ほえ?

Seabolt

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第15話

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家に帰ると美沙が駆け寄ってきた。しかも、裸にエプロンで

「お帰りなさい。たろーちゃん。寂しかったよ~」

そのまま新婚夫婦にありがちなキスをした後

「今日はどうする?お風呂にする?晩御飯にする?それともわ・た・し・?」

その後は、もちろん、美沙からいただいたのは言うまでもない、その日の夕飯である牛ひき肉とゴロゴロ野菜の特濃旨カレーライスを食べたのは、お風呂(もちろん二人で入浴)から上がった後の10時以降くらいだった。という訳で数日後、美沙も登校日となっているのだが、ぐずる美沙を説得、学校では、春日先生ということ、それに、学校で結婚したことは秘密だからというとそれを言うことを言うと、朝食の時にかなり落ち込んでいた。一方朝食はというと、俺の健康の為と言って、朝から和食だった。今日は、卵焼きに鮭に味噌汁といった標準的な朝食だった。しかも、お弁当まで作ってくれていたのだから、彼女の頑張りようからするとさっきの一言はかなりショックだったようだ。それと、俺の担当が2年生だということでなおさら落ち込んでいた。そして、俺は、朝会があるからと美沙より少し先に学校へ向かうことになった。
校門まで行くと既に散り切った桜の若葉が青々としていて、そんな横を早く登校してきている生徒たちがおはようございますと過ぎて行く日常が始まっていた。そんな中で、何故か一人の少女が俺の前に立っていた。しかも、その横には友達と思しき二人が立っていて、どうしたのと彼女の手をゆすっていたら、何かに気付いたかのように俺の前から逃げ出していった。そして、彼女の友達と思しき二人も、どうしたの?と叫びながら彼女を追っかけて行った。ま・・気にすることはないのだろうけど、と思っていると後ろから

「春日先生、おはようございます」

思いっきりの笑顔で思いっきりの愛情と思いっきりの思いやりを込めた美沙の声、思わず、美沙と抱きしめたくなるくらいかわいい美沙がそこに立っていた。俺の方が動揺してどうなると思っていると

「春日先生どうされたんですか?」

その声の主は、篠田先生だった。その言葉にハッとした俺だった。そして、

「おはよう!!」

と美沙に声をかけた瞬間だった。誰かに腕をガシッと掴まれ、むにゅりと胸を押し当てられたのだった。

「春日先生!!おはようございます!!」

その声の主は本田先生だった。それを見た篠田先生がすぐさま俺と本田先生を引き離してくれた。

「朝から何をしているんですか!!本田先生!!」

「あーーん!!」

と嘆いている本田先生と篠田先生がほぼ喧嘩みたいになっている状況で、突き刺さって来る視線が合った。そう、美沙から・・美沙の視線が怖いと思っていると再び誰かに俺の腕をガシリと掴まれたのだった。

「おはよう!!たろちゃん!!」

渚だった

「渚!!いい加減にしろ!!」

俺の一言にすっと手を離した渚、その視線の先はもちろん美沙を見ていた。というより挑発していた。

「へーい」

すると美沙の視線が更に俺に突き刺さっているのがよくわかる。しかし、美沙は俺の言うことを我慢してくれている。流石俺の妻だ!!いえ・・大丈夫・・あなたを信じてますから・・・ありがとう・・・などと某キック〇フのような視線での会話しているそこへ割り込んできたのは、他ならぬ篠田先生だった。確かにそうだろう俺を見て、いきなり“たろちゃん!!”なんていうものだから、驚いて当然だ。だいたい俺自身これからある朝礼で新任の挨拶をすることになっている。ということは、現時点で、本来であれば、俺のことは誰一人として知らないはずだ。ということは、美沙の挨拶も不自然だったことになると俺は、別な意味で冷汗が出てきたが、それは杞憂の様だった。

「大島さん!!先生に対してそんな言葉遣いをして!!」

「そうよ!!」

その横では、本田先生も参戦をしているし、次元としては、渚が俺の腕をつかんだことに対して、怒りをあらわにしているような感じの本田先生は、何を考えているのか渚が掴んでいた腕の反対側の腕をつかんできたのだった。その瞬間に目が完全に怒っている美沙に俺は、ひきつった笑顔を送った。すると美沙も引きつった笑顔を送ってくれるんだけど、さっきみたいな余裕はない様だった。そこへ、篠田先生は、本田先生を俺から引き離そうとしながら

「大島さん!!春日先生になんてことを!!」

「え?」

素で驚いている渚に俺もそうだろうなと思いつつも、その横の美沙の視線が痛いとおもっていると渚は素直に

「だって、たろちゃんって、私のおじさんだから・・・」

その瞬間にかなり驚いたのだろう。俺の手から離れようとしなかった本田先生の手がパッと離れた、しかも、本田先生を引っ張っていた篠田先生ごとひっくり返ってしまっていた。そして、二人は俺の前で、スカートがめくれ上がりその内部をあらわにするのだった。

「「キャー!!」」
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