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はぁ~?
しおりを挟む「はぁ~?」
思わずこんな声をあげてしまった。しかし、ここは生活指導室、普段は入ることないこの教室に今、私と俊介がいる。しかも、前には、生活指導の鬼、常松先生とその横には、体育の松山先生・桜井先生そして、担任の山本先生が・・・って私何も悪いことしていないのに・・・
実は今日は、火曜日・・・昨日休んでいた私と俊介には全く理解できないことが起きていた。そのことを全く知らないで登校した私たちの前には常松先生が待ち構えていた。しかも松山先生・桜井先生がその両脇を固めまで、そして、私たちを見つけると
「高取・山崎、話がある職員室まで来なさい」
口ではそうは言っているものの実質的には強制連行だった。こうして、私達は生活指導室に座らされることに・・・そして、常松の質問に私は驚いた。
「山崎・・・お前妊娠したんだってな?」
「はぁ~? わ・・・私が!?・・・に・・・妊娠?」
とんでもなく間抜けな声を上げ、自分を指差して確認していると先生達は、苛立った表情を見せながらも頷いていた。
「山崎・・・とぼけるなよ・・・もう学校中の噂だぞ」
―――う・・・噂って?一体どういうことなの?私と俊介は顔を見合わせた・・・当然、お互い顔を合わせるだけで頭の中はクエスチョンマークで一杯・・・首を傾げるばかりそんな私達に先生も切れた。
「お前ら!!何をしたかわかっているのか!!!」
そう叫んだのは体育の松山先生、しかも未婚の・・・確か噂では最近彼女に振られたとか・・・
「聞いているのか?」
そう声を荒立てる先生をなだめるベテラン勢
「彼女妊娠初期だから・・・そんな大声をあげたらダメですよ」
ちゃんと聞こえてるわよ・・・・でも、何故?私が妊娠したってことになったのか全く見当が付かない・・
「あの~?」
「山崎・・・ようやく言う気になったか・・・さぞや苦悩したろう・・」
頓珍漢な回答が帰ってきたけど、はっきりと言わないと。
「先生!!私、妊娠なんかしてません!!」
すると先生方はお互い顔を見合わせヒソヒソと打ち合わせた。
「山崎・・それは良かったな・・しかし、お前ら不純異性行為をしたからそうなったんだ!!」
「ふ・・不純って・・・」
ま・・・まさか・・・先生たち勘違い・・・驚いた瞬間、顔が暑くなって言葉が出なくなった。すると代弁するかのように俊介が聞いていた。
「先生・・・言っている意味が全く判らないのですが・・」
俊介の質問に逆切れしたかのよう叫んで全ての先生が立ち上がった。
「いい加減にしろ!!お前ら!!」
未だにわからない・・先生達がなぜ怒っているのかが・・
「あの~・・・何故?そんな話になっているんですか?」
この質問はさらに逆上させ生活指導担当を叫ばせた。
「山崎!!いい加減にしろ!!お前達が病院に行ったのは明白なんだ!!」
びょ・・・病院って・・・目の前で叫んで息をあらげている先生達は、私たちの反応を見て、さらに大声をあげた。
「いい加減に認めろ!!!」
生活指導の声が部屋に響いた・・・
「あの~・・・」
私がようやく声を発すると先生も少し安堵したかのように大きく溜息をついた。
「ようやく認める気になったか。」
先生は引きつった笑顔で私をみていた。けど・・・本当のことを言わねば
「捻挫しただけなんですけど・・」
「は?」
私の素頓狂な返答に、口を大きく開けた先生たちはさらに逆上して叫び声が部屋中に響きわたった。
「だったら!!何故、妊娠したなんて噂が流れるんだ!!」
「けど・・」
私は負傷した右足を見せた・・・そして、松葉杖も・・
「見え透いた嘘をつくな!!これでどうだ!!」
そう叫んだ生活指導は、私達の前に2枚の写真を印刷したものを置いた。それを見て、私たちは驚いた。それは、病院で抱き合っている写真と、ベンチに座っている私を俊介が覗き込んでいる写真、しかもその写真の後ろには、でかでかと産婦人科の文字が・・・・そんな写真を突きつけられても・・・
「あの~」
「まだ言い訳する気か?」
松山先生は私のほうを睨んだ・・・けど、事実無根だもの・・・
「だからですね・・・これは、」
「これだけの証拠があってもまだ言い訳をするのか」
「ええ!!しますよ!!これは、私が足を痛めてここで倒れそうなっただけなんですから!!」
「いい加減にしろ!!」
「先生こそいい加減にしてください!!それでしたら、この病院へ連絡して確認してください。今までここで私が受診したかどうかを!!」
「しかし、この写真だけだとどの病院かなんてわからないが・・・」
「ここを見てください・・・」
私は写真の産婦人科の下に書いてある病院名を指差した。
「そこまで言うなら・・・」
結局、疑い深い先生たちと私たちは、例の総合病院へ行くことになった。こうして、先生たちの疑いは晴れた訳だけど、結局、噂の方は、とんでもない方向へ進んでいた。
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