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第6話
しおりを挟む「ほえ?」
「そこの二人、ちょっと待ちなさい」
ホテルを出た俺たちは、夕暮れの街並みをしばらく歩いていると警官に呼びとめれれた。それもそうだろう、美沙がべったりと俺の腕にくっ付いて離れようとしないのだ。
「だから、離れろって」
「いいじゃない。減るもんじゃないし」
と俺たちは、警官を無視して話を続けているた。すると
「うっほん!!」
咳払いの声に会話も止まった。
「聞きたいことがあるんだけど」
「ほら、間違われたじゃないか」
と俺が美沙に声をかけるとその会話に警官が入ってきた。
「どう見ても、君たちは、親子じゃないよね」
ばれてる・・・と美沙をちらりと見ると、美沙も軽く目をつぶっていた。そして、
「ひょっとして、援交と間違えられたの?」
「どう見ても、そうだろう。わかってるね。署まで同行していただこうか」
警官は俺たちをにらみつけてきた。すると、美沙が衝撃的なことを言ったのだった。
「この人は私の旦那様なの」
美沙のこと一言に呆れた顔をする警官の姿を見て、思わず目をつぶってしまった。当然、警官は、美沙を指さして、予想通りのことを言ってきた。
「は?どう見ても、君は未成年だろう!!」
流石にこんな嘘はばれて当然だろう。この時点で警察官は完全に疑いの目で俺たちを見ていて、自分一人では対応できないと判断したのだろう、無線で応援まで呼ぼうとしている。そんな中で美沙はスマホを取り出した。
「ママ!!今どこ?私、駅前なんだけど、今ちょっといい?実はさ、婚約者と歩いていたら。そう、たろちゃんと、そしたら、警官に捕まって、ちょっと来てくれない?」
警官が応援要請を済ませた時には、美沙の電話も終わっていた。しばらくして、応援の警官たちが来た頃に、若い男女のカップルが俺たちの前に現れた。そして、その女性を見て、俺は驚いた。そこにいたのは、あの時の風俗嬢が目の前に立っていたのだった。そして、俺に気付いて軽くウィンクをしてきた。
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