目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

文字の大きさ
89 / 267
第2章 開拓篇

第89話 村人 国を配下に置く

しおりを挟む
王国歴19年5月26日09時00分、王都、陸楊の大極殿で雷漢が発した詔にどよめきが起きた。

「これより我が国は、村人の傘下に入る」

家臣の多くは王のそのあまりにも唐突な出来事に戸惑い、反発をしている。そんな中、俺と銭が呼ばれ、王の横に並ぶとその反発は一層激しさを増していった。

「なぜ!!そこに銭がおるのだ!!」

「そうだ!!そうだ!!」

「貴様は本来死刑のはず」

「それとそこにいる一般人はだれだ!!」

予想されたことであったが反発は、相当なものだった。そんな中でも丞相のノブだけは、じっとこちらを見据えていて、いまだに声を発していないところが不気味だ。

「これは、我が国の安定のためである」

「これは、王よ!!仮にそこにいる村人とやらが我々の新たな王となるということなのか?」

右大臣のサダヒラはまっさきにその質問をしてきたので俺が答えることにした。

「あー!それでは、ここからは、わたくし村人がご説明をいたします」

するとサダヒラは

「貴様なんかに何ができるのだ!!」

あまりにも騒ぎ立てるので、一度目は注意をした。

「そこ、これから説明をすると申しているので、静かに」

「やかましい!!貴様こそ!!下がれ!!」

「そうだそうだ!!」

これって、火に油を注いだようだ。彼らはさらに声を高々に下がれとか叫んでいる。

「そこうるさいぞ!!最後警告だ!!これ以上騒ぎ立てるのであれば、しばらく、強制的に静かになっていただくしかないのだが」

最後通告を聞いても彼らは、収まる気配を見せない。

「何をやれるものならやってみろ!!」

「そうだそうだ!!」

「衛兵!!何をしている早く奴を仕えろ!!」

「本当に!!うるさいぞ!!」

「やれるものなら!!やって…う…」

急にサダヒラが気を失って、その場で崩れ落ちたのを見て

「ひぃーー!!」

さっきまで騒いでいた連中は恐怖の悲鳴を上げだした。

「命だけは!!」

中には命乞いをするものまでいた。なんとも変わり身の早い連中だ。これほどとはと感心していると丞相が声をあげた。

「村人殿の傘下になるということは、あなたがこの国の王になるのですか?」

「あ…そのことについてですが、統治については、現状のままとします。よって、ここの国の王は、雷漢殿が引き続き行い。皆様も今まで通りしていただいければ、助かります」

するとじっと腕を組んで俺をみている丞相は

「この国は東に強国のシン、南に軍事国家”楚”、北には”北丹”がの3方を囲まれております。特にシンはこの国を虎視眈々と狙っております。ただ、西にあるマインと多田羅か供給される鉄という軍事物資があるおかげで成り立っております。どのように王を説得させたのかはわかりかねますが、このことがシンにつたわれば、即刻侵攻してくることとなります。あなたは、今まで通りでよいと言いましたが、ここにいる面々、立場を異なるものがおり、今の話は明日にはシンに届くことになります。よって、ここで王とあなた方にはいなくなってもらうのが得策がと考えるが」

最後の言葉には迫力があった。さらに、大極殿の南の扉が開いた。

「来たか!!カツ、ナガ、イチ、ミツ!!こやつらを成敗せよ!!」

「おうよ!!」

カツが俺に切りかかってきた。

ギン!!

その刃をバリヤーで受け止め、サイコキネシスで壁まで吹き飛ばした。

ドーン!!

併せて、彼には気絶(シンコペーション)を食らわせ、その場で気絶してもらった。

「カツを一撃で…」

その光景を信じられないようで、丞相は初めて同様を見せたのだった。

「何を!!」

残り3人が切りかかって来たので、サイコキネシスでそれぞれを壁まで吹き飛ばしたのであった。

「一瞬で、一騎当千の我が四天王を」

「丞相殿、これでわかったろう」

「ぐ…」

そのころだ。俺のスマホにミケえもんから連絡が入ってきた。

「村人様、艦隊は目的地に到着しました」

スマホをポケットにしまい。丞相の前にテレポーテーションで移動した。

「わぁあ!!」

一瞬の出来事に驚きの声を上げるが、そんなことはどうでもよい。俺は、ポケットから空飛ぶ鉢を取り出した。

「皆の者、これから、いいものを見せてあげよう。これを見れば、だれも裏切らぬだろうよ。ささ、この鉢の上にのって」

一同を鉢の上に乗せ、テレポーテーションで西の四方丸が見えるところまで移動した。そのこと自体にみんな驚いたが、さらに驚いたのは、ドレッドノート級飛行戦艦3隻がその巨大な船影と無骨な威容さをもって、威風堂々と近づいてきていたのだった。それを見た丞相が

「あれは?」

「我が軍が誇る飛行戦艦だ」

「空を飛ぶことができるのですか?」

「そんなことはどうでもよい。ここからが見ものだ。ほらあそこの砦が今回の標的だ」

「西の四方丸に何を?」

「ま…よく見ておくことだ。裏切ったらこうなるのだと」

「いったい何が…」

俺はスマホでミケえもんへ連絡をした。

「ミケえもん!!トラトラトラ」

「村人様!!了解しました」

ミケえもんは総員に伝えた。

「全艦、ハイパーメガ魔導砲発射用意!!」

三つの船は目標を中心に半円状に展開をしていた。

「2番艦、マイン、3番艦、タタラから入電、ハイパーメガ魔導砲、発射準備完了」

「各館へ発射カウントダウンを行う」

各艦の船首に光が集まっていっている。それをみた丞相は

「何が起きるのだ?」

「ま…見ておれ」


「カウントダウン 10秒前 9・8・7・6・5・4・3・2・1 発射!!」

各艦の船首から一斉に放たれた光の矢は、轟音を轟かせ西の四方丸を直撃し、きのこ雲を作り上げていた。しばらくして、土煙が収まったあと、西の四方丸は跡形もなく吹き飛んでいたのだった。

「こんなバカな・・・」

その恐怖に丞相ノブは声を震わせ

「あの城塞を一撃でなくすとは、信じられん」

俺たちは、ふたたび大極殿に戻り、皆の意見を聞いた。

「つまり、統治については今まで通りだが、多少お金の問題と人の問題がでてくるだろう。基本的は、何かがあったら、我々はできる範囲で支援をいたします」

「わかりました。あなた方に従います」

こうして、俺は斉の国を手に入れることができた。人口1000万を誇る大国家が俺の手中に入ってきた。そのことは、人々の交流が始まることを意味していたのだった。







しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~

みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。 何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。 第一部(領地でスローライフ) 5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。 お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。 しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。 貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。 第二部(学園無双) 貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。 貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。 だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。 そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。 ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・ 学園無双の痛快コメディ カクヨムで240万PV頂いています。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...