機動戦記 バイソン

Seabolt

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更迭

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 ディカッシュ提督は、旗艦フェルナンデスにて、本国へ帰還すること

 事実上の更迭であった。しかも、作戦に反対をしたディカッシュ本人がだ。しかし、本人が納得するかどうかが問題ではなく、共和国国内が納得するかが問題となっていた。それは、ディカッシュ自体があまりにも功績をあげ過ぎていた。そのことが起因しているのは、明白だった。
 軍部からはこれまでにもディカッシュの共和国側からの作戦に対する対応が問題視されていた。つまり、妬みが多いのだが、それを覆るだけの実績を彼自身あげてきたのだった。しかしながら、この度の惨敗は、共和国軍部にとっては好都合であったことは、間違いない。全兵力の80%の消耗、事実上のメテゥウカッスル要塞の陥落という事実の前には、ディカッシュ自体お手上げというのが本音だった。逆にようやく本国に帰ることが出来るという冗談すらいっていたと後の歴史書には記載されていた。
 彼らが本国へ戻ること、すなわち旧地球連合の人間も一緒に本国に戻ることになった。そして、バイソンも・・・

 超時空転送装置を使用し、E2外洋へ到着した旗艦フェルナンデスは、E2太陽系外洋の外洋要塞ルナ沖へその進路を向けた。実は、E2共和国は、軍部の暴走を防ぐべくシビリアンコントロールを行っているのだが、それ以外に、E2本国の軍隊を自衛隊、外洋をE2国軍と分けることによって、その統制をとっていた。それは、かつて、ペロギウスコロニーの反乱に伴った時、外洋艦隊が国内の反乱に対応できたこととが、きっかけとなっていた。

 こうして、外洋要塞ルナに戻ったディカッシュ達だったが、ディカッシュ不在のチャンスをブラウンとミドルフは待っていたのだった。
 
 前回の作戦には、彼らは参加しなかった。というよりも、まだ、帝国に帰還していなかったというのが正しい状態だった。彼は、その損傷した艦隊整備の為、アルデバランとは別の軌道要塞へ停泊をしていた。というより、余儀なくされていた。艦隊整備が終わる頃にアルデバランの崩壊とメティカッスル要塞の作戦は進行しておりどうすることも出来なったというのが事実だった。そんな彼らに出撃命令が出されたのだった。それは、超時空転送装置陥落を目指す作戦だった。

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