29 / 57
第二章 アラベスク王国
黒幕
しおりを挟む
手早く傷の手当てをする。
傷を清潔な布で押さえて汚れを取ると、薬草の絞り汁を傷に振りかけた。
少し毒に犯されているようなので毒消しの処置も施す。
「レオンってそんなこともできるんだな」
迷いなく介抱するレオンの手際のよさにクルトは感心したように言った。
「伯父に仕込まれたんです。王子も必要あらばいつでもどうぞ」
レオンはそう言って笑う。
クルトの苦笑をちらりと見ながら、それでも手は素早く動き続け、あっという間に手当ては完了した。
「で、何があったんだ?」
レオンはポックに聞く。
「実は…」
ポックは天井裏の出来事を手短に説明した。
レオンは通訳する。
「なるほど。じゃあ黒幕はクリス陣営の人間ということね。あなたたちのお陰でそれははっきりしたわね。大きな収穫よ」
ベスはそう言ってポックを撫でる。
ポックは喉をならして気持ち良さそうに目を細めた。
だが安心もしていられない。
相手は次の一手を投じてくるはずだ。
「さて、これからどうするかですね」
ダンがクルトを見る。
「そのクリス王子を含む誰が糸を引いているのか…ですよね」
アンナが皆を見回す。
「下のフロアには5人の男がいた。話の内容から察するにリーダー格の奴がいる」
ポックが言った。
「恐らくフロローでしょう」
背後から声がした。
レオンが振り返ると、さっきまでベッドで眠っていたティルが起き上がってこちらにひらりと歩いてきた。
「怪我を治していただき、感謝します」
ティルはレオンに向かってペコリと頭を下げた。
レオンもおずおずとお辞儀を返す。
ティルはしなやかな動きでテーブルから飛び降りると、こちらへそろそろとやって来た。
「あのメンバーから考えるに、主犯はフロローかと。後はただの腰巾着だと思うわ。」
ティルはレオンたちを見上げるとそう言った。
「フロロー?」
レオンが呟くと、
「フロロー!」
と、ベスとクルトが半ば叫ぶように言った。
誰だかわからないレオンとやっぱりかというクルトとベスの声が重なる。
「フロローとは?」
やはり分からないダンが二人に聞いた。
「フロローはクリス王子の側近。もっとも発言力のある従者の一人よ。フロローが背後にいるのなら厄介ね」
ベスは考える目になる。
「魔法も使えて魔物との会話も可能っていうのもそうだけれど、何よりフロローは私たちのおじいさま、グランベス国王の従者だったの。そしてクリス王子の母親エストリア王妃の兄でもある」
なるほど、かなり長い間、アラベスク王国に仕えている実力者ということになる。
確かに厄介な相手が背後にいることがレオンにも分かった。
「さて、こちらから何か出きることは?」
ダンが首をかしげて言う。
「ポックやティルの証言だけではまだ証拠不十分ね。それにフロローが背後にいるのであれば相当大きな一派がこの件に絡んでいると考えられるわ。私たちだけで対処するのにはちょっと荷が重すぎる」
ベスがため息をつく。
「だからといってこのまま手をこまねいていては事態は悪化の一途。何とかしないといけませんね」
レオンがそう言うと、アンナも神妙な顔でレオンの発言を聞いている。
「ヘンリー兄さんに助けを求めるか?」
クルトが言うとベスも頷く。
「そうね。それが一番の近道な気がする。ただ、その事が相手方にばれないとも限らない。やるなら迅速かつ慎重に。とりあえずここからいち早く退散しましょう。ことがばれるのも時間の問題よ。相手はこちらがここまで情報を握っているとは思っていないでしょうから、何事もないような素振りをすればばれない。ただ、アンナね。問題は…」
そう言ってベスはアンナを見る。
「城の中でかくまうのも難しいし、だからといって家に帰すのも危ない気がするわ」
うーんと唸る一同。
打開策を見出だしたのはアンナ自身だった。
「あっ、それならこんなのどうかしら!」
アンナは少し思案したあと、自分に魔法をかける。
光の粉がアンナを包み込むと、そこにはアンナとは全く違う別人がいた。
「変化術か!?」
クルトは感心したようにアンナを見る。
レオンは唖然とした。
目の前にはアンナではなく、メイド姿をした女性。
小太りでブロンドヘアの女性に化けたアンナは見た目だけではなく声まで少し違う。
「これでベス王女様のメイドとして潜り込むのです」
アンナの提案にクルトも驚きを隠せない。
「アンナ…でも、それ…あまりに危険すぎないか?」
そう言ったクルトに首を降ると、
「でも家に帰ってなにもせずに怯えているなんて私にはできないわ」
きっぱりとした口調でそう言った。
「これで、一緒にヘンリー王子のところにい行きましょう」
そう言うと、アンナは城内へ歩を進めた。
「気の強い令嬢様だ」
ダンは半ば呆れたように言うと、アンナの後を追う。
レオンたちもそれ以上の説得は諦めて、アンナの案に乗ることにした。
*****
「ヘンリー王子。クルト王子とベス王女がご面会を希望されています。いかがなさいますか?」
年配の執事がヘンリー王子にお伺いをたてる。
「あぁ。通せ」
短くそれだけ言う。
日頃から表向きは不仲を演じているため、てきるだけ素っ気なく、なるだけ冷淡に。
執事が出ていくと、
「あいつら、普段から気を付けろといっているのに…」
と小さく舌打ちをしてため息をついた。
日頃からヘンリーはクルトとの接触を出きるかぎり避けていた。
事の全容が見えない今、不用意な接触は波紋に繋がりかねない。
ヘンリーも何もせずに手をこまねいているわけではない。
ティルからは逐一報告を受けていた。
今日はいつもならティルが帰ってくる時間だがまだ帰ってこないことをいぶかしんでいた。
探しにいくべきか?
そう思った矢先のクルトたちの訪問。
何かあったのだろう。
ヘンリーは仕事机に積み上がった大量の書類にチラッと目をやり、傍の冷めた紅茶をひとくち口に含んだ。
その時、「クルト様!!困ります!!」と半ば発狂するような執事と共にクルトたちが入ってきた。
ベスとクルトの新しい従者、レオンとダン、更には見慣れないメイドまでいる。
雪崩のように飛び込んできたクルトたちは、「兄上!」慌てた様子で咳き込むように話を続けようとする。
そんな風に慌てたヘンリーはクルトをできるだけ冷たくあしらうように手を上げて制止する。
そしてできるだけ表情がでないように手近なソファーへいざなう。
執事を外にやると怪しまれるだろうか?
一瞬そんな気がよぎった。
が、この場に執事を残しておくのはいささか不安があった。
何人か気のおけない家来はいるが、この執事はいまいち読めないところがあった。
一瞬だけ逡巡したヘンリーは、執事には一束の書類を手渡し、父王に持っていくように命じた。
本当にクラウドへ渡す書類だったので、あまり不自然には思われないだろう。
茶も茶菓子も必要ないと告げると、落ち着いた口調で執事を閉め出すことに成功した。
そしてゆっくりとクルトを見る。
執事が扉を完全に閉めたのを確認すると、
「で、何のようだ?出来るだけここには来るなと普段から言っているだろう?」
困ったような顔でそう言った。
憂いを帯びたヘンリー王子もビックリするくらい美しい。
レオンは見とれるような美形に呆気にとられた。
「申し訳ありません兄上。どうしてもお耳にいれたいことが…」
「私からご報告します。王子!」
クルトの言葉に重ねるようにして、前に出たのはティルだ。
ヘンリー王子もティルの言うことは当然だが分かるようだ。
レオンは固唾を飲んでティルの話す内容に耳を傾ける。
ティルの報告を聞き、表情を固くするヘンリー。
「なるほど、そんなことが…」
それだけ言うとヘンリー王子は眉間を親指と人差し指でつまむようにグリグリと押さえた。
苦悶に満ちた表情も実に絵になる。
もはや不謹慎だと思いながらも、レオンはヘンリー王子のそんな様子を見た。
傷を清潔な布で押さえて汚れを取ると、薬草の絞り汁を傷に振りかけた。
少し毒に犯されているようなので毒消しの処置も施す。
「レオンってそんなこともできるんだな」
迷いなく介抱するレオンの手際のよさにクルトは感心したように言った。
「伯父に仕込まれたんです。王子も必要あらばいつでもどうぞ」
レオンはそう言って笑う。
クルトの苦笑をちらりと見ながら、それでも手は素早く動き続け、あっという間に手当ては完了した。
「で、何があったんだ?」
レオンはポックに聞く。
「実は…」
ポックは天井裏の出来事を手短に説明した。
レオンは通訳する。
「なるほど。じゃあ黒幕はクリス陣営の人間ということね。あなたたちのお陰でそれははっきりしたわね。大きな収穫よ」
ベスはそう言ってポックを撫でる。
ポックは喉をならして気持ち良さそうに目を細めた。
だが安心もしていられない。
相手は次の一手を投じてくるはずだ。
「さて、これからどうするかですね」
ダンがクルトを見る。
「そのクリス王子を含む誰が糸を引いているのか…ですよね」
アンナが皆を見回す。
