DEEP BLUE OCEAN

鼓太朗

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第二章 雨上がりの海

幸助

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『クマノミの卵、どうだった?』
シャワーを浴びた後のデブリーフィング。
海人は初めてのファンダイブ(水中ツアー)を終えた幸助に聞いてみた。
少し酔っていたのでもう潜りたくないというかとも思った。
船に酔ってダイビングに嫌悪感を持つ客は少なくない。
しかしそれは海人の徒労だったようだ。
幸助はにっこり笑って「スゲーって思いました。」と言った。
「目が見えました。卵から出てくるところも見たいなぁ。」
興奮気味に話すところを見ると、「もうダイビングなんてしない!」とは言わなさそうだ。
「海人さんはいつダイビングをはじめたんですか?」
幸助はにこにこして聞く。
『中学3年生の時に初めてダイビングをしたよ。今の亮助君くらいの時かな?』
海人はホワイトボードにサラサラと書く。
『だから幸助くんの方がちょっと早いね』
そう書き足して笑うと幸助はちょっと誇らしそうな照れ臭そうな表情を見せた。
「俺も海人さんみたいにかっこいいダイバーになりたい!」
目を輝かせる幸助に、義之もにこにこして見守る。
自由に潜るためには中級のライセンスの取得が必要になる。
まだ13歳の幸助はこの中級ライセンスを取る年齢に達していなかった。
亮助もまだ取得はしていない。
この夏休み、15歳になるという亮助は中級のライセンス取得に挑戦する。
幸助もそこまで続けてくれたらなぁと海人は思った。
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