GO TO THE FRONTIER

鼓太朗

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第六章 ポックとマーフィーの大冒険

別動作戦

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「で、オオコウモリの背中から飛び降りてこの森の中に潜んでたわけか。」
レオンは驚いた様子でポックを撫でる。
「ホントさぁ。オオコウモリってモンスターは岩や木にぶら下がって生活してるだろ? だから地上に降り立つってことが慣れて無いわけ。もぅ何て言うか激突したみたいに着陸してさぁ! 着陸と同時に身体は投げ出されるし。柔らかい草地に落ちたからよかったものの…岩場だったら確実にバラバラになってたね。俺…。」
空中では怖くてガタガタ震えていたことは内緒だ。

「そっかぁ、お前らも大変だったんだなぁ」
ダンはカリカリとマーフィのお腹の辺りを撫でる。
マーフィは気持ちよさげにコロンところがって目を細めた。
「で、これからどうすべきかなぁ。まさかこいつらを部屋に連れ込むわけにも…。そうしたら悪目立ちして先生たちの目を引きそうだな。」
ダンが呟き傍らにいたアンナが頷く。
「確かに…でもだからってこのまま放っておくわけにも…。」
アンナが心配そうに言った。
しかしポックがそれを打ち消した。
「あっ、その辺はご心配なく。家もあるし、何となく虫と獣の戦争もそのまま放っておけないし。この後も夜になったらオオコウモリのおじちゃんが迎えに来てくれることになってるから。」
なるほど、別行動か。
ダンが唸るようにそう言うと、ポックも頷いた。
「こうしてこっそり会って連絡を取り会うパイプは手に入れたし、レオン達が元気なら、ついでに俺らも元気なことが分かればお互い安心だし。双方で合流できる手段を考えよう。」
ポックがそう言うと、レオンを見る。
それまでは自由に会えないけど、と言うと自信に満ちた表情で周囲を見回した。
この2年間、ずっと一緒にいたのに離ればなれになってはじめは心配したが、この数日でポックは驚くほど成長した。
「偉くなったね。」
レオンはそう呟くと撫でていたポックを地面に下ろす。
「じゃあ、またしばらく会えないけど、心配はいらないね。何日かに1回ここで落ち合おうか。」
そう言うとポックもしっかりとした視線でレオンを見るとマーフィに目配せするとさっと草むらの中に消えた。
「さぁ俺たちも行こう。ポックやマーフィを回収してここから脱出する手だてを考えないとな。」
そう言ってダンはレオンの薄い肩を叩くと部屋へと誘った。

誰もいなくなった庭園。
レオン達以外にそこで一部始終を見ていた影に、気付く者は無かった。
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