「下のフロアには5人の男がいた。話の内容から察するにリーダー格の奴がいる」
ポックが言った。
「恐らくフロローでしょう」
背後から声がした。
レオンが振り返ると、さっきまでベッドで眠っていたティルが起き上がってこちらにひらりと歩いてきた。
「怪我を治していただき、感謝します」
ティルはレオンに向かってペコリと頭を下げた。
レオンもおずおずとお辞儀を返す。
ティルはしなやかな動きでテーブルから飛び降りると、こちらへそろそろとやって来た。
「あのメンバーから考えるに、主犯はフロローかと。後はただの腰巾着だと思うわ。」
ティルはレオンたちを見上げるとそう言った。
「フロロー?」
レオンが呟くと、
「フロロー!」
と、ベスとクルトが半ば叫ぶように言った。
誰だかわからないレオンとやっぱりかというクルトとベスの声が重なる。
「フロローとは?」
やはり分からないダンが二人に聞いた。
「フロローはクリス王子の側近。もっとも発言力のある従者の一人よ。フロローが背後にいるのなら厄介ね」
ベスは考える目になる。
「魔法も使えて魔物との会話も可能っていうのもそうだけれど、何よりフロローは私たちのおじいさま、グランベス国王の従者だったの。そしてクリス王子の母親エストリア王妃の兄でもある」
なるほど、かなり長い間、アラベスク王国に仕えている実力者ということになる。
確かに厄介な相手が背後にいることがレオンにも分かった。
「さて、こちらから何か出きることは?」
ダンが首をかしげて言う。
「ポックやティルの証言だけではまだ証拠不十分ね。それにフロローが背後にいるのであれば相当大きな一派がこの件に絡んでいると考えられるわ。私たちだけで対処するのにはちょっと荷が重すぎる」
ベスがため息をつく。
「だからといってこのまま手をこまねいていては事態は悪化の一途。何とかしないといけませんね」
レオンがそう言うと、アンナも神妙な顔でレオンの発言を聞いている。
「ヘンリー兄さんに助けを求めるか?」
クルトが言うとベスも頷く。
「そうね。それが一番の近道な気がする。ただ、その事が相手方にばれないとも限らない。やるなら迅速かつ慎重に。とりあえずここからいち早く退散しましょう。ことがばれるのも時間の問題よ。相手はこちらがここまで情報を握っているとは思っていないでしょうから、何事もないような素振りをすればばれない。ただ、アンナね。問題は…」
そう言ってベスはアンナを見る。
「城の中でかくまうのも難しいし、だからといって家に帰すのも危ない気がするわ」
うーんと唸る一同。
打開策を見出だしたのはアンナ自身だった。
「あっ、それならこんなのどうかしら!」
アンナは少し思案したあと、自分に魔法をかける。
光の粉がアンナを包み込むと、そこにはアンナとは全く違う別人がいた。
「変化術か!?」
クルトは感心したようにアンナを見る。
レオンは唖然とした。
目の前にはアンナではなく、メイド姿をした女性。
小太りでブロンドヘアの女性に化けたアンナは見た目だけではなく声まで少し違う。
「これでベス王女様のメイドとして潜り込むのです」
アンナの提案にクルトも驚きを隠せない。
「アンナ…でも、それ…あまりに危険すぎないか?」
そう言ったクルトに首を降ると、
「でも家に帰ってなにもせずに怯えているなんて私にはできないわ」
きっぱりとした口調でそう言った。
「これで、一緒にヘンリー王子のところにい行きましょう」
そう言うと、アンナは城内へ歩を進めた。
「気の強い令嬢様だ」
ダンは半ば呆れたように言うと、アンナの後を追う。
レオンたちもそれ以上の説得は諦めて、アンナの案に乗ることにした。
*****
「ヘンリー王子。クルト王子とベス王女がご面会を希望されています。いかがなさいますか?」
年配の執事がヘンリー王子にお伺いをたてる。
「あぁ。通せ」
短くそれだけ言う。
日頃から表向きは不仲を演じているため、てきるだけ素っ気なく、なるだけ冷淡に。
執事が出ていくと、
「あいつら、普段から気を付けろといっているのに…」
と小さく舌打ちをしてため息をついた。
日頃からヘンリーはクルトとの接触を出きるかぎり避けていた。
事の全容が見えない今、不用意な接触は波紋に繋がりかねない。
ヘンリーも何もせずに手をこまねいているわけではない。
ティルからは逐一報告を受けていた。
今日はいつもならティルが帰ってくる時間だがまだ帰ってこないことをいぶかしんでいた。
探しにいくべきか?
そう思った矢先のクルトたちの訪問。
何かあったのだろう。
ヘンリーは仕事机に積み上がった大量の書類にチラッと目をやり、傍の冷めた紅茶をひとくち口に含んだ。
その時、「クルト様!!困ります!!」と半ば発狂するような執事と共にクルトたちが入ってきた。
ベスとクルトの新しい従者、レオンとダン、更には見慣れないメイドまでいる。
雪崩のように飛び込んできたクルトたちは、「兄上!」慌てた様子で咳き込むように話を続けようとする。
そんな風に慌てたヘンリーはクルトをできるだけ冷たくあしらうように手を上げて制止する。
そしてできるだけ表情がでないように手近なソファーへいざなう。
執事を外にやると怪しまれるだろうか?
一瞬そんな気がよぎった。
が、この場に執事を残しておくのはいささか不安があった。
何人か気のおけない家来はいるが、この執事はいまいち読めないところがあった。
一瞬だけ逡巡したヘンリーは、執事には一束の書類を手渡し、父王に持っていくように命じた。
本当にクラウドへ渡す書類だったので、あまり不自然には思われないだろう。
茶も茶菓子も必要ないと告げると、落ち着いた口調で執事を閉め出すことに成功した。
そしてゆっくりとクルトを見る。
執事が扉を完全に閉めたのを確認すると、
「で、何のようだ?出来るだけここには来るなと普段から言っているだろう?」
困ったような顔でそう言った。
憂いを帯びたヘンリー王子もビックリするくらい美しい。
レオンは見とれるような美形に呆気にとられた。
「申し訳ありません兄上。どうしてもお耳にいれたいことが…」
「私からご報告します。王子!」
クルトの言葉に重ねるようにして、前に出たのはティルだ。
ヘンリー王子もティルの言うことは当然だが分かるようだ。
レオンは固唾を飲んでティルの話す内容に耳を傾ける。
ティルの報告を聞き、表情を固くするヘンリー。
「なるほど、そんなことが…」
それだけ言うとヘンリー王子は眉間を親指と人差し指でつまむようにグリグリと押さえた。
苦悶に満ちた表情も実に絵になる。
もはや不謹慎だと思いながらも、レオンはヘンリー王子のそんな様子を見た。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
エンジェリカの王女
四季
ファンタジー
天界の王国・エンジェリカ。その王女であるアンナは王宮の外の世界に憧れていた。
ある日、護衛隊長エリアスに無理を言い街へ連れていってもらうが、それをきっかけに彼女の人生は動き出すのだった。
天使が暮らす天界、人間の暮らす地上界、悪魔の暮らす魔界ーー三つの世界を舞台に繰り広げられる物語。
著作者:四季 無断転載は固く禁じます。
※この作品は、2017年7月~10月に執筆したものを投稿しているものです。
※この作品は「小説カキコ」にも掲載しています。
※この作品は「小説になろう」にも掲載しています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
魔術師リュカと孤独の器 〜優しい亡霊を連れた少女〜
平田加津実
ファンタジー
各地を流れ歩く旅芸人のリュカは、訪れた小さな町で、亜麻色の髪をした自分好みの少女アレットを見かける。彼女は中世の貴族のような身なりの若い男と、やせ細った幼女、黒猫の三体の亡霊を連れていた。慌てて彼らを除霊しようとしたリュカは、亡霊たちを「友達だ」と言い張るアレットに面食らう。リュカは、黒猫の亡霊に彼女を助けてほしいと頼まれ、なりゆきで一人暮らしの彼女の家に泊まることに。彼女らの状況をなんとかしようとするリュカは、世間知らずで天然な彼女と、個性的な亡霊たちにふりまわされて……。
「魔術師ロラと秘された記憶」の主人公たちの血を引く青年のお話ですが、前作をお読みでない方でもお楽しみいただけます。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる