リーンカーネーション 小学４年に戻ったおれ

最終回の攻防

最終回の攻防

７回表、２対１の一点ビハインドの状況で、打順は８番俺からだった。普通に考えれば下位打線、８番バッターからなのだから、楽勝ムードが漂うのだが、その８番に俺がいる。それは、１番にしても４番にしても、俺は歩かされたからだった。逆を言うと出塁率はかなり高い。普段は１番と行きたいところを、こーちとしては、下位打線に置いておくことで、上位打線での反撃のチャンスメーカーとして、俺を個の打順まで下げたのだった。
　そして、最終回の先頭打者になったのだった。どうせ俺は敬遠されると思っていると目の前の四谷君は不敵な笑みを浮かべていた。既に勝ったとでも思っているのだろうか。

ヘイヘイー　あとアウト３つだ！！

８番バッターだしまって行こう！！

そんな声が飛び交う中、１球目を見て俺は驚いた。

ズバーン！！

ストライク！！

珍しく勝負をしてきたのだった。

「佐藤！！ここでお前に引導を渡してやる！！」

「勝負をしてくれるとはありがたい！！」

俺が握り締めたバットに力が入った。

２球目　ライジングボールが来た。

ボール！！

３球目もそれてボール

カウント　ツーボール　ワンストライク

バッティングカウントになった。俺は、ストライクが来ると思ってフルスイングの準備をした。

４球目　ウィンドミルからボールが離れようとした瞬間、俺は、フルスイングを始めた。

あ・・・あ・・・

４球目に投じてきたのは、チェンジアップだった。

ぐ・・・俺は、右わきを閉め、左足に力を入れ、バットが回るのを堪えた。そして、ようやくボールがベースの近くに来た瞬間、フルスイングした。

キン！！

バシ！！

うぐ！！

俺の痛烈な打球はサードを強襲、三塁手のふとももにボールが直撃し、彼はその場にうずくまってしまったのだった。

結局、シングルヒットとなってしまった。

そして、続く９番バッターの１球目で盗塁し、２塁まで進んだのだが、９番バッターはバント失敗となって、ワンアウト２塁になったのだった。

続く、１番鈴鹿の打順で、敬遠を選択した。そして、１球目、俺は３塁盗塁を決めたが、結局、鈴鹿は歩かされ、ワンアウト１、３塁となったのだった。

そして、フロッグズのベンチから伝令が飛んだ。