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――王子様の恋  2

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「フリージア」

王子様の声に驚いたんだけど、なんで私の名前を呼んだのかは理解できない。だって、王子様はたしかクラウスという青年とBLな関係だと王様から聞かされていたんだから

「王子様、如何なさいましたか?」

「あ…いや…」

私を見るなり硬直するなんて、ひょっとして私の魔力が漏れていて、威嚇でもしているのかしら、そう言えばマーリン様から

「お主は記憶を失ったことによって、自分を守るために自動的に『威嚇』を発生しているから、気をつけるように」

確かそんなこと言っていたっけ、一応確認をしてみるが現在『威嚇』は発動していない。ということは王子様の挙動は一体何なのだろう。

「どうなさいましたか?」

私は王子様の目を見て話をしたら。目が泳いでいる。どうしたんだろう?ふとした瞬間、目が合った途端、びくっとなった。まるで、何かにおびえる仔犬みたいに、と思ったら我に返ったかのように

「な…何でもない」

そう言ったかと思うといきなり席を立って、どこかへ行ってしまった。一体何だったんだろう。


***


エターナル平へ来ました。ということは、魔法の練習なんだけど、今回は白魔術という魔法らしい。治療系の魔法もその一つなんだけど、あと浄化魔法というのもあるようです。どうやら、最初は光を放つ『ライトニング』をやるようです。

「フリージア、白魔術の代表的な光を操る魔法がこれだ『ライトニング』」

するとマーリン様がかざした杖から光が発生し、杖をさした方に向けて直線状に光が放たれている。

「これが基本形だ。わかったな。そうじゃな…あの岩に向かってやって見よ」

「はい」

『ライトニング』

私も同じように呪文を唱えると私の杖から放たれた光の束は一瞬で目の前の岩に大きな穴をあけたのだった。その光景を見たマーリン様は黙ったままだった。

「・・・」

「あの~」

私の言葉にハッと気づいたマーリン様は、ジト目で私を見ている。

「魔力の調整をもう少しできるようにしなさい」

「はい」

まだまだ修行が必要そうです。


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