68 / 191
えっ?そっち?
しおりを挟む
教室に戻ると黒板には俺と岡田さんの相合い傘が描かれていて、それを見て、慌てて消している岡田さんの姿がそこにあったが、そのまま何食わぬ顔をして席に座ると途中まで消していた岡田さんがやって来て、
「佐藤君、手伝ってよ」
「何を?」
「あれを消さないと」
勿論、彼女が示しているあれとは相合い傘のことだった。俺は少し考えて振りをして、日直が描かれているところを見ると、そこにも俺と岡田さんの名前が、しかもご丁寧なことにこちらもわざわざ相合い傘のマークまで入れてくれている。
「あれ~?おかしいな?今日の日直は、川村と佐伯さんのはずなんだけど」
「何言っているのよ~!!恥ずかしくないの?」
黒板消しを手にして彼女は地団駄を踏んだ。
「別に・・・」
「別に・・・って」
「こんなくだらないこと俺は気にしないから」
すると彼女は俺の方をぼーっと見つめて立っている。
「日直!!早く消さないと先生に叱られるよ」
すると慌てた川村と佐伯さんは前に出て黒板を消し始めた。
「それと日直欄も間違っているから直しておいてね」
ぼーっとしたままゆっくりと歩いてきた岡田さんはそのまま席に着いた。その頃、先生が教室に入って来た。
「起立!!」
***
授業中、視線(プレッシャー)を感じる。しかも、あちらこちらからだ。ニュータイプか?ふと視線の方向を見ると見るんじゃなかった。山田さんが睨んでいる。ウ・・・太田さんも・・・やはり、井上さんも・・怒っている。
「佐藤?」
「え?」
俺?
「どこを見ている?」
トントンと黒板を叩いて、問題をさした。そこには漢字で夫婦と書かれていた。
「ふうふです」
「正解!!・・じゃ・・・教科書を読め」
「え?」
「いいからこれを読め?」
「は?」
先生は、嫌がらせなんだろう尋常小学校の教科書を持ってきていた。そこにはカタカナで文字が書かれていた。
「これ読むんですか?」
「いいから読め」
先生は真顔でいる。仕方がない・・
「コレ ハ ウンドウクワイ ノ エデス。イロイロナ ハタ ガ カゼ ニ ヒラヒラシテ ヰマス」
それを聞いて一部でクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「うるさいぞ」
「まだ読むんですか?」
「そうだ!!」
「イマ ツナヒキ ノ マツサイチユウ デス。ゴラン ナサイ、ミンナ ガ チカラ ヲ イレテ、一シヤウケンメイ デス」
「くそ・・・ちゃんと読めたか。座っていいぞ」
先生は残念そうにしている。周りは笑いをこらえるので精いっぱいの状態だ。隣の岡田さんも笑いをこらえるのに必死のようだった。こうして、授業は無事に?終わって放課後になった。俺が帰ろうとした時だった。
「あ・・・待って・・・」
そう言って立ち上がる俺の手を引いたのは岡田さんだった。すると川村が
「ひゅーひゅー熱いぜ」
三宅まで一緒になって、からかいに来た。女子は女子で、ひそひそと話をしている。そこへ山田さんがやってきた。
「ちょっといいかしら?」
「岡田さん、佐藤くんと大事な用事があるから連れて行くわね」
そう言い残して、俺は教室を後にした。そして、再び校舎裏へ行くことになった。
「佐藤君、手伝ってよ」
「何を?」
「あれを消さないと」
勿論、彼女が示しているあれとは相合い傘のことだった。俺は少し考えて振りをして、日直が描かれているところを見ると、そこにも俺と岡田さんの名前が、しかもご丁寧なことにこちらもわざわざ相合い傘のマークまで入れてくれている。
「あれ~?おかしいな?今日の日直は、川村と佐伯さんのはずなんだけど」
「何言っているのよ~!!恥ずかしくないの?」
黒板消しを手にして彼女は地団駄を踏んだ。
「別に・・・」
「別に・・・って」
「こんなくだらないこと俺は気にしないから」
すると彼女は俺の方をぼーっと見つめて立っている。
「日直!!早く消さないと先生に叱られるよ」
すると慌てた川村と佐伯さんは前に出て黒板を消し始めた。
「それと日直欄も間違っているから直しておいてね」
ぼーっとしたままゆっくりと歩いてきた岡田さんはそのまま席に着いた。その頃、先生が教室に入って来た。
「起立!!」
***
授業中、視線(プレッシャー)を感じる。しかも、あちらこちらからだ。ニュータイプか?ふと視線の方向を見ると見るんじゃなかった。山田さんが睨んでいる。ウ・・・太田さんも・・・やはり、井上さんも・・怒っている。
「佐藤?」
「え?」
俺?
「どこを見ている?」
トントンと黒板を叩いて、問題をさした。そこには漢字で夫婦と書かれていた。
「ふうふです」
「正解!!・・じゃ・・・教科書を読め」
「え?」
「いいからこれを読め?」
「は?」
先生は、嫌がらせなんだろう尋常小学校の教科書を持ってきていた。そこにはカタカナで文字が書かれていた。
「これ読むんですか?」
「いいから読め」
先生は真顔でいる。仕方がない・・
「コレ ハ ウンドウクワイ ノ エデス。イロイロナ ハタ ガ カゼ ニ ヒラヒラシテ ヰマス」
それを聞いて一部でクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「うるさいぞ」
「まだ読むんですか?」
「そうだ!!」
「イマ ツナヒキ ノ マツサイチユウ デス。ゴラン ナサイ、ミンナ ガ チカラ ヲ イレテ、一シヤウケンメイ デス」
「くそ・・・ちゃんと読めたか。座っていいぞ」
先生は残念そうにしている。周りは笑いをこらえるので精いっぱいの状態だ。隣の岡田さんも笑いをこらえるのに必死のようだった。こうして、授業は無事に?終わって放課後になった。俺が帰ろうとした時だった。
「あ・・・待って・・・」
そう言って立ち上がる俺の手を引いたのは岡田さんだった。すると川村が
「ひゅーひゅー熱いぜ」
三宅まで一緒になって、からかいに来た。女子は女子で、ひそひそと話をしている。そこへ山田さんがやってきた。
「ちょっといいかしら?」
「岡田さん、佐藤くんと大事な用事があるから連れて行くわね」
そう言い残して、俺は教室を後にした。そして、再び校舎裏へ行くことになった。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる