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第二章 アラベスク王国
天井裏情報網 後編
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「ベス王女がそれほどの魔法の使い手とは。そっちから片付けた方が…。」
「バカ言うな。あいつは武術も堪能ななかなかの手練れだ。下手を打てば返り討ちにあう」
「では、ど…どうする?」
物騒な話が繰り広げられている。
「クルト王子もまた厄介なやつを仲間に引き入れたもんだ」
「あぁ。魔相のあるボウズだろう? そばにいる大男も油断ならねぇ」
「あぁ。あの大男、マックスを本気にさせたって話だ。正面からかかれば厄介な相手になるだろう」
「あの魔相のボウズもかなり頭がキレると見てるぜ。クルトのバカだけじゃなく、ヘンリー王子やクラウド国王にもうまく取り入ってここに潜り込んでやがる」
「『一生懸命やってますー』って顔して、そのくせ言動も行動も落ち着き払ってて生け簀かねぇ。仕事もたったの五日でもう手慣れたもんだ」
「だがどうしたものだろう?一人一人は大したこと無さそうだが、それぞれが知ってか知らずか一人になるのは極力避けているように見える」
「こちらもうまくやらねば我々の計画が漏れる危険も出てくるだろう。それだけは避けなければ…」
「間違いないな。危ない芽は早いうちに摘んでおくべきだが…。」
下の男たちはレオンやダンの話もしている。
「大体わかったでしょう? こいつらが黒幕ね。そこにクリス王子自身がいたことは新たな収穫だったわ」
ティルはそう呟くと、
「この下には5人の男たちがいる。クリス王子の従者たちとクリス王子本人。」
「っつーことは、クリス王子自身がこの一連の事件に一枚噛んでいるってことか?」
ポックは目を見開く。
「そういうことになるわね。それぞれのご主人に報告ね」
ティルはそこまではにこやかに言ってから真顔に戻った。
一瞬遅れてポックも異変に気づいた。
「残念ながらそう簡単にはいかないようね。」
そう言ってティルはため息をつく。
いや、実は結構前からポックも嫌な気を感じていた。
音が聞こえたわけでもなければ匂いもなければもちろん真っ暗で姿も見えない。
だが明確な殺気がポックたちを包んだ。
「何かいる…?」
そう言いかけたポックを「シッ!」と制すティル。
「この城には魔法使いだけでなく魔物使いもたくさんいる。恐らくこの下にもね。」
ティルはそう言うと背後を振り返った。
背後には巨大な蜘蛛のモンスター、ダークスパイダー。
「野性?…じゃないよね。」
シューシューと嫌な音をたてて近づいてくるダークスパイダーにポックは少し震える声で聞いてみる。
もちろん返答はない。
「この天井裏は私たち、人間に仕えるモンスターたちの情報交換の場。野性のモンスターがいることはあり得ない。だがそこには招かれざる刺客たちもいる。」
ティルはそう言うと小さな牙を剥いた。
シューシューと変な音をたてるダークスパイダーがじりじりとポックたちに近づく。
「こいつも?」
ポックはじりじりと後ずさりながらティルに尋ねる。
「たぶんね」
それだけ言うと、そこから「念話」と呼ばれるテレパシー(フォックス族特有の技)でホックに囁きかけた。
「ここでやりあうのは賢明ではないわね。ついてきて!」
下で何やら不穏な動きがある部屋の真上でドンパチやるのは得策ではないと考えたのだろう。
ティルはそう言うとサッとマーフィーをくわえ、走り出した。
慌ててポックも後を追う。
できるだけ足音をたてることのないように気を付けながらティルたちは走った。
ダークスパイダーもカサカサと毛むくじゃらの足を動かして追いかける。
気味の悪い動きにポックはヒッと小さく喉をならした。
迷路のような天井裏をティルは迷うことなく走り続ける。
「俺たちが下の階で話してることを聞いちゃったからあんなに必死に追いかけてくるの?」
ポックはだんだん息が上がってくるのを感じながら前を走るティルに聞く。
「それもあるでしょうけれど、あいつら、タイミングを見てたんじゃないかと思うの。私たち…あなたたちもあいつらからしたら私と同類だから…、私たちを消すために何かきっかけがないとね。いくらモンスターだからって王子に仕えるモンスターをそう簡単に傷つけたり殺したりするわけにはいかない」
ティルはくねくねと道があるのかないのかわからない天井裏を走り抜けながら説明する。
「で、あいつらからしたら話を聞いちゃったからっていう俺たちを片付ける口実ができたってことか。」
何て理不尽な、とポックは思ったが、その考えは次の瞬間一気に吹っ飛んだ。
後ろから何かが飛んでくる音と気配があった。
敏感なポック(もちろんティルも)の耳は何かがこちらに飛んでくるのを何かが風を切る音で察知した。
ポックもティルもふわりと避けたが、その飛んで来た物の正体にポックはゾッとした。
「あいつら、糸を塊にしてあぁやって飛ばすことができる。糸自体に毒があるから気を付けな。」
ティルが教えてくれた。
気を付けなっていわれても…とポックが思った瞬間、ポックの左脇腹の辺りをダークスパイダーの毒糸の塊がかすめた。
ジュッと音がして、かすめたその部分の毛が焼け溶けた。
あとにはコインほどの大きさの跡が。
「ひぃー!」
ポックは悲鳴をあげる。
「自慢の毛皮がぁ~」
ポックが泣き言をいう。
「すぐはえてくるから!」
ティルがもっともな突っ込みをいれる。
「にしても、しつこいやつ。これは本気で私たちを倒しにかかってるわね。」
そう言うとティルは走るのをやめて振り返った。
ここは何階のどこ?
ポックはティルに聞きたかったが息が上がって言葉にならない。
そんなポックを見ることなくティルはダークスパイダーを睨み付ける。
「ねぇ、あんた。私を誰だかわかって攻撃してるのかしら?」
ひらりと毒糸をかわすと、ダークスパイダーに大きな声で語りかける。
ドスの効いた声にダークスパイダーが糸をはくのをやめた。
「あんたは誰の差し金? 場合によっちゃ容赦しないよ。」
しばらく黙っていたダークスパイダーが低い声で答えた。
「ご主人様の部屋の上でこそこそ嗅ぎ回る奴を排除しに来ただけだ。他意はない。お前は何者だ?」
ダークスパイダーが赤い五つの目でギロリと睨む。
それぞれが独立した動きをしてティルやポックたちを睨み付ける。
気味の悪さにポックは震え上がった。
口から生えた牙をカチカチいわせながら野太い声でダークスパイダーは尋ねる。
腹の探り合いはお互い様だが相手の迫力にポックは恐怖を覚えた。
ティルはというと涼しい顔をして答える。
「名乗るほどのものじゃないわ。あなたのご主人様は何をしているのかが気になっただけ。」
ティルは話をうまくはぐらかしながら相手の出方をうかがう。
「お前の知らなくても良いことだ。だが、聞いたのなら生かしてはおけない。」
ダークスパイダーはそう言うと、鉤爪のついた足をこちらに向けた。
「来る!」
ティルはいち早く危険を察知してポックに念話で話しかける。
「あなたたちは今のうちに逃げなさい。あいつは私がうまくやり過ごすから。まっすぐ進んで突き当たりを左、そのすぐ先の角をまた左に曲がれば通気孔の出口がある。私もすぐに後を追うから。早く!」
ティルはポックに早口でそう言うと、咥えていたマーフィーを思いっきり出口の方に放り投げた。
もはやポックに考える時間などなかった。
猛ダッシュで言われた通りの道をマーフィーを蹴っ飛ばす勢いで走った。
突き当たりを曲がったところで腹の底に響くドーンという音が背後から聞こえた。
それでも振り返ることなく走り続け、通気孔から眩しい日の光のもとに飛び出した。
息が上がってしばらく草むらのなかで動くことができなかった。
巨大グモの体液にまみれた傷だらけのティルが通気孔から出てきたのはかなり時間が経ってからだった。
「バカ言うな。あいつは武術も堪能ななかなかの手練れだ。下手を打てば返り討ちにあう」
「では、ど…どうする?」
物騒な話が繰り広げられている。
「クルト王子もまた厄介なやつを仲間に引き入れたもんだ」
「あぁ。魔相のあるボウズだろう? そばにいる大男も油断ならねぇ」
「あぁ。あの大男、マックスを本気にさせたって話だ。正面からかかれば厄介な相手になるだろう」
「あの魔相のボウズもかなり頭がキレると見てるぜ。クルトのバカだけじゃなく、ヘンリー王子やクラウド国王にもうまく取り入ってここに潜り込んでやがる」
「『一生懸命やってますー』って顔して、そのくせ言動も行動も落ち着き払ってて生け簀かねぇ。仕事もたったの五日でもう手慣れたもんだ」
「だがどうしたものだろう?一人一人は大したこと無さそうだが、それぞれが知ってか知らずか一人になるのは極力避けているように見える」
「こちらもうまくやらねば我々の計画が漏れる危険も出てくるだろう。それだけは避けなければ…」
「間違いないな。危ない芽は早いうちに摘んでおくべきだが…。」
下の男たちはレオンやダンの話もしている。
「大体わかったでしょう? こいつらが黒幕ね。そこにクリス王子自身がいたことは新たな収穫だったわ」
ティルはそう呟くと、
「この下には5人の男たちがいる。クリス王子の従者たちとクリス王子本人。」
「っつーことは、クリス王子自身がこの一連の事件に一枚噛んでいるってことか?」
ポックは目を見開く。
「そういうことになるわね。それぞれのご主人に報告ね」
ティルはそこまではにこやかに言ってから真顔に戻った。
一瞬遅れてポックも異変に気づいた。
「残念ながらそう簡単にはいかないようね。」
そう言ってティルはため息をつく。
いや、実は結構前からポックも嫌な気を感じていた。
音が聞こえたわけでもなければ匂いもなければもちろん真っ暗で姿も見えない。
だが明確な殺気がポックたちを包んだ。
「何かいる…?」
そう言いかけたポックを「シッ!」と制すティル。
「この城には魔法使いだけでなく魔物使いもたくさんいる。恐らくこの下にもね。」
ティルはそう言うと背後を振り返った。
背後には巨大な蜘蛛のモンスター、ダークスパイダー。
「野性?…じゃないよね。」
シューシューと嫌な音をたてて近づいてくるダークスパイダーにポックは少し震える声で聞いてみる。
もちろん返答はない。
「この天井裏は私たち、人間に仕えるモンスターたちの情報交換の場。野性のモンスターがいることはあり得ない。だがそこには招かれざる刺客たちもいる。」
ティルはそう言うと小さな牙を剥いた。
シューシューと変な音をたてるダークスパイダーがじりじりとポックたちに近づく。
「こいつも?」
ポックはじりじりと後ずさりながらティルに尋ねる。
「たぶんね」
それだけ言うと、そこから「念話」と呼ばれるテレパシー(フォックス族特有の技)でホックに囁きかけた。
「ここでやりあうのは賢明ではないわね。ついてきて!」
下で何やら不穏な動きがある部屋の真上でドンパチやるのは得策ではないと考えたのだろう。
ティルはそう言うとサッとマーフィーをくわえ、走り出した。
慌ててポックも後を追う。
できるだけ足音をたてることのないように気を付けながらティルたちは走った。
ダークスパイダーもカサカサと毛むくじゃらの足を動かして追いかける。
気味の悪い動きにポックはヒッと小さく喉をならした。
迷路のような天井裏をティルは迷うことなく走り続ける。
「俺たちが下の階で話してることを聞いちゃったからあんなに必死に追いかけてくるの?」
ポックはだんだん息が上がってくるのを感じながら前を走るティルに聞く。
「それもあるでしょうけれど、あいつら、タイミングを見てたんじゃないかと思うの。私たち…あなたたちもあいつらからしたら私と同類だから…、私たちを消すために何かきっかけがないとね。いくらモンスターだからって王子に仕えるモンスターをそう簡単に傷つけたり殺したりするわけにはいかない」
ティルはくねくねと道があるのかないのかわからない天井裏を走り抜けながら説明する。
「で、あいつらからしたら話を聞いちゃったからっていう俺たちを片付ける口実ができたってことか。」
何て理不尽な、とポックは思ったが、その考えは次の瞬間一気に吹っ飛んだ。
後ろから何かが飛んでくる音と気配があった。
敏感なポック(もちろんティルも)の耳は何かがこちらに飛んでくるのを何かが風を切る音で察知した。
ポックもティルもふわりと避けたが、その飛んで来た物の正体にポックはゾッとした。
「あいつら、糸を塊にしてあぁやって飛ばすことができる。糸自体に毒があるから気を付けな。」
ティルが教えてくれた。
気を付けなっていわれても…とポックが思った瞬間、ポックの左脇腹の辺りをダークスパイダーの毒糸の塊がかすめた。
ジュッと音がして、かすめたその部分の毛が焼け溶けた。
あとにはコインほどの大きさの跡が。
「ひぃー!」
ポックは悲鳴をあげる。
「自慢の毛皮がぁ~」
ポックが泣き言をいう。
「すぐはえてくるから!」
ティルがもっともな突っ込みをいれる。
「にしても、しつこいやつ。これは本気で私たちを倒しにかかってるわね。」
そう言うとティルは走るのをやめて振り返った。
ここは何階のどこ?
ポックはティルに聞きたかったが息が上がって言葉にならない。
そんなポックを見ることなくティルはダークスパイダーを睨み付ける。
「ねぇ、あんた。私を誰だかわかって攻撃してるのかしら?」
ひらりと毒糸をかわすと、ダークスパイダーに大きな声で語りかける。
ドスの効いた声にダークスパイダーが糸をはくのをやめた。
「あんたは誰の差し金? 場合によっちゃ容赦しないよ。」
しばらく黙っていたダークスパイダーが低い声で答えた。
「ご主人様の部屋の上でこそこそ嗅ぎ回る奴を排除しに来ただけだ。他意はない。お前は何者だ?」
ダークスパイダーが赤い五つの目でギロリと睨む。
それぞれが独立した動きをしてティルやポックたちを睨み付ける。
気味の悪さにポックは震え上がった。
口から生えた牙をカチカチいわせながら野太い声でダークスパイダーは尋ねる。
腹の探り合いはお互い様だが相手の迫力にポックは恐怖を覚えた。
ティルはというと涼しい顔をして答える。
「名乗るほどのものじゃないわ。あなたのご主人様は何をしているのかが気になっただけ。」
ティルは話をうまくはぐらかしながら相手の出方をうかがう。
「お前の知らなくても良いことだ。だが、聞いたのなら生かしてはおけない。」
ダークスパイダーはそう言うと、鉤爪のついた足をこちらに向けた。
「来る!」
ティルはいち早く危険を察知してポックに念話で話しかける。
「あなたたちは今のうちに逃げなさい。あいつは私がうまくやり過ごすから。まっすぐ進んで突き当たりを左、そのすぐ先の角をまた左に曲がれば通気孔の出口がある。私もすぐに後を追うから。早く!」
ティルはポックに早口でそう言うと、咥えていたマーフィーを思いっきり出口の方に放り投げた。
もはやポックに考える時間などなかった。
猛ダッシュで言われた通りの道をマーフィーを蹴っ飛ばす勢いで走った。
突き当たりを曲がったところで腹の底に響くドーンという音が背後から聞こえた。
それでも振り返ることなく走り続け、通気孔から眩しい日の光のもとに飛び出した。
息が上がってしばらく草むらのなかで動くことができなかった。
巨大グモの体液にまみれた傷だらけのティルが通気孔から出てきたのはかなり時間が経ってからだった。
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