152 / 191
決勝戦 3
しおりを挟む初回、ベアーズの攻撃
ワンアウト満塁、バッターは6番松尾。夏の大会の時は5番バッターの彼、当然、ベアーズの主力選手の一人であることは間違いない。ここは追加点がほしいところだが、この状況でスクイズはまずなだろう。ここは勝負に違いない。するとキャッチャーの柳が叫んだ。
「ワンナウト!!ワンナウト!!しまって行こ―!!!」
おおーー!!
こうしてプレイが再開された。
初球
キン!!
平凡な打球は俺のところに転がってきた。そして、セカンドからファーストにわたって6-4-3のダブルプレーが成立したのだった。こうして1回表は1点に抑えることができたのだった。
1回裏の69nersの攻撃、しかし、相手ピッチャーを見て驚いた。マウンドには、小山君がいない。小山君は、何故かライトに入っていた。そして、ピッチャーはというと水原が立っていたのだった。
「どういうことだ?」
「さぁ?」
サウスポーの彼の投球練習を見ている限り、大したことはなさそうだ。
「あれだったら楽勝だな」
そんな言葉を放つ矢部っちに対してコーチは
「そうね。あの球速だと楽勝よね」
そこは用心しろってところだろうと突っ込みたかったんだけど、そんな俺を見たコーチは
「佐藤!!何か言いたそうだな」
「コーチ!!ここは」
キン!!
すると1番の鈴鹿が鮮やかなヒットを打って、反撃ののろしを上げたのだった。
「よし!!いいぞ!!」
続く2番、五十嵐もレフト前ヒット。こんなに簡単に打てることに違和感を持った俺、
「佐藤!!次はお前だ!!」
そう!!今回は決勝と言こともあって、ピッチャーの矢部っちは6番に下がっていて俺が3番に入っていたのだった。
「モタモタするな!!早く行け!!」
「へーい」
バッタボックスに立った俺、違和感だらけだが、ここは集中、集中…初球は、スピードを測る意味もあって、見逃すことにした。
スパーン!!
「ストライク!!」
何の変哲もないストレートだった。考え過ぎかな?俺は、ストレートにタイミングを合わせて2球目を待つことにした。
2球目、内角をえぐってくるカーブ…しかし、ここは脇を閉めて振りぬいた
キン!!
しかし、その打球は、三塁線を切れしまった。
「ファール!!」
そして、3球目、外角に流れるシュートボール?これならとバットを出すと
え?
そのボールを見た俺は驚いた。ボールが揺れて沈んでいったのだった。
ブーン!!
ストライク!!バッターアウト!!
なんだ?あの球は?俺は、呆然と立ち尽くしていたのだった。
「早くどけよ!!」
4番の絹やんに声を掛けられベンチに戻った俺にコーチが声を掛けてきた
「どうした?佐藤。お前らしくない」
「ボールが揺れて沈んでいったんですよ」
「は?熱でもあるのか?」
俺のおでこをさわっている
「熱はないようだな。とにかく試合に集中よ!!わかった!!」
「はい」
このコーチに説明しても始まらない。すると岡田さんが駆け寄ってきて
「どうしたの?元気ないわね」
「大丈夫」
「しっかりしてね。みんな。あなたのホームランを期待しているから」
「うん」
そうこうしているうちに4番絹やん、5番ガッキーも三振をしていたのだった。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
庭木を切った隣人が刑事訴訟を恐れて小学生の娘を謝罪に来させたアホな実話
フルーツパフェ
大衆娯楽
祝!! 慰謝料30万円獲得記念の知人の体験談!
隣人宅の植木を許可なく切ることは紛れもない犯罪です。
30万円以下の罰金・過料、もしくは3年以下の懲役に処される可能性があります。
そうとは知らずに短気を起こして家の庭木を切った隣人(40代職業不詳・男)。
刑事訴訟になることを恐れた彼が取った行動は、まだ小学生の娘達を謝りに行かせることだった!?
子供ならば許してくれるとでも思ったのか。
「ごめんなさい、お尻ぺんぺんで許してくれますか?」
大人達の事情も知らず、健気に罪滅ぼしをしようとする少女を、あなたは許せるだろうか。
余りに情けない親子の末路を描く実話。
※一部、演出を含んでいます。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる