上 下
25 / 191

練習風景

しおりを挟む


目の前に並ぶ5つのお尻がスイングをする度にプリンプリンと動いている。今、俺は彼女たちのスイングを見ていた。決して、お尻だけを見ていたわけではない。決して・・・
 
「どう?」

一番最初に聞いてきたのは山田さんだった。長身な彼女はまだ腕の力でバットを回そうとしている。だから、お尻じゃなかった。腰より手の方が先に回っている様な感じでスイングをしている。この間教えた時は良かったのだけど、多分、しばらく、自己流でやっていたのもあるんだろう。スタンスが広くなっていて若干スイングが以前の状態に戻っているように見える。

「足をもう少し狭くして」

「こう?」

やっぱり話だけでは、理解してもらえそうにない。俺は彼女の横まで行き、足の幅から重心を少しこっちだとか、教えるてもどうしても手を先に出そうとする。だから、思い切ってお尻を押すと驚いた彼女は俺の手からお尻を逃がすように動いた。と思ったら俺の方をじっと見て動きを止めた。しまったかなと思っていると耳元で

「エッチ・・・」

そう呟いたと思ったら、再び練習を始めた。するとお尻に押される感触でも残っていたのだろうか。さっきよりスィングがよくなっていた。すると天野さんが

「私も・・・」

近づいて来て、スィングを見せる。彼女のスィングはかなり良くなっていて、教えることはないように思えるのだが、俺の方へお尻を出してくる。顔を見るとニコリと笑顔を見せてきた。ということは

「こういう風に」

お尻を押してあげると

「え~、よくわからないから。もう一度」

これを2回繰り替えしたところで、スィングを見るというよりお尻を触っている時間が長い、そんなところへ、何故か、立川さんが

「私も・・・」

そう言って、やってきた。特に彼女は、完璧に以前のフォーム、腕の力に頼り切ったフォームをしている。彼女は結構危険なところがあるので、なるべく、口頭で済まそうとするが、中々、伝わらない。大きく開いたスタンスに腕の力で思いっきりバットを振っている。仕方なく、お尻を押した瞬間

「きゃぁああ!!」

そう叫んでお尻をおさえて座り込んだ。

「お・・・お尻、触るなんて!!!信じらんない!!」

そう怒りの声を上げ、俺から離れて行った。この間は、どうやって教えることができたのだろうか?と不思議になったんだけど、思い出した。あの後、山田さんが彼女を教えていたのだ。激怒する彼女を諭している山田さんと天野さんなんだけど、俺に謝るように視線を送った。

「ごめん。悪気はないんだ。腰をこう回すのに・・・」

「絶対そんなことないわ!!私のお尻を触ろうとしてたんでしょ!!」

意味の分からない激怒が続いている。ごめんと謝るが怒りが収まらない彼女は、

「ふん!!サイテー!!」

そんな捨て台詞を残して、彼女のチームメイトが集まっている方へ行ってしまった。山田さんと天野さんが

「ごめんね・・・あの子、たまにあんなことになるから、気にしないで」

「うん・・・わかってるよ」

俺が話をしている太田さんと箭内さんと森さんが近づいてきた。

「あんな子、相手にしないで、早く、私達も見て~」

この3人もいたんだ。と近くまで行くと逆にお尻をくっつけてきたり、耳元で

「お尻さわっていいよ」

なんて言う始末。きゃあきゃあと騒いでいた。そんな光景を見た山田さんと天野さんも負けじと俺のところまで来て、

「私も教えてよ」

こうして、10分ほどみんなのお尻を堪能した俺、山田さん達の練習が始まる頃には解散して、その場を離れることになったんだけど、俺は箭内さんと森さんと太田さんの4人で一緒に帰ることになった。そして、帰り道で森さんがぼそりと

「今日・・・私の家、4時まで誰もいないんだけど・・・」





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」 俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。 学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。 その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。 少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。 ……どうやら彼は鈍感なようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【作者より】 九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。 また、R15は保険です。 毎朝20時投稿! 【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...