含めて楽観できない状況になってきた。
そんな時に泣きっ面に蜂のような状況。
面倒なモンスターと遭遇したレオンたち。
今までとは段違いに強力なモンスター、ベビードラゴンだ。
ドラゴンの子どもで、ダンより一回り大きいくらい。
ただ、モンスターの代名詞とも言えるドラゴン。
吐き出す炎は小さくても強力だ。
小さいが翼もちゃんとある。
しかもレオンみたいに非力なものでは相手の鎧のような鱗に傷をつけることすら難しい。
ドラゴン系は総じて炎に耐性があるものが多いので、火の魔法を得意としているアンナは相性がよくない。
かなり面倒な相手だ。
さぁどうしたものか。
そう考えたレオン。
その時。
「そろそろ俺の出番かな?」
そう言うと、クルトがズイと前に出た。
首と手首をコキコキとならすと、今回初めて前に出てきたクルト。
「少しは俺も役に立たないとな!」
そう言うと、クルトは無言で手をかざした。
次の瞬間、クルトの手から紫色の煙が吹き出した。
渦巻きながらドラゴンに向かっていく煙はドラゴンをあっという間に包み込んだ。
「??」
不思議そうに様子を見守るレオン。
次の瞬間、ドラゴンは苦しそうに身もだえをしはじめた。
「毒?」
レオンは思わずクルトを見た。
「大正解!ダン!今がチャンスだ!」
クルトはダンに合図を送る。
ドラゴンは目に見えて苦しそうにしている。
どうやら毒の霧を吹きかけたようだ。
動きが目に見えて鈍くなるドラゴン。
クルトの合図にダンは親指を立てて答えると軽快に飛び出した。
「かしこまりましたー!」
ダンはそのまま高く飛び上がるとドラゴンの遥か上の位置から飛び膝蹴りをドラゴンの眉間にお見舞いした。
ぐぇぇぇぇーーー!!!
ドラゴンは苦悶の声をあげ、そのままノックダウン。
再び動くことはなかった。
「すごいな!クルト王子の毒。俺が蹴りをかました時には、もう息があったかどうか…」
ダンが汗を拭って言う。
「まっ、俺も王位継承者だからな。ちょっとは活躍しないと」
軽口を叩くクルトだが、彼の魔法の実力も確かなようだとレオンは再認識したのだった。
なんなくドラゴンを倒した後、かなり回り道を強いられて下のフロアへ続く階段にたどり着いた頃にはもうみんなへとへとだった。
暑さで疲労はピークに達している。
さっき舐めた薬草飴。
気休めかもしれないが役には立ったのではないかとレオンは少し安堵した。
「あともうちょっと、頑張ろうぜ!」
クルトが自分にも言い聞かせるようにそう言って、みんなを鼓舞する。
みんなも疲れた目はしているが、強く頷いた。
「ここを降りれば第四層。いよいよゴールが近づいてきたな!」
ダンが指差す先には下りの階段が。
へとへとたったが、鉛のような足を前に前に。
何とか第三層をクリアしたレオンたち一行であった。
*****
レオンたちが第三層でドラゴンと戦っているちょうどその頃。
もうひとつしたの第四層では、ヘンリーたち一行が歩を進めていた。
「モンスターたちも強くなってきているが、気になるのは…」
ヘンリー王子が振り返るとすぐ後ろを歩いていたマックスが頷く。
「クルト様たちのことですね?」
「やはりマックスも気になっていたか?」
「えぇ。彼らについているレオンとダンはまぁまだ粗削り。建前上、我々の援護と言う形をとっていますが、実質は力的にここまでたどり着くのも困難。彼らの身に危険が及んでいはしないかが正直、心配です」
マックスも心配そうに振り返る。
「ただ俺たちも油断はできない。さっきから変な匂いがするの、気が付かないか?」
マックスの横を歩くアランが辺りを警戒しながら呟く。
「あぁ、気づいているとも。魔法薬の匂いだ」
クロンも辺りを油断なく警戒しながら小声で言った。
「花から作る魔法薬。恐らくフラウだな」
マックスはクリスの仲間であるフラウが「花の幻影師」と呼ばれていることを言っている。
「昨夜の毒矢の件、聞いてるか?」
ヘンリー王子が口を挟む。
「いいえ。何かあったのですか?」
アランが首をかしげたのを見て、ヘンリーは昨夜の出来事を手短に話した。
「そんなことが…」
マックスも動揺はしなかったが、表情を曇らせる。
「ムラサキユリの毒矢を使う辺り、何か臭うよな?」
クロンは鼻をひくひくさせる。
「そしてちょっと匂い、キツすぎないか?」
眉を潜めるアラン。
もう知らん顔をするのも限界に来た。
さっきからむせ返るような花を乾燥させて燃やしたお香の匂いが充満している。
「幻惑の香…。ケシの花だな?」
「これで歩を遅らせようって魂胆か?」
「そろそろ姿を見せたらどうだ?」
ヘンリーの従者三人がヘンリーを取り囲むように前に出た時だ。
物陰から件の匂いの発生源、「花の戦士」を称するフラウが姿を見せた。
「あーら、幻惑に陥る前に気づかれるとは、まだまだ私も修行が足りないようねー?」
そう言って悪びれる様子もなく姿を見せた女戦士。
クリスの従者の一人、フラウだ。
ピンクブロンドのロングヘアー。
目元の涼しいクールビューティー。
しかし腰に差した剣は今まで何人もの人を殺めてきた百戦錬磨の妖刀だ。
「花の戦士」またの名を「妖艶な殺し屋」。
魔法と植物の知識、更には医学にも精通する博学才色兼備のフラウ。
ただそこには猟奇的な何かを感じさせる。
「別にあなたたちをどうこうしようって気はないの。ただちょっと邪魔させてもらうわよ!」
そう言うと、何やら怪しげな呪文を練りはじめたフラウ。
手からサラサラと蝶の鱗粉のようなものが巻き起こった。
「厄介だな。痺れ粉か!?」
と、マックスが言い終わるか言い終わらないうちに、素早く動く者がいた。
「させるか!」
アランが懐からダーツを取り出して数本投げた。
手を離れるのと同時に必中の呪文をかけているので、アランの放つダーツはまがうことなくフラウへ一直線。
フラウは軽く手を払ってダーツを叩き落としたが、魔法は阻止されてしまった。
「くっ!こざかしい真似をなさるのね」
フラウは本気ではないがカチンとはきたようだ。
ヘンリーたちを睨む。
「こっちもなりふり構ってられるほど余裕はないんでね」
「ただ、お前一人ならこっちが本気を出せばわけないこともわかるよな?」
クロンとマックスが剣を抜いて前に出た。
少しだけ休憩したレオンたちは行動を再開した。
扉の魔法を解くと周りをよく確認して外に出る。
外に出るとムッとする空気に一同眉を潜めた。
慌てて駆け込んだので初めは気づかなかったが、第三層は今までのフロアとは段違いに違うものがある。
それは温度だ。
「それにしても暑いな…。それにいったいこの洞窟、地下何階まであるんだ?」
ダンは汗を拭いながらうんざりと感じで呟いた。
レオンも吹き出すような汗を拭いながら辺りを見回した。
それにしても暑い。
第三層は炎のエリアのようだ。
「一応一番最下層の第五層に古の祭壇があって、そこに王家の紋章が祀られるって話だぜ。ホントかどうかは知らんがな」
クルトが暑さに荒い息をしながら答える。
あと2フロア。
まだ半分を少し過ぎた辺りということか。
早くヘンリー王子が王家の紋章を見つけてくれないかなぁ…
レオンは正直そう思っていた。
「よし!そろそろ行くか!」
意を決したようにダンが歩き始めた。
「僕たちの役目はそもそもヘンリー王子様たちの補助だし、今のところまだ目立って役に立てていないからね」
レオンもそれを聞いて元気を装う。
もちろん空元気だが。
「まっ、カムイを足止めできたのは一つ働いたけどな。」
クルトがにやっと笑うとレオンの方を見た。
ただ相手を倒したわけではないので、油断はできない。
あんな相手が後二人もいるのだ。
束で来られてはひとたまりもない。
レオンは暑くて仕方ないのにふるりと震えが走るのを感じた。
地下3階は天井が比較的高く、だだっ広いフロアだ。
遥か遠くにだがゴールが見えている。
が、途中にはマグマがクツクツと煮えるようにわき出ていたり、突然火柱が上がったり。
そこに火系のモンスターまで現れるのでなかなか前に進めない。
なんの前触れもなく起こる火柱にクルトは服の裾を焦がし、ダンは軽い火傷をおった。
ダメージを受ける度に薬草を使って回復を施すが、進むそばからダメージを受けるのできりがない。
薬草のストックも気にしなければならないことを考えると今後のことも含めて楽観できない状況になってきた。
そんな時に泣きっ面に蜂のような状況。
面倒なモンスターと遭遇したレオンたち。
今までとは段違いに強力なモンスター、ベビードラゴンだ。
ドラゴンの子どもで、ダンより一回り大きいくらい。
ただ、モンスターの代名詞とも言えるドラゴン。
吐き出す炎は小さくても強力だ。
小さいが翼もちゃんとある。
しかもレオンみたいに非力なものでは相手の鎧のような鱗に傷をつけることすら難しい。
ドラゴン系は総じて炎に耐性があるものが多いので、火の魔法を得意としているアンナは相性がよくない。
かなり面倒な相手だ。
さぁどうしたものか。
そう考えたレオン。
その時。
「そろそろ俺の出番かな?」
そう言うと、クルトがズイと前に出た。
首と手首をコキコキとならすと、今回初めて前に出てきたクルト。
「少しは俺も役に立たないとな!」
そう言うと、クルトは無言で手をかざした。
次の瞬間、クルトの手から紫色の煙が吹き出した。
渦巻きながらドラゴンに向かっていく煙はドラゴンをあっという間に包み込んだ。
「??」
不思議そうに様子を見守るレオン。
次の瞬間、ドラゴンは苦しそうに身もだえをしはじめた。
「毒?」
レオンは思わずクルトを見た。
「大正解!ダン!今がチャンスだ!」
クルトはダンに合図を送る。
ドラゴンは目に見えて苦しそうにしている。
どうやら毒の霧を吹きかけたようだ。
動きが目に見えて鈍くなるドラゴン。
クルトの合図にダンは親指を立てて答えると軽快に飛び出した。
「かしこまりましたー!」
ダンはそのまま高く飛び上がるとドラゴンの遥か上の位置から飛び膝蹴りをドラゴンの眉間にお見舞いした。
ぐぇぇぇぇーーー!!!
ドラゴンは苦悶の声をあげ、そのままノックダウン。
再び動くことはなかった。
「すごいな!クルト王子の毒。俺が蹴りをかました時には、もう息があったかどうか…」
ダンが汗を拭って言う。
「まっ、俺も王位継承者だからな。ちょっとは活躍しないと」
軽口を叩くクルトだが、彼の魔法の実力も確かなようだとレオンは再認識したのだった。
なんなくドラゴンを倒した後、かなり回り道を強いられて下のフロアへ続く階段にたどり着いた頃にはもうみんなへとへとだった。
暑さで疲労はピークに達している。
さっき舐めた薬草飴。
気休めかもしれないが役には立ったのではないかとレオンは少し安堵した。
「あともうちょっと、頑張ろうぜ!」
クルトが自分にも言い聞かせるようにそう言って、みんなを鼓舞する。
みんなも疲れた目はしているが、強く頷いた。
「ここを降りれば第四層。いよいよゴールが近づいてきたな!」
ダンが指差す先には下りの階段が。
へとへとたったが、鉛のような足を前に前に。
何とか第三層をクリアしたレオンたち一行であった。
*****
レオンたちが第三層でドラゴンと戦っているちょうどその頃。
もうひとつしたの第四層では、ヘンリーたち一行が歩を進めていた。
「モンスターたちも強くなってきているが、気になるのは…」
ヘンリー王子が振り返るとすぐ後ろを歩いていたマックスが頷く。
「クルト様たちのことですね?」
「やはりマックスも気になっていたか?」
「えぇ。彼らについているレオンとダンはまぁまだ粗削り。建前上、我々の援護と言う形をとっていますが、実質は力的にここまでたどり着くのも困難。彼らの身に危険が及んでいはしないかが正直、心配です」
マックスも心配そうに振り返る。
「ただ俺たちも油断はできない。さっきから変な匂いがするの、気が付かないか?」
マックスの横を歩くアランが辺りを警戒しながら呟く。
「あぁ、気づいているとも。魔法薬の匂いだ」
クロンも辺りを油断なく警戒しながら小声で言った。
「花から作る魔法薬。恐らくフラウだな」
マックスはクリスの仲間であるフラウが「花の幻影師」と呼ばれていることを言っている。
「昨夜の毒矢の件、聞いてるか?」
ヘンリー王子が口を挟む。
「いいえ。何かあったのですか?」
アランが首をかしげたのを見て、ヘンリーは昨夜の出来事を手短に話した。
「そんなことが…」
マックスも動揺はしなかったが、表情を曇らせる。
「ムラサキユリの毒矢を使う辺り、何か臭うよな?」
クロンは鼻をひくひくさせる。
「そしてちょっと匂い、キツすぎないか?」
眉を潜めるアラン。
もう知らん顔をするのも限界に来た。
さっきからむせ返るような花を乾燥させて燃やしたお香の匂いが充満している。
「幻惑の香…。ケシの花だな?」
「これで歩を遅らせようって魂胆か?」
「そろそろ姿を見せたらどうだ?」
ヘンリーの従者三人がヘンリーを取り囲むように前に出た時だ。
物陰から件の匂いの発生源、「花の戦士」を称するフラウが姿を見せた。
「あーら、幻惑に陥る前に気づかれるとは、まだまだ私も修行が足りないようねー?」
そう言って悪びれる様子もなく姿を見せた女戦士。
クリスの従者の一人、フラウだ。
ピンクブロンドのロングヘアー。
目元の涼しいクールビューティー。
しかし腰に差した剣は今まで何人もの人を殺めてきた百戦錬磨の妖刀だ。
「花の戦士」またの名を「妖艶な殺し屋」。
魔法と植物の知識、更には医学にも精通する博学才色兼備のフラウ。
ただそこには猟奇的な何かを感じさせる。
「別にあなたたちをどうこうしようって気はないの。ただちょっと邪魔させてもらうわよ!」
そう言うと、何やら怪しげな呪文を練りはじめたフラウ。
手からサラサラと蝶の鱗粉のようなものが巻き起こった。
「厄介だな。痺れ粉か!?」
と、マックスが言い終わるか言い終わらないうちに、素早く動く者がいた。
「させるか!」
アランが懐からダーツを取り出して数本投げた。
手を離れるのと同時に必中の呪文をかけているので、アランの放つダーツはまがうことなくフラウへ一直線。
フラウは軽く手を払ってダーツを叩き落としたが、魔法は阻止されてしまった。
「くっ!こざかしい真似をなさるのね」
フラウは本気ではないがカチンとはきたようだ。
ヘンリーたちを睨む。
「こっちもなりふり構ってられるほど余裕はないんでね」
「ただ、お前一人ならこっちが本気を出せばわけないこともわかるよな?」
クロンとマックスが剣を抜いて前に出た。
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