おばさんと呼ばないで

Seabolt

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運命の月曜日

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―――運命の月曜日


私と高取、二人での登校が始まった。案の定、第一関門の武、武は私達の姿を見ると挨拶もそこそこに先に学校へ向かってしまった。彼の様子を見た高取は指刺してこう聞いてきた。

「いつもああなのか?」

「そうよ・・・だいたい・・」

 私の答えに不服そうな高取・・・

「じゃぁ・・・あの痴話げんかは?」

「あ・・・あれは、たまに武が話しかけてくると何故かああなるのよ。」

「どうして?」

「いつも余計な一言があるのよ・・・私を怒らせる。」

「そうなんだ・・・」

「それが?」

「別に?」







 教室に着くと二人で登校したことは既に噂になっていた。クラスメートの女子のほとんどが冷ややかな目で私を見ていた。まぁ・・こんなものよね・・・そう思いつつ席に座った瞬間、私は首を絞められた。

「真奈美!!先週はあんなに否定しておいて今日はなんなのよ!!」

 そう叫んで私の首を絞めているのはいつも元気な恵美だった。

「くっ!!」

「何とか言いなさいよ!!親友の私にまで内緒なんて、ひどいじゃない!!」

 ―――く・・・苦しい・・・本気で絞めないでよ。こ・・声が出ない・・・恵美の手を叩くがそんなことは一切無
視して同じことを言ってきた。

「何とか言いなさいよ!!」

 ―――気・・気が遠のいて行く・・・・私の目の前の視界が徐々に白くなっていった。力が抜けて行く私に気付いた恵美・・

「あれ?」

 そう言って、恵美は私の首を絞めていた腕の力を緩めた。

――――あ~!!死ぬかと思った・・・

 手を放した瞬間、私は息を吹き返した。そして首を押さえながら恵美に向かって叫んだ。

「殺す気!!」

「真奈美・・・そんなに怒らないでよ・・・」

「あ~本当に死ぬかと思った!」

 そう言った時だった。HRの予鈴が響いた。





 午前の授業が終った頃には、既に女子達の間でこんな噂が流れていた。学校一のイケメンを落としたのは、あのぱっとしない山崎・・・ぱっとしないは余計なんだけど・・・しかたがない・・・甘んじて受けよう・・ぱっとしないと言う言葉を・・・そう思っていると恵美からメールが入って来た。ん?なになに


件名 忠告

この件名を見て思わず目が点になった・・どういうこと?続きを読むと
一部の女子からかなり反感を買っているから・・・気をつけて


―――ってどう気をつけたらいいのよ!!

と思わず突っ込みそうになったが、なんとなく納得した私がそこにいた。あの栗原だったらやりかねない。そう感じた矢先だ。やっぱり来た・・栗原が・・・クラスの雰囲気は一瞬で緊迫した。多分誰もが、栗原が私に向かって”泥棒猫”とか叫ぶかと思ったら、意外な言葉が出てきた。

「どうして?  あなたなの?」

 そう言って栗原は私の前で泣き崩れた。彼女の行動にどうしたらいいのか全くわからずに呆然としていると、いつも彼女と一緒に来る娘が栗原を支えて、私のほうを睨んで

「こんな娘のどこがいいのかしら?」

 そんな言葉を投げ捨てて、栗原を連れて戻って行った。―――た・・・助かった・・・急激な脱力感と共に机にうつ伏せになった・・・すると、急にあたりが暗くなった。ふと、顔をあげると今まで見たことない女子が目の前に立ってた。

「ちょっと、顔かしてくれない?」

「え?」

 ―――だ・・・誰なのあなた達?私が驚いているとそんな私の態度が気に入らなかったのか、声を荒げた。

「早く立ちなさいよ!!」

 そんな時だった。私の名前を叫んで教室に駆け込んできた男子がいた。しかも3人も・・

「真奈美!!大丈夫か?」

 そう叫んで駆け込んで来たのは、高取と武と豪太だった。突然現れた3人に驚いた女子たちは大慌てで逃げ出した。中には少なからず嫌味な台詞を吐いて逃げて行った娘も数人いた。突然の出来事に呆然としている私に、3人は再びこう聞いてきた。

「大丈夫か?」

「だ・・大丈夫よ・・・」

 呆然としている私の前で顔を見合わせる3人、

「ま・・無事ならいいか・・」

 こう言い残して教室を出て行った。ほっとした瞬間、今度は背筋がぞくっとなった。どこからともなく冷たい視線を感じたのだった。誰かはわからないけど・・・ただ・・このことが一層、女子達の神経を逆なでしていることは間違いなかった。
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