リーンカーネーション 小学４年に戻ったおれ

朝の会

朝の会

「ほかに何かありますか？」

「はい」

すると川村が手を挙げた。彼はあるグループでは下っ端で、だいたいそんな役割が回ってくる。ただ、いたずら好き（いたずらといってもHな意味ではない）な彼は、弱いものが困るのが好きで、記憶が正しければ、俺はよく標的にされていたと思う。だから今回は俺を標的にしようとしているに違いなく、朝の会という場所で手を挙げたのだった。

「はい。川村君」

「最近、佐藤君が女の子のお尻を触っているのを見ました」

この瞬間、みんなの視線は俺の方を見ていて、先生は俺の睨んでいる

「川村、それは本当のことか？」

「はい」

「そうか」

先生が俺の方を睨んでいると三宅が手を挙げた。

「はい。三宅くん」

「俺も女の子のおしりを触っているところを見ました」

先生の眼光は更に鋭く俺を睨んでいる。さてとどうしたものだろうか、おしりを触っていたのは事実だけど、基本的に誰にも見られない状態でやっているはず。あたりを見回すと山田さん、太田さん、井上さん、岡本さん、佐野さんが不安そうな顔をして俺を見ている一方、おしりを触るなんてという感じで軽蔑の眼で俺を見ている女子たちがいる。その中には、小林さんの姿も、結構怒っているような顔をしている。

「佐藤！！立て」

先生の命令は絶対だ。俺は席を立った。すると

「前に出ろ」

仕方ない。前に出ることにした。すると先生は一言佐藤は黒板を向いて眼をつぶれ、ということは何も弁明する機会もなくケツバットの刑ということななんだろう。あきらめ半分に黒板に向かって目をつぶった。静まり返った教室で先生の声だけがした。

「みんな机に伏せて、目をつぶりなさい」

先生の行動にみんなは不思議がりながらも指示に従った。

「いいか、みんな正直に手を挙げろ。先生しか見えていないから。まずは、佐藤が女の子のおしりを触ったのを見た人は手を上げろ」

後ろで何が起きているかわからない。かといって振り向くと先生に何を言われるかよくわかならい。

「よし、いいぞ。つぎは、佐藤におしりを触られたという人は手を上げろ」

静まり返る教室、手が挙がっているかもわからない。すると先生の声がした。

「わかった！！よく手を挙げてくれた」

「佐藤そのまま歯を食いしばれ！！」

バシーン！！

「いてーーー」

先生のケツバットがさく裂した。それも１０回も

「佐藤、よく反省するように。それと後で職員室に来るように」

最悪だ…

それにしても手を挙げた奴は一体誰なんだろう？俺は不思議でならなかった。