54 / 69
―― 再会、そして、なぜそうなるの?
しおりを挟む
フリージアの家についたドレファスは、クラリスを見つけて驚いた。
「クラリス!!何故ここにいる?」
声を掛けられたクラリスは身構えたが、ドレファスの横に彼の妻と子供を見た途端、構えをといた。
「ドレファスこそ、何故ここにいる?」
「クラリス。この方はドレファス殿です」
「フリージア様、それはわかっています。それよりこれはどういうことですか?」
私はフリージアに全てを話すとわかりましたとただ答えた。こうしてドレファスも名もなき騎士団に入ることになった。
――あれから数日が過ぎた。
私は、いつも通り治療の日々を過ごしていると慌ただしくドクターワトソンが治療室に入ってきた。
「聖女様!!直ぐに国境に向かってください」
「ドクターワトソン何事ですか?」
「国境に数人の騎士が家族を連れでやって来て、聖女様に面会を求めているそうです」
「はい?」
「とにかく国境まで」
こうして私は教会領との国境へやって来た。すると6人の騎士とその家族合計30名がそこにいた。すると彼らの中のリーダ格の人物が私に向かって話しかけてきた。
「これはこれは聖女様にお越し頂きありがとうございます。私は元聖騎士団のイルミナと申します。ドレファス様が亡命できたと伺ってきました。しかし、ここの門番ときたら、亡命できるのは、聖女様が私用で連れて行く場合のみですと言うことを聞かないので、困り果てておりました。何卒、行く場所を失った我らに聖女様の御加護を頂きたくお願いに来たのです」
思わず頭痛がしてきた。ここまで言われたら、できませんと言えない。当然、門番の人も元聖騎士団とその家族たちも期待の目で私を見ている。
「わかりました」
彼らを引き取ったまでは良かったのだが、このことが更に凄いことになるとは?
結局、あの戦いに出陣していた全ての聖騎士団員とその家族で約4万人の人々の亡命を引き受けることになった。
何が大変かって?
彼らをどう食べさせていくかが大問題。
どうしてって?
私は国王でも何でもない。確かに名もなき騎士団は、騎士としての報酬と王国からの資金援助で賄っている。
しかし、しかしよ。1万もの騎士をどうやって食べさせていけるのよ。既に私の家計は、常に減り続け、マイナスになる日のカウントダウンがはじまっていた。
「クラリス!!何故ここにいる?」
声を掛けられたクラリスは身構えたが、ドレファスの横に彼の妻と子供を見た途端、構えをといた。
「ドレファスこそ、何故ここにいる?」
「クラリス。この方はドレファス殿です」
「フリージア様、それはわかっています。それよりこれはどういうことですか?」
私はフリージアに全てを話すとわかりましたとただ答えた。こうしてドレファスも名もなき騎士団に入ることになった。
――あれから数日が過ぎた。
私は、いつも通り治療の日々を過ごしていると慌ただしくドクターワトソンが治療室に入ってきた。
「聖女様!!直ぐに国境に向かってください」
「ドクターワトソン何事ですか?」
「国境に数人の騎士が家族を連れでやって来て、聖女様に面会を求めているそうです」
「はい?」
「とにかく国境まで」
こうして私は教会領との国境へやって来た。すると6人の騎士とその家族合計30名がそこにいた。すると彼らの中のリーダ格の人物が私に向かって話しかけてきた。
「これはこれは聖女様にお越し頂きありがとうございます。私は元聖騎士団のイルミナと申します。ドレファス様が亡命できたと伺ってきました。しかし、ここの門番ときたら、亡命できるのは、聖女様が私用で連れて行く場合のみですと言うことを聞かないので、困り果てておりました。何卒、行く場所を失った我らに聖女様の御加護を頂きたくお願いに来たのです」
思わず頭痛がしてきた。ここまで言われたら、できませんと言えない。当然、門番の人も元聖騎士団とその家族たちも期待の目で私を見ている。
「わかりました」
彼らを引き取ったまでは良かったのだが、このことが更に凄いことになるとは?
結局、あの戦いに出陣していた全ての聖騎士団員とその家族で約4万人の人々の亡命を引き受けることになった。
何が大変かって?
彼らをどう食べさせていくかが大問題。
どうしてって?
私は国王でも何でもない。確かに名もなき騎士団は、騎士としての報酬と王国からの資金援助で賄っている。
しかし、しかしよ。1万もの騎士をどうやって食べさせていけるのよ。既に私の家計は、常に減り続け、マイナスになる日のカウントダウンがはじまっていた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界転生でギャルゲーの主人公になったけど攻略対象外キャラにここまで熱烈に溺愛されるなんて聞いてない!
Ask
恋愛
【堂々完結】日本のギャルゲー(乙女ゲームの男性版)『理想郷の宝石』の主人公に転生したけど攻略対象キャラ全員好みではなく好感度を上げてなかったらまさかの断罪イベント発生!?窮地に立たされた主人公を救ったのはゲームには出てこなかった"元龍神"と"生贄皇子"の血を受け継ぐ大帝国のハイスペック皇女で……?!これは、"男前過ぎるハイスペ人外皇女"と"乙女系女子力高め男主人公"がお互いを溺愛しまくる話です※前作の登場人物、過去の話も出ますので宜しければ見てください※前作とは作風一気に変わります※小説家になろう様でも投稿しています※
第1部→【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!
記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
不遇弓使いの英雄譚ー無敵スキル『絶対反転』を得て救世主となる
たからかた
ファンタジー
弓使いの青年アーチロビンの絶望からの逆転と無双、そして純情可憐な美少女との初恋物語!
弓使いアーチロビンは、勇者ネプォンの雑用係として、日々酷使されていた。ある日、見栄っ張りのネプォンの提案で、この世で最強の大帝神龍王に挑むが、太刀打ちできずに全滅の危機に晒される。危機を乗り切るために、生贄にされてしまうアーチロビン。死を覚悟した彼だったが、大帝神龍王に気に入られ、逆に人智を超えた最強の力を与えられてしまう。
それから半年ー魔族の出現は未だに続いていた。苦しむ人々のために、人知れず魔族と闘い続けるアーチロビン。
勇者ネプォンによって、魔王は倒されたのに、何故魔族は出現するのか? 人々の疑いは高まり、やがて自ら収拾に動かざるを得なくなるネプォン。生来の傲慢さと怠惰な気質が、彼を破滅へと追い込むとも知らず…。
そして、そんな勇者とは逆に、否が応でも広まっていくアーチロビンの名声。
魔王は天に選ばれた英雄しか倒せない───そんな絶対法則が存在する世界で、最強の弓使いが立ち上がる。
狐族の白狐の美少女フィオとの初々しい恋愛も織り交ぜながら、謙虚で無欲な青年が英雄と呼ばれるまでを描きます!
※小説家になろうにも投稿したものです。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる